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真紅の月
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紅い月夜の静寂が、シーサイドタウンのマンションをつつんでいる。薄くて赤い、濡れたヴェールのように。
すでに中天はすぎたが、月明かりは高みにあったときよりむしろ紅々と輝き、建物の影を濃くしていた。
しっとり甘い空気が、ふたつの肌にまとわりつく。
秒針の音。
刻む音。
……。
青山 絢
は目を覚ました。ぼんやりと壁時計を見上げる。
短針の示す数字は『二』、すなわち深夜の二時過ぎだ。
そっと身を起こし、一糸まとわぬ身に月光を浴びた。
目を細める。
紅(あか)い、月。
絢は視線を褥(しとね)に移した。窓より差しこむ紅々とした明かりが、絢の隣に眠る裸身を照らし出していた。鮮血に染めたかのように。
水谷 真優理
の肉体、大理石のように白い背中だった。昨夜、紅い月夜の下で愛をかわした彼女の姿は、ひとつの芸術作品のようだ。
まだ夢のなかにいるみたい。
だが夢ではないことを絢は知っている。
ほんの少し前まで絢にとって、真優理は『従妹のお姉さん』だった。
もちろんただの親戚ではない。惹かれるものを感じてはいたが、憧れの延長だと理解していた。否、理解しようとしていた。少なくとも、表向きには。
憧れたとてなんの不思議があろう。むしろ真優理に憧れないのは無理というものだ。
バリキャリ、そんな古風な言葉がまだ現役だった時代から、まさしく真優理は『バリキャリ』だった。大学卒業後ホテルに就職、マネジメントを学びキャリアを積んで、好条件で寝子島の『ステッラ・デッラ・コリーナ』へ移籍し一線級のコンシェルジュとして活躍している。もちろん実力は折り紙付きだ。細部にまで行き届いた心配り、客の気持ちを客自身より先に読み取る洞察力に行動力、真優理の参加を機に『ステッラ・デッラ・コリーナ』の格は一気に上がり、日本を飛び出し世界にとどろくに至った。真優理は海外政治家やロイヤルファミリーなど超VIPの応対にも立つことも数限りなく、ある世界的ミュージシャンに「世界のどのホテルにも彼女ほどのプロフェッショナルはいない!」と絶賛されたこともあるという。そのミュージシャンはその後も、お忍び来日のたびに『ステッラ・デッラ・コリーナ』を宿に指定するそうだ。
そんな輝かしい経歴があるというのに、「コンシェルジュは裏方」と言い切り脚光があたるのを避ける、その奥ゆかしさも真優理の魅力だった。
だから「真優理さんに憧れてる」と言い切っても、絢の父親はなんら驚かなかった。絢の想いがただの憧憬の念ではないことを、おそらく父親は知らないだろう。現在も。
真優理への気持ちは、同居するようになってますます高まった。いつしか抑えられなくなるほどに。
同居して数年も経たないうちに、真優理への気持ちは憧憬ではなく恋情なのだと、絢ははっきり自覚したのである。
絢が高校生でいられる時間はもうほとんど残されていない。ふりかえればあっという間、だが長く、そしてめまぐるしいほど濃厚で変化に富んだ最終年度だったと思う。
この一年で絢の生活は大きく変わった。
本格的に女優デビューを果たした。役としては小さくともドラマの仕事は入るようになったし、PV出演も受けており露出も増えてきた。それほど頻繁ではないが、街を歩いていて「○○に出てた女優さん?」「応援してます」と声をかけられサインを求められるようにもなった。あまりに意外すぎて最初は、他の誰かとかんちがいされているのではないかと思ったほどだ。けれどもそんな日々にもようやく慣れて、巧みかと問われれば疑問はあるものの、それなりに芸能人っぽいサインが書けるようにはなってきたと自負している。爆発的飛躍的とは言わないが、着実に評価が高まっているという手応えを感じていた。
だが絢にとって、最大のできごとは女優業とは別にある。
私と真優理さんの関係が変わった。
従姉妹だったものが、特別な関係に羽化した。
その関係の名は「恋人」。
クリスマスの夜に身も心も結ばれるなんて、ベタすぎるくらいベタな展開かもしれないね。
値千金の会話があるとすれば――絢は思う――あの夜、ならんで窓の外を眺めながら真優理さんとかわした会話だった。話の内容ではなくて、ただおしゃべりすることが楽しくてたまらなかった。雪合戦しているような気分で、言葉を投げ合って笑いあった。
といっても無限に話せるものではない。やがて沈黙が訪れた。
そのときがきたことを絢は確信する。
決意して絢は真優理に、はじめて身体を重ねた夜について訊ねたのである。何かに煽られるように求めあい、欲を満たした夜の記憶を。
真優理さんは大人なのだから、私が言い終えるより早く、『気の迷い』とか『誰にでもあるあやまち』とか言って収束をはかることだってできたと思う。誰も傷つかない方法だから。
しかし真優理はそうしなかった。最後まで、ほとんど口をはさまず絢の言葉を聞いた。
「真優理さん。私はあなたのことが好きです。愛しています」
という告白にいたるまで。
すべて明かした絢の前で、真優理は涙を浮かべた。
真優理さんを困らせた、追い詰めてしまったと私はとっさに思った。
もしかしたら真優理さんは、私のぶんまで罰を受けるつもりなのかとまで考えて怖くもなった。
だが実際は逆だった。真優理は打ち明けたのである。
「うれしいのよ……私も……私も、絢ちゃんのこと愛してる。ずっと、ずっと大好きだった」
思い出すだけで絢は天に昇りそうになる。
そこからの絢の記憶は定かではない。何度も何度もキスをして、今度は衝動的な獣欲ではなく、無上の恋人同士として深いところで結ばれ、溺れたことだけは理解している。
そして今夜、絢と真優理が愛を交わすのは三回目となった。衝動ではなくごく自然に。
まだ片翼飛行みたいだったいとなみは、今度はもっとずっと悠然としたものに変わったている。お互いの弱いところ好きなところ、してほしいこと、いずれも理解し合っているからこその時間になった。
愛する人と結ばれるって。
絢は断言したい。
こんなに幸せなことなんだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
ホラー
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年06月13日
参加申し込みの期限
2024年06月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年06月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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