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ワケアリ品はお安く、甘く
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片や寝子島総合病院の内科医、片や新進気鋭のヴァイオリニスト。
深倉 理紗子
と
深林 真瞭
、どちらも多忙な二人である。医者に休みなし、夜勤も当たりまえの理紗子はオフの日など滅多に望めないし、真瞭だって早くも今年いっぱいの予定がぎちぎちに詰まっている。そんな二人の休日が重なり合うことは実に稀である。
貴重な一日だ。故に親友たちは今日という日を共に過ごすことに決めた。特に予定はない。休みとはいえ急患に備える理紗子のため、真瞭が寝子島へ帰郷するのが自然と彼女らのスタイルとなっていた。
「はー。やっぱり寝子島っていいわ。時がのんびり流れてて」
「そういうものかな? ずっと住んでるとよく分からないけど」
「りさちんは根を詰めすぎなのよ。また医者の不養生にならなきゃいいんだけどね、センセ」
「うっ。き、気をつけます……」
何度かやらかしている理紗子はしゅんとして頭を垂れたが、そんな彼女の肩を真瞭はぎゅうと抱き寄せる。
「あっはっは、ジョーダン! 理紗子先生の頑張りのおかげで、寝子島の人たちは病気しても安心ってわけよね」
「それほどでもないけど……でも、まーちゃんだってすごいじゃない」
理紗子は人々を修めた医療で救い、真瞭は芸術的才能と並ならぬ努力でもって世界を癒し続けている。交響楽団を退団しソリストとなってからも多忙は変わらず、コンサートにラジオ出演にと活躍の場を広げており、過密スケジュールに疲弊しつつも気力は充実するばかりだ。
「ラジオも聞いたし、『ブラ好き』も見たよ。離れてても、まーちゃんの演奏が聞けて嬉しかった」
「わ、ほんと? ありがと、りさちん!」
ふたたび抱き寄せ、抱き合った。何のことはなくて、互いが互いを癒し合うからこその親友同士で、故にこそ二人の多忙に耐えうる胆力の源ともなるのだった。
「あれ? なんかやってる」
春先で人気のないビーチを取り止めなく歩いた後、海浜公園へと上がると何やら人だかりができていた。キッチンカーがいくつも出ており、行列に並ぶたくさんの頭の合間から伸びたのぼりが風にはためいている。
「ええと。アウトレットスイーツ、フェスタ?」
「へえ、ワケアリ品をお安くって感じかしら。行ってみる?」
星ヶ丘の名店のアウトレット品をお値打ち価格でいただける。と聞いて、理紗子は小さなうなずきを小刻みに繰り返した。真瞭などは世界を巡り美食にも相応に慣れているが、理紗子は仕事に没頭するたちだから、高級な甘味を口にする機会もあまりなかろう。大好物にありつけると思い尾を振る犬のような表情に、たまらず真瞭はその頭を撫でた。
『Favoletta』、『欅屋』『ゆめぱん』と理紗子の知らない店舗名が連なるが、『avec_toi』には聞き覚えがあった。
「ここのロールケーキ、美味しいのよね」
「あ、りさちん食べたことあるんだ? 私も大好きなのよね」
「同僚にさし入れてもらったことがあって。それじゃ、まずはこのお店から並びましょうか」
洒落た店名が表す意味にふれたとき、真瞭のことを思い浮かべた記憶がある。アヴェク・トワ、フランス語であなたと共に、といった意味だ。真瞭とここでそのお味を共有できることが何だか、妙に嬉しい。
イベントは盛況でどのキッチンカーにも長蛇の列ができていたが、美味なるスイーツが待っていると思えば並ぶのは苦にならない。それに絶えずおしゃべりを交わしていれば、退屈する暇もなかった。
「さて、次が私たちの番ね……あら?」
「あっ。深林さま? ご無沙汰しております。いらしていただけたんですね」
「あはは、たまたまですけど」
などというやりとりが始まったので、理紗子は大層驚いた。
「まーちゃん、常連さんだったの?」
「何度か買ったことがあったけど、覚えててもらえてたなんて……」
「深林さまのファンですから。私」
クラシックがお好みという妙齢の上品そうな店主からそんな風に告げられ、真瞭の胸は図らずも暖かく灯った。理紗子も呆けたように口を開けつつ、親友がそうして世に認められている様を目の当たりにすると誇らしさが胸に満ちた。
「ありがとうございます。星ヶ丘の店舗のほうにもまた、お越しくださいませ」
「ええ、ぜひ寄らせてもらいますね」
購入したフルーツロールケーキは余剰生産品だというが、何度か味わったものと見た目は遜色なく、胸が高鳴る。
「他にも買うわよね。りさちん、どれが食べたい?」
「ええと、そうね。もうすぐお昼だし、食事っぽいものも食べたいかな。お惣菜パンとか……このチョコパフェも気になるよね、あ、こっちのイチゴ大福も」
「あはは、全部いっちゃおっか!」
食事時も曖昧になるような慌ただしい毎日だから、今日くらいは気にせずがっつりと食べてしまうのもいいだろう。明日の体調やら体重やらは、明日の自分に任せるとして。
「「美味し~!」」
飾り立てた美辞麗句が彩るでもなく、飛び出したのは実に率直な感想だったが、それがいい。どこかのコメンテーターのようにこねくり回した理屈を述べたり、発言に責任を持つ必要もなくただ心に浮かぶまま、互いに素直な自分でありさえすればいいのだ。親友なのだから。
あたたかな陽光の下で良質な甘味に舌鼓を打つと、心の隙も蕩けだす。
「そういえばまーちゃん、最近はどう?」
「なーに? NYAINではいつも近況報告し合ってるじゃない」
「でも、まーちゃんは頑張り屋だから。気づかないうちに疲れちゃってたり、落ち込んでたり……私、いつも心配してるんだから」
「りさちんがそれ言う? ふふ……そうねぇ。昔の恋にケリがついた。とか?」
「えっ? それ、何の話? えっ?」
「あはは、りさちん焦りすぎ!」
いつもの他愛のない報告に目の覚める報告も混ざりつつ。紅茶を飲み甘味をいただきながらのちょっとしたお茶会は、二人を青春の一幕へと引き戻す。中学校以来の付き合いだから、もう十余年になる。どんな時も変わらず理紗子は真瞭と共にあり、真瞭は理紗子の側にあった……寝子島と世界、どれほど距離を隔てようと変わらない、二人だけの真実だ。
「ああ、『avec_toi』のロールケーキ。美味しかったなぁ」
「あっという間に無くなっちゃったね」
「というわけで、次は……『欅屋』のいちご大福、いっちゃう?」
「いちごかぶりだけど、美味しいものは美味しいものね」
「そうなのよ、だからこれはしょうがない。しょうがないのよ……!」
「ふふ、まーちゃん誰に言い訳してるの?」
「明日の若干お腹がプヨった私に、かな?」
声にならない程、心からの笑い声を幾たび上げたことだろう。身が震える程笑いが止まらないだなんて、他の誰とも味わったことがない。
二人してしんどい仕事を選んでしまったものだと思わないこともないが、どうにかこうにか生きている。日々を平穏に過ごしている。きっと十年来のこの繋がりがそうさせてくれているのだろう。
「ふー、お腹いっぱい! じゃ、次はどうしよっか? キャットロードのほうでも行ってみる? それとも旧市街?」
「まーちゃん、私、見つけちゃった。あれ……あのお店。いちごのタルトだって」
「……ごめんね、明日の私たち。だってあんなの見つけちゃったら、見過ごせないじゃない?」
二人、軽やかに。ふわり感じた春の風は、イチゴクリームの香りがした。
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担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
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NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年09月12日
参加申し込みの期限
2024年09月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年09月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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