this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
真紅の月
<< もどる
1
…
7
8
9
10
11
…
27
つぎへ >>
同じ日の夕方、電話とNYAIN(彼女はまだ上手く使えない)をやりとりして、誉は寛美を星ヶ丘駅まで迎えに行った。
「この辺滅多にこねーからな。やっぱ、なんか空気がちがう気がすっぜ」
同じ寝子島そこまで差はあるまいに、寛美はやたらときょろきょろしていた。飾り気のない黒白ボーダーのロンTに、デニム地のオーバーオールスカート、飾り気はあまりなくシンプル志向だが、活発かつガーリーな印象を与える組み合わせだ。スニーカーともよく似合っていた。
誉はしばし寛美の服装を眺めた。
「なんだよ黙って?」
寛美が怪訝な顔をしたので、
「可愛い」
ぽつりと告げた。
「お、おいいきなりそれはねーぞっ! 不意打ちか!」
照れるじゃねーかと顔を手で覆うも、耳まで赤くなっているのが見えている。性格的に絶対認めることはなかろうが、寛美なりに一生懸命着飾ってきたのだと誉にはわかっていた。だからといってお嬢様風にするわけでもなく、逆にボーイッシュにすることもなく、ちょうどいいあたりというか、寛美そのものを象徴するようなコーディネイトなのだと思う。
「嬉しいよ」
「なんでおめーが嬉しがんだよ。俺は俺のために選んだ服なんだからなっ」
「それでいいんだよ。寛美が可愛くなったのなら」
「ばけーろい悶死しそうなことばっか言うなよなっ」寛美は迷わず誉の腕を取り、ぐいと自分の腕を絡めて引いた。「ほら! とっとと行くぞ! んなことやってたら日が暮れちまわあ」
「悪い悪い。見とれてる場合じゃなかったな」
「見とれてんじゃねーよまったく」
腕を組んで歩く格好になったわけだ。実に自然に。
口をとがらせつつも、一瞬だけ誉を見上げて寛美はボソッとつぶやいた。
「まー、ちょっとくらいは誉のこと、考えて選んだ服だけどな……」
聞いたとしっかり意思表示すべきか、それとも記憶のメモに残すにとどめて聞こえなかったふりをすべきか、誉としては悩ましいところだ。
いわゆる高級スーパーに入った。レジ打ち後にビニール袋どころか、手提げのついた紙袋を出してくれるタイプの店だ。
生鮮食品もあるが、それ以上に輸入食料品や高級食材も多い。チーズやハムの品ぞろえには、思わず二度見しそうな値札がついていたりもする。誉とてそう頻繁に使う店ではないが今日は特別、材料はいいものを選びたい。
「で、スーパーで何買うんだよ」
「寛美に手伝ってもらおうと思って」
「何を?」
「もちろん、お弁当に月見団子の用意だよ。一緒に作ろう」
「お、おう。でも俺、料理得意じゃねーぞ」寛美の声の調子が沈んだ。「っていうか、苦手だ」
「大丈夫、俺が教えるから」
「マジ頼むぞ。食中毒とか出したくねーから。俺の胃は丈夫なんだが誉のことが心配だ」
あまりにも寛美の口調が真剣なので思わず誉は笑ってしまう。
「不安がりすぎだよ」
「知らねーからな」
結果から先に書いてしまおう。もちろん寛美の杞憂だった。
「寛美は何が食べたい?」
と彼女の好みを聞きながら食材をそろえていった。野菜からはじめて肉に魚、卵などをカートに積んでいく。
会話しながら選ぶのが楽しい。予定外のものに目を止めるのも迷うのも楽しい。そして、
「あれとってくれないか」
「ほらよ」
言いながら手から手へ、受け渡すだけの作業であろうと楽しい。指先同士がふれあって、くすぐったく笑み交わすのも。
レジを済ませてきたところで寛美が言った。
「いくらだった? 半分出す」
「いいよ。招待したのは俺なんだから」
じゃあ頼むわ、というのがこれまでの寛美だが今日はちがった。払うと言って譲らない。
「まだフルタイムじゃねーが道場から給料も出るようになったんだ。これまでみてえに俺、甘えまくるわけにはいかねー」
「でも」
「いいってば。ていうかそうさせてくれ。俺さ、いままで飯おごってもらったりプレゼントもらっても、それが当たり前って顔で受け取って、礼もロクにいわねーで平気だったじゃん? 『独立してる』『依存しない』ってのはそういうモンだと思ってた」
けどさ、と言葉を継いだ。
「まるで逆だったよな。それこそ甘えまくりの依存しまりだったんだ。一時、誉と縁遠くなって、誘ってもらえなくなったりして――ああ、今はもう、当時お前が忙しかったのは知ってるからな?――でも、ああなってやっと、甘えきってる自分が愛想尽かされたのかって思ってた」
「そんなことは」
「わかってる」寛美は誉の機先を制した。「誉は優しいからな。ただ俺、あの時期にやっと気がついたんだ。自分のバカさに。あと、俺がどんだけ誉のこと好きか、ってことに。……はは、手遅れになる前でよかった」
もしここがスーパーマーケット内でなければ、誉は彼女を抱きしめていただろう。
「ごめん寛美。寂しい想いをさせて」
「ちげーよ、気づかせてくれてありがとよ、って言いたいんだよ。お前にな」
だから! と急に口調を変えて寛美は財布を取り出したのである。雑誌の付録みたいな財布だ。
「半分払う。一円単位まで」
「一円単位はやめてくれ小銭に困る」
誉は笑った。
<< もどる
1
…
7
8
9
10
11
…
27
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
真紅の月
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
ホラー
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年06月13日
参加申し込みの期限
2024年06月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年06月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!