【ホワイトデー】ホワイトメイドランド☆｜リアクション

【ホワイトデー】ホワイトメイドランド☆

☆最後になっても

　稲積柚春は、「ホワイトデーは空けておくね」とウォルター・Bに連絡していました。
（ワットも忙しいだろうしどこに行けるかわからないけど、ワットに任せて楽しめたらいいな）　
　そう思いながら、ちらちらとスマホを見て連絡を待っていました。

　夜になり、ついに、スマホに着信がありました！
「お待たせ。今から迎えに行くよぉ」
　ロイヤルブルーのスポーツカーで、ウォルターはやってきました。
「おつかれさま、ワット」
　車に柚春を乗せたウォルターは、高台へと向かいます。
「食事の前に花火を見ようか」
「うん」
　寝子ヶ浜海浜公園で打ち上げられている白い花火が、シーサイドタウンからもよく見えました。
「綺麗……」
　待った甲斐があった、と柚春はウォルターに身を寄せ、打ちあがる花火を眺めたのでした。

　それからウォルターは、賑わうシーサイドタウンを抜けて星ヶ丘のレストランへ車を進めました。
「今日は忙しかったでしょう？」
「年度末的にね。ホワイトデーのお返しに駆け回ってたりはしないよぉ」

　美味しいディナーを楽しんだ後、柚春はバッグから包みを取り出しました。
「これ、ホワイトデーのプレゼント」　
「稲積から？」
　驚くウォルターに柚春は言います。
「バレンタインだって、元々男性から愛を示す日が日本では女の子が告白する日になったんでしょう？　だったら、ホワイトデーだって女の子が何かやってもいいよね」
　ウォルターが箱を開けると、ユニオン・ジャック・ブルーの腕時計が現れました。
「いいのかい？　ありがとう」
「クリスマスの腕時計、とっても嬉しかったの！　プレゼントの意味だって素敵で……同じ気持ちだよって伝えたかったから、貰って」
　時計のプレゼントの意味は、これからも一緒の時間を過ごそう、ということ。
　柚春は思いを込めてウォルターをひたと見つめました。

　ウォルターはプレゼントの時計を取り出すと、さっそく腕にはめて見せて。
「それじゃ、これはおかえしだよぉ」
　柚春にプレゼントを差し出したのでした。
　包みを開けた柚春は目を輝かせます。
「……ブルートパーズのネックレス！　ありがとう！」　
「その色がお気に入りみたいだからねぇ」　
「すごく嬉しい！　ねえ、ワットは今日が何の日か知ってる？」
「えっ？　ホワイトデーだよねぇ？」
「それだけじゃないよ。今日は『国際結婚の日』なんだ。僕もいつかするのかな、と思って」
　柚春は期待に満ちた目でウォルターを見つめ。
「そんな日があるなんて知らなかったな……」
　頭をかきながら、ウォルターは少し眩しそうに柚春を見るのでした。　

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