寝子島マリンパラダイス、激カワ☆ベビーラッシュ！｜リアクション

寝子島マリンパラダイス、激カワ☆ベビーラッシュ！

倉前七瀬はマリンパラダイスに誘ったウォルター・Bと共にマリンパラダイスの入り口の前にいた。
「うわ～。楽しみですね～」
ペンギンのヒナを見に行きませんか？　と彼を誘いここまで来たが、なんとも海の潮の香りを嗅ぐと俄然楽しみになってくる。
「僕も久しぶりなんだよねぇ」
「あ、ペンギンの前にカワウソ見ても良いですか？　餌やりが出来るらしくて」
「へえ。間近で見られるかもしれないねぇ」
　カワウソの展示スペースへ急ぐ。
「へえ、穴から餌をあげるんだねぇ」
「運が良ければ触れるっぽいですね」
　順番待ちはそこまでかからなかった。少し体勢を低くして、カワウソの展示スペースに繋がる穴に細長い餌を差し込む。
　気付いた一匹のカワウソが穴の中に手を伸ばしてきた。
「あ！」
　不思議な感覚に、心が躍った。
　見ると、必死に餌を掴むカワウソの手が七瀬の指に触れた。その瞬間、ばっちり
目が合った。
「う、ウォルターさん、写真！　写真撮ってください！！」
「わかったわかった。撮るよ～」
　七瀬のテンションに苦笑を浮かべつつも、しっかりカメラの準備はしてくれたらしい。決定的可愛い瞬間はばっちり撮れた。
「良く撮れてますね！」
「七瀬の笑顔が満点だねえ」
「いや、もう可愛すぎて。ん？」
　見ると、先ほどのカワウソがじっとこちらを見て、首を傾げた。
「！　っ~~~！」
　言葉にならない可愛さに、指を指す七瀬。
「このカワウソ君、自分の可愛さを理解してるって感じだねぇ」
「お、恐ろしい、カワウソですね……！　さ、ウォルターさんも。写真は僕に任せて下さいね」
　そんなやり取りをしつつ、次はペンギンの展示コーナーだ。
　もこもこのペンギンのヒナを多くの人が見ていた。
　丁度隙間から、ヒナ達が見えた。
「～～～！」
　姿、動きなど、すべてが可愛いだった。
「うお、か、な、か……！」
　訳　ウォルターさん、見て！　かわいい！　生でみる破壊力凄いです。可愛すぎます！
「はい、落ちつこうか～」
　頭をぽんぽんとされ、はっとする。
　深呼吸。
「失礼しました。はあ、もふもふのぬいぐるみみたいですね」
　テレビで見るのとはちょっと違うかもしれないねぇ」
「本当にそれですね」
　立ち寄ったお土産コーナーにペンギンのヒナのぬいぐるみがあった。
　そして、
「七瀬？　かれこれ十五分は葛藤してるけど」
「いや、可愛くて。肌触りも理想の、欲しいけど、ううむ」
　ウォルターさんはくすくすと笑って、
「究極の選択だね」
　終始テンションが高かった七瀬だが、ウォルターも楽しんでくれたようだった。

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