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「小谷すっげー! ほんとに同じ人間かよって感じだよな。晴月、分かるか!?」
「じゃあ、ショウタニも風の精なの?」
「いやそういうことじゃ……野球の精ではあるかもしんねーな」
誰しも浮かび上がりそうな街の盛り上がりを、ふわふわ浮かんで上空から眺めていた
風の精 晴月
を
桜井 ラッセル
が掴まえてみると、彼女は事情を把握していなかった。
「いいか、晴月。小谷はメニャーリーグで活躍する野球選手でな。誰も成し遂げたことのなかった数々の記録を」
「ふんふん。なるほどー。美味しそうだね」
あれこれと説明してみたラッセルだが、晴月の興味はキャットロードならぬ小谷ロードへ満ちる馥郁たる甘味の香りへ移ってしまったようだ。物欲しげな視線を向けられ、ラッセルはくすりと笑んだ。
小谷の偉業達成記念メニューを一通り買い込むと、近くの公園へ移動する。ベンチでさっそくデコポンの焼き印入りまんじゅうへかぶりついた晴月に、ラッセルはスマホに映した動画を見せてやった。
「これがショウタニ?」
「そ、小谷 幸平。野球選手! 打って良し投げて良しの二刀流で、おまけに盗塁までできちまうマルチプレイヤーなんだぜ。その上今回はさ、50-50……誰もやったことの無かった記録を達成したから、みんなそれを喜んでるんだよ」
「誰もやったことの無い。そっか、それはすごいね!」
「だろー!?」
説明が良かったか、晴月も世の浮かれようの理由が少しは腑に落ちたようだ。目を輝かせて、小谷の放つ大ホームランに見入っている。
「いやほんと、同じ日本人として誇らしいよなー。いや俺はハーフだけど、でもまぁ日本人の血も入ってるわけで」
「ねぇラッセル、ほかは? 他の小谷は? もっと見たい」
「おっ、そうか? そうだろー、じゃあとっておきのやつ見せてやるよ。去年のWBCで優勝を決めた瞬間の小谷がまた良くってさ」
野球のルールも分かるまいに、それでも小谷の胸をすく活躍は晴月をも惹きつけたらしい。もっともっとと乞われるまま、ラッセルはスマホへ動画を映し続けた。
道行く人々がなぜ揃いも揃って同じ服を身につけているのか、晴月はようやく得心したようだ。
「みんな、小谷の真似をしてたんだね」
「小谷を応援したり、応援するための方法の一つって感じかな……グッズを買ったり、コラボメニュー食ったりさ」
「そうすると、小谷が得するの? 儲かる?」
「いやそれは、うーん。どうだろう。どうなんだ……?」
かつては純粋無垢という言葉が具象化したように真っさらな存在であった晴月も、読書や映画鑑賞といった趣味の獲得を経て知識や社会通念といったものが身についてきたのだろうか。
「ラッセルも買ったの?」
「俺? グッズならいくつか持ってるよ。つっても、俺もこんなふうに小谷が活躍するまでは、野球なんて興味なかったけどなー」
「そっかー。あっ、犬! かわいい! これ、小谷の犬?」
「おっデコポン! そうそう、小谷の犬。可愛いよなぁ」
動画へかじりつくようにすっかり夢中な晴月だが、おかげでラッセルは少々困ったことになっていた。あるいは嬉しいことであったかもしれないが。
(ち、近っ……!)
一つのスマホ、一つの画面で二人が動画を見ているものだから自然、身を寄せ合うことになる。晴月の顔はラッセルと頬が擦れる程の間近にあった。あれは何、これは何を晴月の問いは尽きずそのたびにぐいぐいと肩なり顔なり寄せてくるのを、彼女は意識しているやらいないやら。
まぁ、問題が無いと言えば無いのだ。互いに好きと伝えあった仲なのだし、多少のイチャイチャを公の場で見せつけたところで問題もあるまい。何ならそれ以上のことをしたって問題あるまい。
その上でつまり、何だ。照れるのである、ラッセルは。
「ど、どーだ? すげーだろ小谷は」
「うんうん、すごい!」
もっとも晴月のほうは、画面に見入るばかりだが。何だかんだと興味を持ってくれたようで、ラッセルとしても嬉しく思う。これからは小谷の功績を追いかけることで彼女と話題を共有でき、話も弾みそうだ。
「私も野球、やってみたいなー」
「ああ、それもいいな。千や友達も誘って、試合したいな。あ、その時は力は使っちゃだめだぞ? 飛ぶとか風を起こすとか。フェアじゃないからな」
「うん、分かったー」
なんて話をしていたら、公園の前を横切る通行人、ユニフォームのレプリカを着た仲睦まじいカップルの会話が聞こえてきた。
「あ、寝子電スタジアムでもイベントやってるって! 小谷君のショートフィルム上映会だって、見たくない!?」
「おー、見たいかも! 行ってみよーぜ!」
会場のスタジアムへ向かうのだろう、足早に去ってゆくカップルの背を見つめる晴月の瞳はやはり、輝いている。オモチャを買ってもらったよその子に、自分も同じものが欲しいと訴える子どものような目だった。
「……俺たちも行くか? 寝子電スタジアム」
「! 行く! 行こう、ラッセル!」
言うが早いか立ち上がり、ぐいぐいと手を引っ張る彼女は今にもそのまま、天へと舞い上がりそうな勢いだ。
「ってこら、飛ぶな飛ぶな! ゆっくり歩いていこうぜ。そういうのも悪くないだろ?」
「そうだね。そうしよー」
気ままな風の精にもどうやらあれこれ事情やら使命やらあるらしいが、今日のところは少しだけ浮ついた普通の女の子だ。陽光を浴びてきらめく笑顔を眺めて、ラッセルはそれを引き出してくれた小谷 幸平に感謝した。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年09月22日
参加申し込みの期限
2024年09月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年09月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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