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メリーさんが消えそう、なの
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目付きは鋭いものの
龍目 豪
はすこぶる機嫌が良かった。シーサイドタウンの通りを弾むように歩く状態にも表れていた。
――バイトのおかげで懐が温かい。今ならなんでも買える。養蜂の巣箱の材料を買ってもいいな。
店舗を眺めながら希望を膨らませてゆく。
人通りは少なくないので前方にも注意を払う。三人組の若者を身軽に避けた。
豪の目が一人の女の子を捉えた。おかっぱ頭で和服に身を包んでいた。
――メリーさんだな。なんか存在が薄いというか。いつもと違うように見える。
速足で近づいた豪は不安を消し飛ばすような笑顔で言った。
「メリーさん、久しぶりだな」
「ツンツン頭なの」
「まあ、そうだけど。なんか調子が悪いのか?」
「悪くはないの。そこのクレープが気になるの」
甘い匂いが漂う方向を指さす。豪は横目で見て頷く。
「メリーさんらしいな。俺が御馳走する。どのクレープを食べてみたいんだ?」
「全部なの」
「お、おう、わかった」
一瞬で動揺を抑え込み、豪は女の子に見えないように財布の中身を確認した。
――足りるな。意外と本調子というか。大丈夫なのか?
疑問は尽きないが早々とクレープを注文した。
「ありがとなの」
一品を受け取った女の子は控え目に扇形の端を齧る。よく噛んで食べた。
味見を済ませるとクレープを高速で左右に振った。等しい速さで齧り付き、遠心力で押し上げられた状態で食べ切った。空になった紙の器は丸めて親指で弾く。綺麗な放物線を描いてゴミ箱に収まった。
豪は間近で見て、マジか、と呟いた。
女の子は気にしていない様子で新しい一品を受け取った。
春めいたシーサイドタウンの通りを若い男女が寄り添って歩く。手を繋いだり、腕を組んだりと恋人らしい姿が散見された。
例に漏れず、
稲積 柚春
と
ウォルター・B
も手を繋いで歩いていた。周りのおかげなのか。悪目立ちすることなく会話を楽しんだ。
「春は香りの季節だよね。気に入ったハーブを取ってきてオリジナルの香りを作ることが出来るし、考えるだけでわくわくするよね。ワットはどんな感じのものが欲しい?」
「僕はリラックスできる香りがいいかなぁ」
「それならスペアミントかな。まだ寒い日もあるからスペアミントティーとして飲んでもいいんだよ」
柚春は白い歯を見せて笑う。子供っぽく繋いだ手を振って、いきなり離した。
目は前方を見つめた。
和服をきた女の子がクレープを食べていた。その速さが尋常ではない。瞬く間に平らげた。
――一部が透けているような……イベント用のARなのかなぁ?
湧き出た興味を抑えられない。柚春は小走りで向かった。
女の子は感情のない目で小首を傾げた。
「えっと、イベントのマスコットキャラ?」
「あたし、メリーさん。儚い感じなの」
「ARっぽくないんだね。もしかして迷子?」
「迷い易いお年頃なの」
女の子は側にいた豪にぺこりと頭を下げた。
「美味しかったの」
「そうか。奢った甲斐があった。そちらはあれか。寝子高の生徒じゃないのか?」
「そうですが、あなたは?」
「俺は寝子高のОBでマタ大生だ。高校の時は探検部の部長をしていたが、知らないか?」
豪は前屈みになって顔を突き出す。柚春はじっと見て、知っているような、と深い記憶を探るように眉間に薄っすらと皺を寄せた。
「龍目じゃないか。元気にしていたかなぁ」
「ウォルター先生が、どうしてここに? どういうことだ?」
豪は柚春を見て問い掛ける。
「それはだね。そう、進路の悩みを聞いて貰っていたんだよ」
「休日に? 学校ではダメなのか」
「深刻なものではないし、私が緊張するって感じで。そうだよね、ワット」
「ワット? 先生の愛称なのか?」
豪はウォルターと目を合わせた。力のない笑みで、なにかなぁ、と曖昧に返した。
「良い匂いがするの」
女の子はウォルターが手に提げたバスケットに鼻を近づける。目にした柚春は好機と言わんばかりの笑顔を見せた。
「私が作ったお弁当だよ。今日は天気が良いし、それに春のハーブも楽しめるよ。今ならエノコロ岬が良い感じだと思う。どう、これから皆で行ってみようよ」
「メリーさんが皆を連れていってあげるの」
「お、得意の
瞬間移動
だな」
豪は女の子の右手を握る。
「握るの」
左手を柚春に差し出すと遠慮がちに握った。
「おじさまはあたしの肩に手を置けばいいの」
「僕はそんな年じゃないと思うんだけどねぇ」
左手を女の子の肩に置いた。
一同は一瞬で香気に包まれた。各種のハーブが可憐な花を咲かせていた。
近くには灯台が見える。崖を超えた先は大海原で空と繋がっていた。
最初に嬉々として声を上げたのは柚春だった。
「ミントやセージがあるよ。向こうにはスペアミントがあるね。摘んでハーブティーにしよう」
はしゃぎながらも目はウォルターを見つめていた。本人もそれとなく微笑んだ。
「良い香りなの」
女の子は無表情で息を吸い込む。柚春はハーブに触ることを提案した。
「どうしてなの?」
「触るだけで良い香りが手に残るよ。そのぉ、なんか右手がね。さっきから透けて見えるんだけど、匂いの強さで意識したら元に戻るんじゃないかな」
「その意見に俺も賛成だ。メリーさんが何者なのかは知らないが、意識することは悪くない。瞬間移動も意識してやっているんだよな」
「そうなの。どのハーブが良い香りなの?」
もっともな疑問に柚春と豪は別々の方向を指さした。
「人の好みもあるからね。最初はこのアップルミントを試してみてよ」
柚春は女の子の手を引いて、これだよ、と指さした。見本として両手で葉を揉むと鼻を覆った。
「アップルの匂いがして爽やかな気分になるよ」
「試してみるの」
小さな手で葉を揉むと自身の鼻を両手で包んだ。息を吸い込んだ瞬間、お腹が空くの、と呟いてウォルターの方を見た。
「少し早いけど、ランチにしようかなぁ」
「僕のブレンドしたハーブティーはどうする?」
「貰うの」
即答に柚春は笑って豪に視線を移す。
「先輩もどうですか? クレープを食べ損ねましたよね」
「そうだな。ウォルター先生、いいですか?」
「僕も同じ立場だよぉ。稲積のお弁当を楽しむねぇ」
柔らかい笑みで適当に座る。その周りに各々が座ってバスケットを開けた。中から独特な色合いのペットボトルを取り出し、用意した紙コップに注いでいく。
「僕オリジナルのハーブティーを飲んでみて」
「お、なんか甘いのに口がひんやりする感じだ」
豪は色を見て鼻を近づけた。
女の子は飲み干してモゴモゴと口を動かした。
「玉露にオレンジジュースを混ぜたような味なの」
「面白い表現だねぇ」
ウォルターはサンドイッチを手にした。女の子も真似て一つを摘まんで吸い込むように食べた。
傍で見ていた豪は、噛んでいるのか? と疑問を口にした。
「サンドイッチは飲み物なの」
「それを言うならカレーだよね」
稲積が笑いながら言った。
その後はハーブの花言葉や自然の話題で賑やかな一時を過ごした。
女の子はすっと立ち上がった。
「珍しい体験をしたの」
感情に乏しいながらも僅かに口角を上げた。
「次は山でも行くか」
豪快な笑みで豪が腰を上げた。
「あたしが連れていってあげるの」
「おう、前みたいに頼む」
豪は女の子の手を握った。腕白小僧のように目を輝かせた。
「わかったの。富士山にいくの」
「え、九夜山じゃ」
豪の驚きを無視して女の子は瞬間移動を実行した。
二人が消えたところを柚春が目を丸くして見ていた。
「富士山って、まさか山頂じゃないよね?」
「どうだろうねぇ。龍目は軽装だから大変だと思うよぉ」
ウォルターは空の彼方に目をやる。柚春は隣に座って同じ青さを楽しそうに眺めた。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年09月16日
参加申し込みの期限
2024年09月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年09月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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