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光風霽月
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ラッセルが差し出したのは、小さなフィルム封筒でラッピングされた、青と緑のラインで彩られたかざぐるまのペンダント。
街灯の下でもキラキラ輝くそれは、とても可愛いかった。少なくとも晴月は好みであったし、ラッセルとお揃いなのかと気になるくらいには付けてみたいと思うし、嬉しいと思っている。
それでも反射的に受け取るわけにはいけなくて、じぃっとペンダントを見つめた後ラッセルの様子を窺った。
「これ。ペアのペンダントなんだ。受け取ってくれ」
彼は尋ねる形ではなく、言い切った。それくらい彼も覚悟を決めてきたのだろう。
「……ラッセルとお揃い?」
「そうなんだ! 俺はこーしてる……よかったら身につけてくれよ」
じゃらっと笑顔で見せてくれたペンダントは、確かに同じかざぐるまだ。けれど、その隣にはラッセルが大切にしている金色の鍵がついていて、包みの中には鍵は無い。
「そんでさ、もし、本当にもしなんだけど晴月さえ良ければアパートの合鍵を付けてくれてもいいし……あっ、別に同棲の返事を急かしているんじゃないぞ? いつでも遊びに来て良いって意味で!」
あの時は照れるラッセルを揶揄えたのに、今の晴月にはそれが出来なかった。
――何でも喜んでちゃダメ。いつまでも子供でいてはダメ。
時折出てくる晴月にとっての『むずかしいじぶん』は小煩く、最初こそ晴月は相手にしなかった。
けれど柚春がアクセサリーに意味があると教えてくれたときや、ウォルターとの関係を溢していたのを聞いたとき。それから……ラッセルがデート先に悩んでウォルターに相談までしていたんだよと、僕らが邪魔になってなければいいなと化粧を施してくれたときに、ちょっとずつ周囲との違いに気がついた。
精霊だからとか、産まれたばかりだからとか、そんなことは関係ない。ラッセルの恋人でいたいなら、もっと向き合わなければいけないことがあったのだ。
「……ごめんなさい」
どう言えばいいのかわからず、晴月は謝った。
このペンダントが気に入らないわけじゃないし、ラッセルとお揃いだってしてみたい。だけど、それだけではいけないと気づいたから、受け取ってはいけない気がした。
「そ……っか。まあ無理にとは言わないさ、うん。ええっと……」
「私は、ラッセルが好き」
まとまらない思考で、今度こそは逃げ出さずに答えようと晴月は踏みとどまる。
上手く話せなくたって、ラッセルに悲しい誤解はさせたくないから、晴月は懸命に言葉を紡いだ。
「ペンダントもね、可愛いなって。お揃いも嬉しいなって思うよ……でもね、だからダメなの」
少しでも気を緩めたら泣いてしまいそうなほどに苦しいのに、ラッセルだって悲痛な顔をしているのに。それでもちゃんと、言わなきゃいけない。
「……私の好きは、ラッセルと同じ好きかな?」
たくさんの映画を見て学んだ感情は、正しいのかどうかもわからない。
もしラッセルが、鳥のひとじゃなかったら? 風を好きって言ってくれてなかったら?
そういったことに浮かれて同じように好きだと返したのか、女の子としてなのか……自分がわからなくて、未だ出せていない答えもある。
「本当のお揃いに出来るまで、預かっていて欲しいの」
好きだけじゃ答えに足りない。ちゃんと考えなきゃいけないと思うから。
気持ちが定まるまで、ラッセルに預かっていて欲しいだなんて、わがままだろうか。
「大げさだな、そんなに気負わなくてもいいのに……でも、言ってくれてありがとな」
ポケットにしまう前にラッセルはもう一度ペンダントを眺め、ここは引いていい部分かと考えを巡らせる。だけど、晴月の覚悟も痛いほど伝わったから、これ以上は追い詰めてしまうだろう。
「じゃあこれは『預かっとく』から。気持ちが固まったら教えてくれな」
「ねぇラッセル」
「ん? ああ、ガーデニングするときは呼ぶから、もちろん遠慮無く来てくれよ。さっきの風車を飾りにさ」
「私は『普通の女の子』になれるかな?」
ラッセルは色々教えてくれる。恋人になる前も、なった後も。こうして人間と同じように過ごしていると錯覚してしまいそうになるけれど――きっと、普通の世界になってしまったら何かが変わってしまう気がする。
そんな日が来るかは分からないけど、それなら晴月が『普通の女の子』になれている世界があっても良い気がした。
「そうだなぁ。晴月の言う普通が何を指すのかわかんねーけど、俺にとってはすでに特別っつーか……」
手を握り返し、言葉を選ぶラッセルの焦れったさに痺れを切らしてか、それとも先程までの場の空気の悪さを心配してか。
「よー、おふたりさん! 見事『月の橋』を見つけた記念写真はどうだい?」
などと軽い調子で千里が乱入するものだから、2人はパチパチと目を瞬かせる。
「……今、すっげぇ良いとこだったんだけど!! 晴月、今度こそ内緒で行こうな!」
「えー、カメラ係は居た方が便利でしょ。晴月、嫌だったか?」
間髪入れずに2人から問いかけられ、「うーん」と考えるポーズをとった晴月はにっこり笑ってこう答えた。
「ちゃーんとラッセルと2人の時間もくれるなら、一緒でもいいよ。覗き見されずにね!」
「なになに? オレに隠れて何しちゃうわけ? まさか今日もしてた感じ? そこんとこ詳しく……」
「言わねーよっ!!」
などと言い争っている間にも、閉園時間はやってくる。
わいわいと3人楽しく今日の思い出を振り返りながら、柚春達の待つ土産物屋へと向かうのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
2人
参加キャラクター数
2人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年10月16日
参加申し込みの期限
2024年10月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年10月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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