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ハッピーブロッサム
ねこぴょんの日から間もないある日のこと。
桜井 ラッセル
と
稲積 柚春
はそれぞれ、
風の精 晴月
と
ウォルター・B
を誘ってお花見に来ていた。
「お弁当を作ってきたから、楽しみにしててねワット」
「楽しみだねぇ、このところ腕をあげてるみたいだし?」
「いろいろ勉強して頑張ってるよ。ワットに美味しいって言ってほしいもの! もちろん桜井先輩と晴月さんの分もありますからいっぱい食べてくださいね……ってあれ?」
柚春はラッセルの表情があまり浮かないことに気づく。
「卒業してしんみりですか? それとも新生活が不安とか?」
ラッセルは心配されていることに気づき、慌ててて笑顔の仮面をかぶる。
「いや、そういうんじゃねーんだ」
「いろんなことが解決して。失ったものもあったけど残ったものもあって。
これから作っていけるものもあってさ、なんつーか、……」
寂しい、だろうか。
よかった、だろうか。
どちらもその通りで、けれどそれだけではない気がして、言葉にならない。
ラッセルは満開の桜を見上げ、ただ心に浮かんだことを口にした。
「綺麗だなー……」
「ラッセル!」
ふわり、風の精である晴月が、ラッセルにくっついてくる。
「ラッセルどうしたの? なにか、心配?」
「いや、そうじゃねえ……そうだ晴月、空からいいとこ見つけたら案内頼んだ。そこでお花見しよーぜ……」
と言いかけて、ラッセルは自らの胸元に視線を落とす。そこにはずっと大切にしてきたオルゴールの金の鍵があった。ラッセルはその金の鍵を握りしめる。
「……と、忘れてた……」
「ラッセル?」
「ごめん晴月。俺、もういっしょに空を飛べないみたいだ」
この鍵を握りしめればラッセルのろっこんが発動し、カナリアやほかの猛禽の鳥となって空を飛ぶことが出来ていた。三年間ともに生きてきた、親友のような存在だった力は、もうその手に感じられなくなっている。すくなくとも、今は。
「翼で飛ぶの気に入ってたのにな……」
「ラッセル」
晴月はラッセルの金の髪ごと、彼の頭を引き寄せる。
「ラッセルはラッセル。空を飛べても飛べなくても。でしょ?」
ラッセルは晴月の草色の瞳をじっと覗き込む。幻滅されたら、なんて考えていた自分がバカらしかった。そんなのは晴月を信じられない自分の弱さだ。あれがなければ嫌われるんじゃないか、こうじゃなきゃ好きでいてもらえない、そんなふうに思うなんて晴月に失礼だったし、自分にも失礼な話だ。
晴月はそんなうわべだけを見ている子じゃない。
晴月が見ているのはきっと、ラッセルの魂の色みたいなものなのだろう。その色は、ろっこんが無くなったからって、変わったりしない。
「俺は『鳥の人』じゃなくなったけどさ、晴月が好きな気持ちは変わらねーから。……今、一緒にいてくれてサンキュ、な」
「うんっ!」
晴月は、お弁当食べよう、と朗らかに笑う。
四人は、花がきれいな桜の根元を陣取って、お弁当を広げていった。
「柚春さんは何作ってきた?」
「いろいろあるよー。洋風中心で、摘まみやすいものにしたんだ」
「お、稲積はロールサンドイッチか。俺はお稲荷さんと厚焼き玉子と……」
「おいしそー!」
晴月が待ちきれないというようにお弁当に手を伸ばす。
「あ、その唐揚げは上の空で作ってたからちょっと焦げてて……ほら、こっちの上手く出来た方やるよ」
「あーん!」
ラッセルは大きく開けた晴月の口に、キレイにできたエビフライを咥えさせてやる。
「あーん……って、え」
柚春とウォルターがニマニマしているのを見て、ラッセルは真っ赤になった。
「いや、えっと、そーいうんじゃ……」
「なんだろうねぇ、春なのに熱くなってくるったら」
「ふふっ。照れなくてもいいじゃないですかラッセル先輩。はいワットも。あーん」
柚春が串に刺したプチトマトを差し出すと、ウォルターはそれをぱくっと口に入れる。
ラッセルはなんだか見ていられなくて――自分と晴月がどう見えているかと思うと居たたまれなくて――そっと目を逸らした。
「ねぇワット」
柚春はこそこそとウォルターに耳打ちする。
「男の人はどうやったら元気になる? 僕が何をしたら嬉しい?」
ウォルターはすこし困ったみたいに眉を下げる。
「うん……君ね。質問の仕方がときどきエロいから気を付けてねぇ」
「えっ、なにそれ! ワット、そういう妄想したってこと?」
「まだ何もイメージしてないよぉ」
「えー。してくれていいのに」
甘えて唇を尖らせると、何にも知らないピュアな晴月が割り込んでくる。
「なになに? 何の話?」
「晴月はいいの。まだ耳を塞いでなさい」
ラッセルが両手を後ろから回して晴月の耳を塞ぐ。その手がくすぐったかったのか、晴月はきゃっきゃと笑って、それにつられてラッセルも柚春もウォルターも笑って――……
――桜の花びらが吹雪となってゆきすぎる。
桜の下で四人でお花見をした日から、三年とすこしの時が過ぎた。
四月一日。柚春は二十歳になる。
「ねえ、ワット。いったいなに? ドレスアップしてあの桜の樹の下に来てって、いったい……」
柚春は誕生花になぞらえてマーガレットの花をイメージした、白からピンクのグラデーションが華やかなドレスを纏って、ウォルターに手を引かれている。
「いいからいいから」
そういうウォルターも、エーデルワイスの花のような白のスーツだ。
誕生日を祝ってくれるのだろうということは想像がつく。
だがウォルターの様子は、それだけではない企みがあるような……。
何にも知らない柚春が期待と不安を胸に、あの日の桜の樹の下に来ると、そこで待っていたのはあの日と同じ顔ぶれ――白のスーツの胸元に桃の花をを挿したラッセルと、柚春とお揃いのような白いマーガレットのドレスを纏った晴月であった。
「柚春さんーっ!」
三年分大人になった柚春に、晴月が抱きついてくる。
「お誕生日、おめでとうっ!」
びっくりしている柚春にラッセルが補足する。
「晴月も四月一日が誕生日だろ。といっても本当にその日に生まれたかどうかは分からないだけどさ、春生まれらしいってことで」
「彼と僕とで、サプライズ誕生パーティを企画させてもらったよ」
ウォルターとラッセルは、大成功というようにハイタッチしている。
「ワット、ラッセル先輩、ありがとう! すっごく……嬉しい!」
晴月と抱き合ったまま、柚春は心からお礼を伝える。
パーティ会場は派手ではないものの洒落た雰囲気に飾り付けられていた。
柚春は魚の形をしたパイの上にフルーツが乗ったお菓子があるのに気づき、ウォルターに尋ねる。
「これ、ポワソン・ダヴリル?」
「さすが柚春。よく知ってるね」
「四月の魚――フランスの風習で四月一日に食べるんだよね?」
「今日にぴったりだと思ってねぇ」
「ワインも用意してくれたの?」
「教師にあるまじき愚行かなぁ」
心にもない顔でウォルターは笑う。
「『教師と生徒』はずっと前に卒業したでしょ」
柚春はワインボトルを抱きしめた。二十歳。お酒も解禁できる年になったのだとしみじみと思い知る。
「稲積も晴月もおっめでとー!」「僕ら二人から最大の祝福を送るよぉ」
「ありがとう!」「嬉しすぎて泣いちゃうよ」
溢れてくる涙を拭って、柚春はウォルターに顔を寄せるように背伸びをした。
「おまたせ。僕、大人になったよ」
もう誰にも遠慮しなくていいよね、と柚春はウォルターに口づける。
「あーっ、柚春さんずるい。私も」
晴月も背伸びしてラッセルの首に腕を回す。
「いや、え、ちょっと晴月……俺は外でこういうのは恥ずかしいっていうか……うわぁ」
――また春が訪れる。
幸せへの新しい一歩を踏み出した四人を、花々が祝福している。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年10月10日
参加申し込みの期限
2024年10月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年10月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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