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夏の鏡像
このところ、日本は酷暑だ。三十八度が当たり前だなんて、人を殺しに来ているとしか思えない。
梅雨明け宣言のあった夜、
志波 武道
は大学の課題で手こずり眠れないまま夜明けを迎えた。課題はなんとか仕上がったものの、いろいろと考えすぎたせいか脳の興奮がおさまらない。すこしでも寝なければ、とベッドに入って何度も寝がえりを打ったが、同じ考えが行き来するばかりで寝付けず、結局起きて軽く走ることにした。
朝五時。この時間の風は、まだ人にやさしい。低い太陽が背中を追いかけて来る。気の早い蝉の声がする。
行き交う車もまばらな299号線を渡り、始発前のしんとした踏切を渡り、海沿いの道をエノコロ岬のほうへ向かって走る。
この島でなんど夏を迎えただろう。
走りながらそんなことをぼんやりと思う。武道は大学三年生になっていた。もうすぐまた進路を決めなければいけないなんて、大学生の時間は高校生のときよりずっと速い。
思い返せば。
弟のためにこの島にきて、これまでの寝子島での夏はずっと弟のことを思っていた。
弟のために駆け抜けた日々だったといってもいい。
(いや、……本当はそれはズルいタテマエだったよな……)
心理学を専攻するようになり、心の仕組みを勉強するにつれて、武道は見たくなかったものと向き合わざるを得なくなることも増えた。伊達眼鏡をかけて軽口をたたき、弟のため、誰かのためと笑っていた自分と。
「はあ、はあ」
弟には彼女ができた。離れていても心を通わせ、支え合える素敵な女性だ。
「はあ、はあ」
もう自分は必要ではない。弟を甘やかし、罪悪感を隠して守る必要はもうない。
「はあ、はあ」
もう弟はひとりで立てる。手を差し伸べなくても歩いて行ける。
「はあ、はあ」
――俺はどうだ。
自問しながらエノコロ岬の先端を覆う森の手前で島の内側に折れ、線路を渡って299線を戻る。
いままで背中を照らしていた太陽に、今度は正面から向かっていくかたちになる。
夏至すぎの太陽が武道を照らした。
汗がにじみはじめる。
サングラスを持ってくればよかった。
光に向かって、己ひとりで走ることは、存外苦痛だ、と武道は思った。
帰宅し、冷たいシャワーを浴びる。
さっき時計をみたら六時にやっとなったところだった。
隣室はまだしんとしている。
水音がうるさかったら申し訳ないと思ったがまだ夢の中で気づかないのならありがたい。
最後にシャワーの水温をあげ、さっぱりしたところで水を止める。
鏡の中に自分が映っていた。腕の痣はついた当初よりずいぶん薄くはなったものの、消えてはいない。
すこし笑う。その顔を見て、ああ、これじゃないなと思う。
弟や誰かのために行動した自分が嘘だったとはいわない。だけど武道は、鏡に映る自分が笑う顔は苦手だった。何故ならばそれが本心を隠す仮面であり、弱い自分を守るための鎧であることを、誰よりもよく分かっているからだ。
「なあ、あんた。自分のために笑えるか?」
武道は武道に問いかける。
「自分のために進めるか?」
答えは学んで知っている。
自分を信じる。
自分は自分のままでいいと、誰よりも自分が信じるだけでいい。
もしも自分と同じような人が目の前にいて、どうしたらいいかと問いかけてきたら、そう答えられるのかもしれない。だがまだ今は、頭では分かっているその答えを、自分のものにすることはできていない。
(いや、やっぱり言えないな、自分を信じればいいんですよ、なんてそんな簡単にはさ)
難しいと分かっていることを、さも簡単そうに口にするのは、なんだか不義理だ。
だったら――どうするだろう。
武道は鏡の中の傷痕をなぞるように鏡の表面に指を這わせた。
その部分についた湯気が滴になって流れ落ち、指のあとだけクリアになる。
(話を聞いてやる、かもしれないな……)
聞いてやったらいいのかもしれない。思えば自分は、自分の声を、圧し殺してばかりいた気がする。
顔を上げれば、鏡の中の白くぼやけた武道の顔が、幾分ゆるんだ気がした。
道はまだなかば。ゆっくりでいい。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年10月10日
参加申し込みの期限
2024年10月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年10月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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