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桜の季節が終わる頃
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【ふたりなら。】
「……! ……!!」
気がつくと綾花の身も心も、飛び跳ねておりました。
「け……珪さあんっ!!」
「おっとと」
弾かれるように彼の胸へ飛びこむと、ふたりはイキオイあまって砂の上。頬に砂をつけたまま、綾花は瞳にしずくをためて、
「う……ウソじゃないですよね?」
「うん。ウソじゃない」
「け、珪さんも……私を?」
「うん。好きだよ」
「そっそそそれじゃあ、私たちっ、あの、その! こ、こい……こいっ」
「恋人同士。だね」
「~~~~~~っ!!」
ぎゅうとしがみつき彼の胸へ頭をうずめます。そこへ彼は綾花の頭頂へ、額へと、唇を寄せました。そろりと身を離し見つめると、桜風はまだ彼の笑顔を彩り輝かせています。
三年間。想い続けた綾花の恋がひとつに結ばれた、その瞬間でした。
身を寄せあうまま心地よく余韻にひたっていたら、彼が言いました。
「僕からも……少し。話したいことがあるんだ。いいかな」
「な、なんでしょう?」
「本当を言うとね。こわかったんだ。君への気持ちを認めることが」
怪訝そうに首を傾げた綾花に、珪はどこか困ったように眉を寄せて、
「世間の目は、優しいようで案外、きびしいものだから。きっと君の想像以上に」
遠くの空をふと見つめます。その瞳にはいつかの、あの
雨の日
に見せた、どこかかなしい色がちらりとのぞきました。
今の綾花には、あの日の珪の沈んだ表情、その意味が分かります。深く彼を理解することができたから。天使の輪っかみたいな薄明光線が、彼の心の奥までも照らしてくれたから。
「臆病だと思ってくれていい。今、はっきりと分かったよ。僕は……こわかったんだ」
「珪さん……」
「綾花さん。君が、傷ついてしまうことが。傷つけられてしまうことが」
学生と教師、その恋がどれほど純粋で正しいものであったとて、世間はきっと優しい目を向けてはくれません。それを珪はきっと、誰よりも深く分かっていたことでしょう。身に染みるほどに……道ならぬ恋というものが、親しい人をどれほど傷つけたか。打ちのめしたか。
そうして彼もまた、傷ついた。
「僕自身を、そして君を守っているつもりで……もっと大切なことを、僕は見落としてしまうところだった」
それでも彼は、珪は、綾花とともに前へと進むことを決めてくれました。彼の思いと決意を、綾花へと伝えてくれました。
「もしかしたら、誰かに傷つけられてしまうことがあるかもしれない。でも、前を向いていこう。君と僕、ふたりで乗り越えていこう。今は、そう思って」
言い終わる前に、彼の頬へ、綾花はもはやためらわず唇を押しつけます。
「大好きです。珪さん。大丈夫ですよ、きっと乗り越えていけますから。どんなことだって、ふたりなら」
「うん。そうだね。ふたりなら」
と、その時。目の端に映ったのは、いつのまにやら放り出されてちょっぴり砂がついてしまった、あのお守りです。拾い上げて、ぱっぱと砂を払い落としたら、
「……珪さん」
「うん?」
「行きましょう!」
綾花は立ち上がります。
「どこへだい?」
「『OLDLYNX』へ。教えてあげないと。今ごろ、やきもきしながら待っているはずだから」
友人のような姉のような、ああ見えて世話焼きな彼女の顔を思いうかべて、くすりとひとつ笑うと綾花は珪の手を取り、ぐいと引いて駆け出します。
「ほら、珪さん! はやくはやく!」
「おっととと」
そんなふうに仲睦まじいふたりの姿はもう、だれの目にも恋人同士と映るでしょう。
古書店の中を行ったり来たり、ずうっとウロウロしていたらしいつるぎは手をつないで現れたふたりの姿を見るなり、ぶわわっと大粒の涙をこぼして泣いてしまいましたとさ。
ひと回りも年上の、頼れるけれど時どき少女のようなお姉さんをふたりしてなだめながらに、綾花はふと、開きっぱなしのお店の扉の向こうを見つめます。四角く切り取られた光の中へはらはら、はらり。舞い散る桜の花びらたち。
「……桜の季節も終わりだね」
ずびびと鼻をすする音も聞こえつつ。ふとつぶやいた彼の微笑みは安堵や静穏に満ちて、なにより、想いがにじみました。
じんと染み入る綾花の胸は、とく、とく、とくん。変わらず弾んでいるけれど、追いたてられるような焦りも、遠慮やとまどいも、もうありません。
桜の季節が終わる頃。やがておとずれる、あたらしい季節。あたらしいふたり。
彼といっしょなら、どこまでも歩いていけるはず。いつまでも、どこまでも、ふたりなら。
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あとがき
担当マスター:
墨谷幽
ファンレターはマスターページから!
墨谷幽です。
『桜の季節の終わる頃』、リアクションをお届けいたします。
言わずもがなではありますけれど、こちらのタイトルは浅野マスターの素敵なリアクションの一節から拝借いたしました。
らっかみ!タイムにして3年間、リアルでは実に12年もの間、今まで大切に、一途にはぐくんできた綾辻さんの想いが結実の時をむかえたものと思います。
卒業式も終わりあらたな季節、オーバータイムとなり、これからの彼との関係も大きく変わってゆくことでしょう。
今後のおふたりもぜひ、ラブラブだったり、いっしょに困難を乗り越えたり、そんなたくさんのシーンたちの一端を、墨谷にも描かせていただけましたら嬉しいです。
節目となる大事なシナリオをおまかせいただきまして、とっても光栄でした。
それでは、今回はプライベートシナリオにご指名いただきまして、まことにありがとうございました!
次のシナリオでお目にかかれますことを、心よりお待ちしております。
お疲れさまでした!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年10月12日
参加申し込みの期限
2024年10月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年10月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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