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腕を組んで、あるいは手をつないで、とにかくずっと互いの体温を感じながら、誉と寛美は星ヶ丘寮にたどりついた。
部屋のドアを開ける。
「ここが俺の三年暮らした部屋。招待するよ」
「ふーん、この部屋に『ご招待』される女は俺が何人目だ?」
「
正真正銘天地神明に誓って寛美がはじめてだ
」
「大マジで返すなよ。ジョークだジョーク!」
寛美が驚いたような声を出したので、そんな気合い入ってたかなと誉は内心汗をかいている。
めちゃくちゃドキドキする。緊張もする。
寛美が俺の部屋にいる――そんな状況、実現するなんて思わなかった。
内心のドキドキと緊張が、顔に出ないようそっと両手で頬をもんだ。
キッチンに立ち手を洗う。星ヶ丘には寮食があるが、自炊派にはキッチンも用意されている。しかも独居用としてはかなり広い。
「寛美、このエプロン使ってくれ」
手渡すと「おう」と寛美は何気なく受け取り「こうか?」と簡単に巻いた。明るいグリーンのエプロン、縁取りは淡いピンクだ。
「……いい。すごく似合う」
誉はため息をついた。予想した通りだった。
「そーか」
と言いつつ寛美もまんざらではなさそうだ。エプロンの手触りを確かめた。
「もしかしてこれ新品か?」
「ごめん、今日という日のため準備してた。寛美のエプロン姿を見たくて」誉は白状するのである。「後で一緒に写真撮ろう」
「なんだよ別にやじゃないけどさ、記念撮影するほどのもんか?」
「するほどのものなんだ。俺には。というか、いま撮ろう」
素早くスマホでパシャリと撮影した。
「コンニャロ用意のいいことだな。あ、俺もスマホあるんだった。写真? 撮り方教えてくれよ」
お返しだとばかりに同じくエプロン姿の誉を撮り、さらにはふたりならんでファインダーに収まった。
その後も、
「寛美が調理してる様も可愛い」
と作業中のところを撮ったり撮られたり、
「おいおい撮影会じゃねーだろが」
寛美にあきれられたり、「あはは、ちゃんと料理もするよ、きっちり教える」とフォローしたりと、わきあいあいと共同作業は進んだのである。
重箱に詰めたのは実に豪華な弁当となった。寛美の意見と好みも聞きつつ取りそろえたラインナップだ。きのこご飯のおにぎりにアスパラガスのベーコン巻き、にんじんサラダ、サンマのソテー、定番の唐揚げに卵焼きなど。
「そしてこちらは月見メニュー」
月見団子だ。しかしホワイト一色でないのだ。プレーンの月見団子はもちろんあるが、抹茶、いちごジャム、かぼちゃで色付けしたものもある。月見団子もカラフルにしたかった。
「これだけカラフルだと豪勢だよな」
「まだ終わりじゃないんだ」
ふふっと笑って誉は追加作業に入る。
「こうして楕円形にして、爪楊枝の頭にココア液を付けたもので顔を描いて……ほら、うさぎ団子の完成だ」
誉の手にかかると、団子は魔法のようにミニチュアうさぎへと変化したのである。
「すげ、買ったやつみてーだ」
寛美と俺をイメージしたうさぎ団子を作る。これもスマホに収めた。
「こういうの『映え』ってんだろ? 最近覚えたぞ」
その『最近』はやや周回遅れ気味かもしれないが、寛美は手を叩いて声を上げたものだ。
水筒にお茶も用意して、お弁当と団子を持ち、外へ出た。
外は月夜、昨夜以上に晴れていて、真紅の月をたっぷりと拝めた。
月が良く見える位置を探しながら手をつないで歩き、近所の小さな公園にたどり着いた。
せっかくの光景なのに風流を楽しむ姿はない。ベンチに座って見上げれば、そこは絶景だというのに。
「誰もいない。穴場スポットだな」
「さっそく始めようぜ。俺もうずっと腹減っててなー」
お茶で乾杯し、お弁当を広げた。
「寛美の作ったこれ、すごく美味いな」ベーコン巻きのアスパラを誉は示した。「俺にとっての一番。嘘じゃない」
実際、アスパラの茹で具合もベーコンの火の通り方も理想的だった。カリッとしていて内側はやわらかい、塩加減も絶妙だった。
「そりゃあお前、指南役が上手だったからさ」
思わず寛美は鼻の頭をかいた。
「けど誉の料理はいつだって最高だよな。お前のカノジョは幸せもんだな……あ、俺か」
寛美が言わないタイプの冗談だった。思わず誉は声を出して笑ってしまう。
弁当が終われば次は月見団子だ。お茶で乾杯していただく。
「実はこれ、俺と寛美をイメージした団子なんだ」寄り添ったうさぎ団子のペアを示して誉は明かした。「俺はもちろん『寛美』をいただく。ちょっともったいないけど」
口にした。甘くておいしい。
「うん。『誉』うさぎもいけるぞ」
もぐもぐと食べる寛美が可愛すぎて、素敵すぎて、誉は彼女の両肩に手を置いたのである。
「寛美。食後のデザートがほしいな」
「団子がそうじゃねーのか」
「団子だけじゃなくて」
一秒ほど、寛美は考えた様子だ。だが急に目を三角にして、
「おい! もしかしてキスしたいってことじゃねーのか!?」
「その『もしか』だったらどうする?」
「あのな詩的に言ったところで俺が照れくさいのはまちがいねーぞ!」
「すまない」
今日はおあずけかなと誉は思ったが、ちがった。
「照れくさいからといって……したくないわけでもねーし」
寛美は目を閉じたのだ。
ふたりの口づけを見ているものは、桃色にかがやく月だけだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
ホラー
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年06月13日
参加申し込みの期限
2024年06月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年06月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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