【ホワイトデー】ホワイトメイドランド☆｜リアクション

【ホワイトデー】ホワイトメイドランド☆

☆シマエナガと星

　八神修は、七夜あおいを誘い海浜公園へ行きました。
「修君、その服……！」
　あおいが目を見張ります。
「ああ、レンタルしたんだ」
　修の白いタキシードには、燕尾に薄く茶色と黒が入っていました。
「シマエナガだ！」
「やっぱりそうだったんだ」
　あおいの零れる笑顔に、修も言いました。　
「あおいの白いワンピースも似合ってるよ」
　そして、ミニコサージュをスッと出します。
「ワンポイントに花をどうぞ」
「あ、ありがとう修君」
「さて、それじゃシマエナガを見に行こう」　

　可愛いに目がない修は、シマエナガグッズにテンションを上げるのでした。
「修君、鳥も好きなの？」
「ああ、可愛いものはみんな好きだ」
「白くて丸くてかわいいよね」
　二人でもふもふぬいぐるみの手触りを確かめ。
「あ、こっちのは尻尾が動く！」
　ワイワイと盛り上がるのでした。
　買い物に行ったあおいがレジから戻った時。
「あれ、これは……？」
　１羽のシマエナガのぬいぐるみが封筒を咥えていました。
「招待状です。よかったらどうぞ」
　白衣の店員の勧めに応じ修が白い封筒を手に取ると、視界が急に白い光に包まれ。
「……なんだ？」
　何か予感に駆られ、修はあおいの手を取りました。

「ここは……？」
　いつの間にか、修とあおいは白い城の中にいました。
「もしかして私たち、招待されたの？」
「そのようだな。一つ探索してみるか」
「見て、この壁ホワイトチョコでできてるみたい」　
「食べたくなってしまうな」
　廊下を歩いていると、メイドに声をかけられました。
「こちらはお茶会の会場になります。よろしかったらどうぞ」
「ちょうど喉が渇いたところだ。行こうか」
「うん」
　二人は、お茶会の会場でひと際目立つ女性を見つけました。
「ねえ、あの人……」
「女王様か。先生に似ているな」
　つぶやきつつ修は白の女王様に近づき、恭しく礼をしました。
　あおいもそれに倣います。
「お招きありがとうございます」
「ようこそ。ごゆっくりなさってください。あちらのテラスから夜景が見えますよ」
　よく知っている人とそっくりなのに、不思議に女王に見えるのでした。

「おいしかったね」
　ホワイトオムライスやハートのパフェは絶品でした。
「ああ。堪能したよ。展望テラスへ行ってみよう」
　二人は展望テラスに出て夜景を眺めます。
「綺麗だね。空にも星、地にも星だ」
　満天に輝く星と共に、地上の美しいものでした。
「あおい。ホワイトデーの贈り物を贈りたい」
「えっ？」
　修があおいに手渡したのは、ケースに入ったスターローズクォーツのネックレスでした。
「ありがとう……」
「学生にも手ごろな値段だから、安心して普段使いしてほしい。７／７の誕生石なんだ。石言葉は『平和・愛の告白・真実の愛・美』」
「つけてみてもいいかな？」
「もちろん」
　ネックレスは、あおいにとても似合っていました。
「あおいの胸元にも星が見えるよ……」

「私からもホワイトデーのお返し。さっき買ったものだけど」
　あおいが差し出したのは、もこもこのシマエナガのぬいぐるみでした。
「ありがとう！　大事にするよ」
　修は満足そうに笑うのでした。