寝子島マリンパラダイス、激カワ☆ベビーラッシュ！｜リアクション

寝子島マリンパラダイス、激カワ☆ベビーラッシュ！

曖浜瑠樹は休日の朝、テレビで流れていたマリンパラダイスの特集に一瞬で目が冴えた。
「可愛い～」
　テレビの向こうでは、小さな子ペンギン達がよちよちと水族館の通路を行進していた。親ペンギン達や飼育員に見守られながら。小さく観客の声も聞こえる。
「見に行こうかな」
　間近で見られるなんて、珍しい気がする。
　休日の予定はすぐに決まった。
　朝ご飯を食べた後に家族とマリンパラダイスへ。チケットを買って中へ入ると、スケジュールが書いてある黒板を見つけた。
「あ、もうすぐだ」
　ペンギンのお散歩ショーだ。水族館内の通路をペンギン達が練り歩く。
　と、少し奥で歓声が上がった。
　ショーが始まったらしい。
「か、可愛い」
　つぶらな瞳がこちらをじっと見つめているような気がする。と、一匹のペンギンが近くにいた客の子供の鳴き声に驚いて、こちらに走って来てしまった。
「あ」
　飼育員の焦った声。
　瑠樹は慌てて、逃げてきたペンギンをキャッチ。素手で触っていいのか迷ったが、脱走してしまったら大変だろう。
「お客様、ありがとうございます」
　ぱたぱたと足を動かすペンギンの肌を少しだけ湿っていて、ひんやりとしていた。
　飼育員に返す。
（オレ、触っちゃった）
　ハプニングとは言え、貴重な体験をしてしまった。見ると、ペンギンが飼育員に抱かれながら手を振っているように見えて微笑ましくなった。
　その後はふわふわなペンギンの雛を見たり、他の動物の赤ちゃんも見て回った。
　最後にやってきたのは、マリンパラダイスの売店だ。
「あ、これ」
　ペンギンの親子のぬいぐるみを見つけ、大興奮。
　ふわふわ素材のヒナペンギンと親ペンギンの素材が少し違っているところが芸が細かい。
「これ下さい！」
　また来たい、次に来るときは小学校六年生になっているのだろう。
（楽しかった～）
　瑠樹は満足してマリンパラダイスを後にした。

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