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相手に対して理解があるのとないのとでは、言葉の意味が違って聞こえる。
三兄弟の末っ子として生まれた
志波 拓郎
にとって、その最たる例が次兄の
志波 武道
だった。
年齢が近く、構われているのはわかっていたつもりだ。世話を焼かれるのも弟の仕事だと、多少なら思えただろう……本当に『多少』で収まってくれていたならば。
しかし武道には、拓郎を必要以上に構い見守りすぎる――俗に言う『ブラコン気質』なところがあって。最早そう見せかけた、新手の嫌がらせなのではないかと拓郎が思うくらいには、ウザくてウザくて仕方がなかった。
(だけど……そうなる理由は、あったんだな)
見直した、というのとは少し違う。元々事実を歪んで捉えてて、真の意味を知った、が正しい気がする。
今更気付いたって遅いのかもしれないが、改まって謝罪や感謝をしても武道は笑うだろう。
照れて喜ぶだけならまだしも、図に乗ってベタベタと「これからは冷たくしないでネ☆」なんて絡まれたら、これからの歩みより方を再び考え直したくなるかもしれない。
コンビニにて新商品を中心に満足のいく買い物が出来た拓郎は、真っ直ぐ帰ろうか悩みつつスマートフォンを取り出した。
別に急を要すことでもないけれど、モヤモヤしたものが心の内を占拠している。その要因がわかっているからこそ、どうした物かと考え歩く拓郎は、小さく息を吐いてスマホを制服のポケットにねじ込んだ。
「おっ、たー坊今帰り? 俺は鍛錬帰り、しごかれたねー……」
やっちゃったーと言わんばかりに頬の傷を撫で、何でもないことのように笑う武道は、時に空気を読んでいるのかいないのかわからない。そのへらりとした笑い方が、ずっと拓郎の癪に障っていたし、今でも――何かを、隠しているのではないかと思ってしまう。
「それは、おつかれ。……なあ、兄貴。……歩きながらでいい、少し話がしたい」
さすがにこれが、何かを話すための遭遇だとは拓郎も思ってはいない。こちらから訪ねなければ、武道はいつまでもその口を閉ざし続けるのだろう。
ピリッとしたような空気が流れ、武道にもこれが『喜ばしいお誘い』では無いことは気が付いた。何もなければ舞い上がって、「何々!? なんでも聞いて、なんでも話してネ☆」と騒ぎ、拓郎にウルサいと叱られるまでがワンセットになるはず。
けど、今日は違う。拓郎が何かに感づいたということは、武道だって気付いている。
「……あー、分かった。自販機でなんか買って、一緒にゆっくり帰るか」
何を言われるか、皆目見当も付かないと笑えれば良かったのだけれど。先日ちょっと迷惑かけたという自覚があるからこそ、武道は対話するのが怖くもあって。
自販機を見つけるまで無言だったり、ぽつりぽつりとまずは世間話から入る所だったりも、拓郎が言い淀んでいることが伺える。
……それが余計に、重大な話があるのかと思わせるから。武道はつい、動揺を悟られまいと笑みを深めた。
少しずつ続くようになった、ありふれた会話。その中に共通点が潜んでやしないかと探ってみたけれど、武道には何も思いつかなくて、ただ当たり障り無く返答するしか出来ないでいた。
「あと……あぁ、うん。一つ、聞いておきたいことがある」
「……ん、聞きたいこと? なぁに?」
どうしたそんなに改まって。……その言葉は、続けられなかった。
へらりと笑ってはみたけれど、拓郎の目がどこか真剣で――思わず、武道は締まりの無い顔を正す。
「…………お袋の仕送り、多分兄貴のと間違えてる」
「へっ?」
その言葉が意外で、武道は数秒固まった。
どんな質問が飛んでくるのかと構えていた物が全て吹っ飛んでしまって、仕送りに何が入っていたかと記憶をたぐり寄せるのもやっとだ。
「あ、あぁそういやこっちにはチョコとか入ってたな? いーよ明日寮まで持ってくぜぃ」
もう一度、へらりと笑い直して胸を撫で下ろす。
妙に緊張してしまって、弟からの言葉を勘ぐってしまうだなんて兄として失格だ。
(人の荷物を見ちゃったことを、気にしてたのかな? もー、たー坊ってば優しーんだから☆)
実家からの荷物であれば、そう変な物も入ってないはず。やはり、後ろめたいことがあるからいけない。
「……それからさ」
「ん? 春服の買い出しカナ? 制服無くなっちゃうもんなー、俺も1年の時は」
「話を聞け、弟の後を追って転校したブラコン馬鹿兄貴」
その声音が諭すような物でなければ、武道も笑って流しただろう。「バレてたよネ☆」なんてウインクまでつけて、茶化しただろう。けれど、今まで刺々しく紡がれた言葉とは、どことなく雰囲気が違っていて……武道は思わず息をのむしか出来ずに居た。
「うざいと思った、嫌がらせかと最初は少し思った……でも、分かった。やっと気づけた」
いつも眠たげな顔をしている拓郎も、今ばかりはぐっと缶ジュースを力強く握り、武道を見据えている。
「はは、弟を心配する気持ちが?」
本音を言い当てられたくなくて、せめてもの抵抗を試みる。
だけど、鏡を見ているかのような顔は、心の内側まで透けて見えてるんじゃないかというくらい、真っ直ぐな言葉を紡ぐ。
「兄貴は、俺やみんなのフツウを守ってた。それも、こっちに来てからフツウを守り始めたんじゃない、兄貴の転校自体、最初から……俺のフツウを守る為だったんだな」
軽蔑ではない。けれど、感謝の念でもない。当たり前の『事実』を告げられたことに動揺して、武道は缶コーヒーを取り落とした。
まだまだ中身の入っていた缶コーヒーは、道路に中身を撒き散らしながら転がろうとする。
「おおっとぉ!? 危ないから拾っちゃわないとネ☆」
大丈夫、繕える。でも――。
(そこまで……バレちゃった、かぁ)
踏み込んでこないでほしいとは思う。ただ守りたいだけで、気を遣わせたいわけでもないし、感謝が欲しいわけじゃない。
ただ守りたかった……だけど弟は、きっと愛する人を見つけて大きく成長した。
「そっか、もう3年になるんだよなこっちに来てから……」
そりゃあ拓郎も成長するわけだと苦笑して、転がっていく缶を拾う。どこかにゴミ捨て場はと周囲に目をやったとき、拓郎が新しい飲み物を買っている姿が見えた。その自販機の横ならばと武道が近づくと、拓郎は買ったばかりの缶コーヒーを投げつけてくる。
「……荷物届けてくれる手間賃代わりだ」
「わぁい、嬉し――あびゃっ!」
さらに追撃で、何かがべしっと額に飛んできた。剥ぎ取ってみると、コンビニ限定のコーヒービーンズチョコで。どちらかというと、甘みより苦みの強いこれは、拓郎の好みではなかっただろうに。
「嬉しいなぁ、寝子島に来られて」
「……そんなの、地元でもあるだろ」
もしかしたら拓郎なりに、缶を取り落とすほど動揺した武道を気遣っていたのかもしれないけれど。
(……はぐらかすべきじゃない、よな)
捨てるべき缶を捨て、新しい缶を握りしめる。それは、寝子島高等学校の制服に初めて触れたときのような気持ちを呼び起こした。
これから歩んでいくことになる未来を選択したあの日に、後悔がなかったのと同じ。
「追いかけて来たことを後悔はしてないよ。こっちでもかけがえのない親友達出来たし、楽しかったし」
それでも拓郎は、納得しないだろう。怒られても仕方の無いようなことをしたと自覚はある。だから武道は作り笑いをやめ、申し訳なさそうに力なく笑った。
けれど、拓郎は武道が何かを口にするのを遮ろうと、勢いよく切り出した。
「怒っては、ない。……ちょっと前なら、余計なお世話と殴りかかってたかもだけど、今は」
ただただウザイと思って、本質を見ようともしなかった。そんな拓郎自身にも非があると思ったのか、僅かに視線は逸らされる。
「よく見れば、こんなにも分かりやすかったのにな」
気付こうともせず、のうのうと守られていただけの自分が、武道を謝らせてはいけないと思う拓郎と。
最初から拓郎との対話を試みず、これが最良と思って行動した結果が思ったのと違っていた武道と。
「足して二で割れば丁度よかったんだろうな、俺達って」
どうしてすれ違っていたんだろうかと苦笑する頃には、分かれ道に出た。
「んじゃね、拓郎。また明日」
「じゃあな、武道。……また、明日」
個々の人である限り、人生の分岐は必ずやってくる。
いつまでも守り守られるわけにはいかないし、それすらから回ってしまうこともあるけれど。
例え違う方向を向いたって――兄弟の絆は、変わらない。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
焼きスルメ
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年07月13日
参加申し込みの期限
2024年07月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年07月20日 11時00分
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