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寝子野家には不思議な引力があるらしい。
ウォルター・B
の佇まいが牛丼チェーン店に決してマッチするとも思えないが、彼はもう幾度となくこの店を堪能したそうだ。
「なんかさぁ、クセになるっていうか。また来たくなっちゃうんだよねぇ」
「うん、分かるかも」
稲積 柚春
も同じだ。
先日
も来店したが、がっつり濃い味でスタミナや活力を倍増させてくれるお手軽丼メニューはやはり、リピート性をあおる。この値段でこのお味というインパクトも大きく、お財布への負担も軽くて日を開けずまた来たいと思わせる魅力があった。
どこかで正午を告げる鐘が鳴った。今日は休日で天気も良く、昼飯時のシーサイドタウンはごったがえしている。寝子野家も相応に混んでいるだろうが、今日はそれを押しても牛丼の気分だ。柚春もすっかり引力に掴まっているのだった。
「メニューも多くてびっくりしたよ。裏メニューなんていうのもあるんだね、知らなかった!」
「海堂君の頼んでたやつかい? あれは驚いたよねぇ」
同席した
海堂 千里
が店員へ唱えた呪文がごとき注文には二人して思わず目を剥いたものだ。彼は定期的に来店する寝子野家通であるらしい。
「ああいうのってどこかに書いてた? 僕も次は変わったのを食べたいなー。あ、でもワットのオススメも食べてみたいかも」
「僕のオススメ? そうだねぇ」
「僕が食べきれる量のやつでね? あと、あんまり辛すぎないやつ。それ以外なら挑戦できそうかな」
「挑戦って、何かの競技みたいだねぇ」
行き交う人々をするりと潜るようにして歩いていると、不意に笑いがこみ上げてきた。
「ふふふ……」
「何だい、思い出し笑いして」
「あの時の桜井先輩の顔。海堂さんにからかわれて、ムキになっちゃって。面白かったなー」
「ははは。でもまぁ、寝子野家入るの初めてならあんなものかもねぇ。やっぱり戸惑うよねぇ最初は」
「うんうん」
慌てふためく先輩を思い出し、笑っちゃ悪いと思いつつもぷくくと笑った。それだけ楽しい一時だったので。
そんな話をしていたら柚春の腹が切なく泣き出した。
「ほら、早くいこ、ワット!」
「おっととと」
彼の手を引き足早に、シーサイドタウンの喧噪を歩んだ。
「牛丼! 寝子野家! 私もいきたい!」
風の精 晴月
の切なる願いに男子二名、張り切って応える所存である。
「おっし、そんじゃ行くか! ラッセルは寝子野家ビギナーだからな、通な俺がバッチリ案内してやるよ。なーに任せとけって」
「待て待て待て待て」
慌てて割って入る
桜井 ラッセル
。
確かに先日は少々醜態をさらした自覚がある。彼の牛丼屋デビューは切なくそして慌ただしかった。
「つーか千、全部お前のせいだけどな……!」
「なんだよ、オススメを教えてやっただけだろ」
「あんなややこしい注文してんの、お前だけだっただろーが!」
親友千里は寝子野家に精通している。いわく、来店を重ねるうち店員から顔を覚えられ、意思疎通の深まりと共に注文は際限なく簡略化・洗練されていき、やがて魔術か呪文の詠唱がごとき様相を呈するのだという。千里はこれをファイニャルファンタジー現象と呼んだとか呼ばないとか。
「あんな、ぷ、ぷ、ぷろぐらみんぐ言語? みてーな複雑な合言葉、覚えられねーって!」
「そーか? スタボの注文だってあんなもんだろ」
「あれも俺はムリ……」
「ねーねー、早くいこーよ。ね~こ~の~や~」
足をぱたぱたさせて暇を持て余している晴月のぶーたれ顔にはっとしてスマホを見ると、時刻はちょうど昼を回ったところだ。
「わりいわりい。んじゃ行こうぜ」
三人連れ立ってシーサイドタウンの繁華街へ。先日も来店した寝子野家の店舗へ向かうつもりだ。
歩きながらにふと千里へ尋ねる。
「そういや、部屋探しはどーだ? 順調か?」
「ああ、まーな。ラッセルの家の近くでもいいかなーってちょっと思ってんだけどな」
「それは……」
歓迎するぞ、と簡単に言いかけて少々口ごもる。
「? どーしたの、ラッセル?」
「いや、うん。そうだなー」
小首を傾げた晴月へ、ラッセルは「同棲しないか」と提案したところだ。それを千里へ告げたものか、いややめておこうからかわれるに決まっている。親友なりの愛ある冷やかしであろうがどうにも気恥ずかしいしできれば御免被りたい。まぁ実際に同棲生活が叶ったとしたら早晩バレるのは間違いなかろうから、悩んだところで仕方がないのだが。
「あー、うん。俺も春から新生活だし、ちょーどいいかもな。なんかあったら相談しろよな」
「おうサンキュ、そうさせてもらうぜ。おっ?」
そんな会話をかわしつつ寝子野家の前へとやってきたところで、ばったりと出くわした。
「あれ? 桜井先輩だー」
「おー、稲積とウォルター先生じゃん!」
柚春とウォルターは揃って牛丼の並に温玉をトッピング。キムチも頼んでみた。こってりなタレの味付けを一口楽しみ、キムチとお茶で口の中をリセットしてからまた一口。そのループが実に際限なく続く。
「美味しいね、ワット」
「うん、定番の牛めしもなかなかいいもんだ」
思わず顔がほころんだ。
ウォルター、柚春、ラッセルに晴月、千里の順でカウンター席に着いている。ラッセルと晴月はこちらも定番、牛丼並盛にあさり汁をつけてみた。
「牛丼、つゆだくだくアタマ大盛りねぎだくで」
「……!?」
千里である。呪文を唱えるがいなや、つゆ多め肉ましましのご飯は少なめ、ねぎたっぷり牛丼がごとりと眼前に置かれ、彼は猛然とそれをかっこみ始める。ラッセルも晴月も唖然、思わず呆けたまま口を開けてしまった。
「ねぇねぇ、桜井先輩」
「うん? どーした稲積」
「晴月ちゃんとはどう? 進展してる?」
直球にラッセルはむせかけて、柚春はくすりと笑う。
それぞれに立場も状況も違えど、恋する若者たちである。柚春は先輩と慕うラッセルの恋模様には興味があったし、ラッセルとしてもたしかに後輩と教師の成り行きは気にかかるところではあった。故に時折こうして密やかな情報交換が行われるのだった。
「どうって……まぁぼちぼちだよ。特に進展って程のもんは……」
「ねぇ晴月ちゃん、この前プールでラッセル先輩と、かき氷食べてたでしょ? 美味しかった?」
「うん、すっごい美味しかったよー。あれ、なんで柚春さん、知ってるの?」
「お、お前……見てたのか!?」
「ふっふっふ」
どうやら一枚上手は柚春のほうだろうか。まぁ二人のそんなところを目撃したのは全くの偶然だったのだが。
「順調そーだねぇ。よかったよかった」
「あーもー、その通りだよ、順調も順調だよ。稲積はどうなんだ、先生と上手くやってんのか?」
んー、と柚春は声を漏らした。
「先輩と晴月ちゃんがちょっと羨ましいかな。僕もさ、もっとこう、ワットとイチャイチャを……」
「なーにをこそこそ話してるのかなぁ?」
「そうだぜラッセル、稲積と何を密談してんだ。あやしーなぁ、なっ晴月?」
「?? そーだね、あやしーなぁ?」
「千里お前っ、晴月に妙なことばっか吹き込むんじゃねー!」
賑やかなやりとりの中、ウォルターは柚春を見つめてふとニヤリ、笑む。今だ線引きを保持する彼だがラッセルとの会話に茶々を入れたりするあたり、少しは嫉妬を感じてくれていたりするのだろうか。そうであったら嬉しい。柚春も微笑をこぼした。
ラッセルと晴月の共同生活が成れば、きっとすぐにも千里へ知れるだろう。そして彼は二人の背を叩き、まとめて抱き寄せ祝福を述べるだろう。
「みんなで寝子野家、楽しいな。また一緒に来ようね、ラッセル。千里も、柚春さんも、ウォルターさんも!」
「おや、僕も一緒でいいのかい? それは嬉しいねぇ」
どこにでもある他愛もない牛丼チェーン店だが、そこに一つの輪が生まれて広がった。寝子野家に宿る、不思議な引力であった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年08月23日
参加申し込みの期限
2024年08月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年08月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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