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メリーさんが消えそう、なの
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月曜日の早朝、
八神 修
は新調した白いウインドブレーカーを着てストレッチを行う。相棒の柴犬のカーキーは座って待機した。
「そろそろ行くか」
カーキーは修の悲しそうな笑みに、ワン、と小さな声で吠えた。
「わかっている。本土にある実家に行けば会える。それにカーキーがいるから寂しくないよ」
意味を理解しているのか。カーキーは四つ足になると愛らしい尻尾を振った。
「今日はかなり時間がある。少し遠くまで行ってみよう」
修はカーキーに繋いだリードを腰に取り付けて軽やかに走り出す。カーキーは同じ速度で元気に走った。
星ヶ丘マリーナを右手に見ながら軽々と手足を動かす。速度を安定させて短い呼吸を繰り返した。
信号に足止めをされることなく修は寝子ヶ浜海岸を横目で見た。
薄青い空の下の海は穏やかで浅い眠りの中にあるようだった。落ち着いた色合いを見ていると砂浜に目がいく。
後姿でもわかる。おかっぱ頭で和服を着ていた。他に人はいない。ただ海を眺めているようだった。
修は不安に駆られるような顔で砂浜を駆け下りた。カーキーも離れずに付いてきた。
女の子の姿が大きくなる。右手が薄れて先にある海が見えた。
「メリーさん、君に何が起きているんだい?」
女の子は振り返った。右手は元の状態に戻っていた。
「今のあたしの存在が薄くなっているの」
「原因はわかる?」
「はっきりしないの」
女の子は両手に目を落とし、開閉を試みる。
「ランニングで喉が渇いたな。確か近くに自販機があったと思うんだけど、メリーさんは何か飲む?」
「一つ、飲みたいものがあるからしゃがんで欲しいの」
「これでいいかな」
修はカーキーの真横でしゃがんだ。女の子は一人と一匹に手で触れた。
防風林が見えるところの自動販売機に一瞬で移動した。
カーキーは突然の変化に戸惑っているのか。その場をグルグル回って、ワン、と吠えた。
修は苦笑いで愛犬の頭を撫でた。
「便利な能力だね」
「あったの。これがいいの」
女の子は背伸びした格好で見本の缶を指さした。修は目にした途端、本当に? と聞き返す。
「これでいいの。飲むゼリー『ちゅるりあん』が欲しいの」
「味が想像し難いな」
「ぷるるん味なの」
左手をキュッと結ぶ。
「ぷるるん味って具体性に欠ける、って本当だ」
缶の下の方に『ぷるるん味』と表記されていた。
二人は飲み物を買うと目に付いたベンチに揃って座った。カーキーは間の空いたところで落ち着いた。
二口、飲んだところで修が話を振った。
「メリーさんは、そもそもどういう存在なのだろう」
「あたしは生まれた時からメリーさんだったの」
「もっと幼い時の記憶はないと?」
「そうなの。今は大きなお屋敷に住んでいるの」
飲み口に唇を押し付けて軽く傾けた。
「両親に聞いてみればわかるかもしれないね」
「無理なの。おじいさんと住んでいるの」
「おじいさんならお父さんではないか」
修はスマートフォンを取り出した。メリーさんに関連する話を表示させると都市伝説に行き着く。容姿に限定して言えば、まるで別人だった。
検索に意味を見出せず、修はスマートフォンをポケットに収めた。
「メリーさんは、そうだな。もっと人と会話して、もっといろんなところに行って、楽しく過ごすことで存在し続けるような気がするよ」
「名案なの。この犬、撫でてもいいの?」
「いいよ。カーキーは賢いからね。噛み付いたりしないから安心して」
修が微笑むと女の子は手を伸ばし、カーキーの頭を撫でた。慣れてくると背中全体に掌を滑らせる。
「もう、無理みたいなの」
女の子は缶を飲み干した。ベンチの上に置くと両方の手が薄くなってきた。
「メリーさん!?」
「バイバイなの」
抜け殻のようになった着物がクシャッと地面に落ちた。白い足袋や朱塗りの草履も残されて、女の子だけが消えてしまった。
「ウソだ、こんな……」
修は呆然となった。残された物が遺品のようで悲しさを増した。
三日後、女の子は復活した。修の星ヶ丘寮の邸宅に丁重に仕舞われていた私物を鮮やかに回収して言った。
「昔のあたしは消えて、新しいあたしになったの。身長が二センチも伸びて大人になったの」
修は気の抜けたような顔で笑い、よかったね、と口にした。
その話は瞬く間に島中に広がり、関係した人々を安堵させた。
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あとがき
担当マスター:
黒羽カラス
ファンレターはマスターページから!
メリーさんのシナリオが無事に終わりました。
時々、透ける右手が不穏な雰囲気を醸し出していました。
気に掛けてくださった皆様、ありがとうございました。
とんでもない散財をした人にも感謝です!
結果としては私が用意していた案に落ち着きました。
この案が採用されない条件は
メリーさんの状況に無関心
であることでした。
いろいろな方々に心配されて消滅は免れました。逆に成長したと言いますか。
内容はリアクションで。
最後にシナリオへのご参加、ありがとうございました。
読むだけで心が温まるアクションばかりで今回も楽しい執筆になりました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年09月16日
参加申し込みの期限
2024年09月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年09月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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