this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム /
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
光風霽月
<< もどる
1
…
22
23
24
25
26
…
28
つぎへ >>
その頃、ラッセルはとても緊張していた。
今でこそ晴月ははしゃいで月の橋を一緒に探してくれているが、風車小屋を見ている途中――正確には他の客がいなくなったのを見計らってプレゼントを渡そうとして、逃げられてしまったのだ。
ラッセルが用意したプレゼントは2つ。
1つは既製品のミニチュア風車小屋のガーデンオーナメントで、2階の窓から外の景色を楽しむエメラルドグリーンの髪と瞳を持つ赤ずきんと、金髪碧眼の狼男が楽しそうに笑い合っている姿を描き足した。電池で窓明かりが点灯し、風の弱い日には羽を回す動力にもなると説明すれば、晴月は興味深そうにそれを眺めてくれていたし、ラッセルの新居でガーデニングを一緒にしないかと誘えば嬉しそうに受け取ってくれたので、ここでは失敗していないと思う。
問題はその後、もう1つのプレゼントを差し出した時だ。
ラッセルは透明で丈夫なビニール袋に用いられる、いわゆるOPPと呼ばれるプラスチックフィルムとレジンを使って、手作りのかざぐるまのペンダントを2つ用意していた。花座やチャームにも拘って、胸元でくるくる回転するようにと試行錯誤を重ね、シードオブライフの台座と組み合わせた、涼しげな青と緑のラインで彩られたかざぐるまのペンダントを。
渡すなら願い事が叶う虹の麓だろうか、それとも幸せになる月の橋だろうかと考えて……やっぱり喜ぶ顔が早く見たくなって差し出していた。
その後あたりから晴月の様子がおかしくなって、気付いたらガーデンオーナメントを抱えて彼女は走り去っていったのだ。
同じ失敗は許されない。そう意気込むラッセルの元に、柚春とウォルターからメッセージが届いた。
「お、稲積達が先に見つけたみたいだな。場所のヒントは……遠くから見ること?」
「橋を渡って探すんじゃないの?」
余程驚かせたいのか、ウォルターからのメッセージはそれだけ。次に柚春のメッセージを確認すると、そこには『すっごく効果があったよ!』と嬉しそうなスタンプが添えられ、あとは土産物屋で待っていると言付けがあるのみでヒントは無かった。
ひとまずラッセル達はボート小屋あたりから探し直そうかと、水辺を歩いて行くことにする。月の橋が見つかれば嬉しいが、見つからなくても晴月に伝える言葉を決めているラッセルは、湖面をチラチラ気にしている晴月にどうしても期待してしまう。
月の橋は『想いを素直に伝えると良い』とされている。それを目にしたら、晴月も言いたいことがあるのだろうかと。
そうしてボート小屋まであと少しという所で、晴月が空を見上げた。
段々とオレンジ色が西へ追いやられ、月の輝きが増していく空は朝とは違った趣があるけれど。また空と海とがひと繋ぎになってしまう頃には、ラッセルは寮へ帰る。
寂しいとは思う。会いに行こうと思えばいつでも会えるけど、ラッセルの『学校』は場所を変えてまだまだ続くし、こんなに遠くまで出かけるなんて、それこそ頻繁には無いだろう。
だからせめて、月の橋を見つけたときは『むずかしいじぶん』のことは叩きだして、『いつものじぶん』で言葉を紡ごうと心に決めていた。……けれど、本当にそれはラッセルのためなのかと、今になって迷っている。
「ねーラッセル、月の橋ってどんなのかな? あれは違う?」
どれどれと晴月が指差す先を見ると、のぼりかけの月が水面に明るい道を作っていた。ムーンロードとも呼ばれ、場所と時間帯が合うと真っ直ぐ月まで繋がるのだとか。
「あれは……橋っていうより、道路のセンターラインみたいだな」
「そっか。じゃあ、あっちの月も橋の形じゃないから違うよね」
「あっち?」
今見ているセンターラインが月明かりなら、もうひとつの月とは何だとラッセルが首を傾げたとき、確かに晴月の指差す水面には三日月が映っていた。
「はは、すげーな。本当にこっからだと三日月に見える! でもあれは橋っつーより座れそうな……ん?」
三日月と言えば夜空を浮かぶゴンドラ。そんなイメージから座るものだと思っていたけれど、光り輝くそれは間違いなく橋だった。
「ボートで行ける範囲で遠くから……あれだよ晴月! 橋がライトアップされて月になってるんだ!!」
手を取り合って喜び合い、月の形が崩れない程度にまで近寄ってみる。結構角度が重要なようで、2人はあっちかこっちかと水辺をウロウロ。そして1番ベストだと思える場所を見つけると、まずラッセルは周囲の様子を窺った。
「どうしたの?」
「いや、こーいう時に限って千のヤツが茶化してくるんじゃないかと……」
隠れようと思ったら、いくらでも隠れる場所はある。けれど、千里は『見守っていた』という言葉を違えず、ピンチになった時にしか現れなかった。それは心底助かっているが、一部始終をコッソリ盗み見されているかと思うと、やはり恥ずかしさが勝る。
「あのね、ラッセル。私、もう大丈夫だから……今度は逃げないから」
きゅっと繋いだ手に力を込めて、晴月は月の橋からラッセルへと視線を移した。真っ直ぐにラッセルを見上げる形となったが、とてもスッキリした顔をしている。
これでは、他人に聞かれでもしたらと考えていたことのほうが恥ずかしいとラッセルは思う。
ポケットの中にあるペンダントの感触を確かめて、ラッセルは口を開く。
「晴月」
「なぁに?」
今度こそ、覚悟を全て伝えるのだと。
<< もどる
1
…
22
23
24
25
26
…
28
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
光風霽月
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
2人
参加キャラクター数
2人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年10月16日
参加申し込みの期限
2024年10月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年10月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!