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LIQUID -Star Chronicle- 最終決戦
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【ストーリークエスト『最終決戦』(4)】
「……みんな、無事!?」
氷刃を巻き起こし狂魚を散らす、ソフィアの目に仲間たちの姿は映らない。先に叩きつけられた強大な海嘯の衝撃に流され、分断されてしまったようだ。その影響か、周囲の希水は濁り、薄く霧がかかるように視界をぼんやりと覆っていた。
「この状況は、まずい。各個撃破されてしまう恐れが……あうっ」
魚群が絶える様子はない。白瞳はぎらついて、食らい付く隙を見い出せば即座に鋭い牙で肉をえぐられる。強靭な尾に打たれ、吻で貫かれ、群れによって四肢を裂かれるだろう。
立て続けに氷嵐を放ち狂魚を遠ざけるも、じわじわと追い込まれてゆく。
「く……!」
絶対に倒れるわけにはいかない。ことにソフィアの手に託されたものは重大だ。鎚を振るい杯を砕く、最後の役割を果たさねばならない。なにがあろうとソフィアだけは、絶対に生き残らねばならないのだ。
「だ、だめ……もう持たない……!」
ひれに備えた剣のような刃に裂かれ、尾の鞭打に杖を落とし、足元を払われ膝をつく。回遊する巨魚が顎を開き、ソフィアを飲み込まんとするその瞬間、黄ばんだ白の鋭い牙の並びがやけに目についた。
「迸れ。小烏丸!」
ぴたり、時が止まったかのようだった。巨魚が尾のくねりを止めた直後に、ずるりと左右にずれた。文字どおりにだ。唐竹割りに真っ二つとなった巨魚は、希水に浮かぶ屍となっていた。
ソフィアに並び立ったのは、桜色の着物に構えた太刀。凛風だった。
「……凛風! ポラリスは?」
「分からない、先ほどの波に押しやられてしまったようだ。しかし生きてはいる。まだ彼女を感じるから」
ひとつ遠くを見つめてから、凛風は無数の花弁を桜刃となし、魚影をひと振りに斬って捨てる。ソフィアも杖を取り鋭利な氷風で薙ぎ払う。
「ソフィア、今は君を守ろう。が、しかしどうする? ポラリスやみなと合流しようにも、こう敵が多くてはね……」
「燭台を破壊しましょう」
真っすぐに見つめるソフィアの瞳は、諦観に染まってはいない。凛風の助けは反攻の起点となるかもしれない。
「燭台の炎が消えれば、敵を倒すことにもつながる。位置を知らせることにもなる。みんなが気付くわ」
「急がば回れというわけだ。分かった、指示を頼むよ」
微笑む凛風の表情に、パートナーを案ずるような色はない。しかしそれは彼女の気丈がゆえにだろう。胸中は不安に陰っているはずだ。
ソフィアはうなずき、明滅する白瞳を見据え、一歩を踏み出す。
巨剣を真正面から受け止める。
「ぐぐぐぐぐっ……」
「耐えてくれ、エイジ! お前が砦だ。前衛を失えば、俺たちは即座に瓦解する」
オサムの攻防に渡る援護は手厚く、エイジの護りも強固でありながら、容易に支え切れるものでもない。朔の巨人の猛攻は苛烈を極めた。
「わ、分かってる……けど……うわあっ!」
盾を弾かれ、飛ばされる。それでも歯を食いしばって踏みとどまり、すぐさま盾を拾い上げ仲間たちを背後にかばう。それをもう幾度となく繰り返している。
「はあ、はあ……あ、あと何回耐えられるかな」
「みなを信じて待つしかない。俺も限界まで支えるさ、だから頑張ってくれ」
「うん。まだ、いけるよ……!」
落下する鉄塊のごとく振り下ろされる巨剣を、光の盾が受け止める。潰されそうな衝撃を、奥歯が砕けそうなほど噛みしめて耐える。幾度も、幾度も。
「アオイが心配だろうね。オサム」
ふと、オサムの後ろに立ち後方へ目を光らせているマオメイがぽつり、つぶやいた。
「ああ、それはそうだな。しかし今は眼前の危機を乗り越えねば、再会もかなわない。こういう時は的確な優先順位を定めることが肝要で……」
「すまないね。わたしもなにかできれば良かったんが……先に語ったように、わたしに溶けた水鏡の女王はもはや力を失って久しい。わたしにできることは、こうして諸君を稀海へ案内すること、それに無力な自分を責めることだけさ……」
「マオメイ?」
古代文明の研究者として、冒険者らのほかでもない仲間のひとりとしてここまで同行してきた彼女だが、今はうつむいて隠せない不安や諦めに沈んでいた。自嘲気味に笑い、ため息をもらす。
「なに、いいさ。諸君のおかげで、研究者として類稀な経験をすることができたし、幸運だった。月の水の秘密に迫り、リキッド大陸を脅かす大悪と対峙し、胸のすくような君たち冒険者の……ああ、大活躍! それにそれに、あの水鏡の女王を我が内へ迎え入れようなどと、誰が想像し得ただろうか?」
「どうした、マオメイ。まだ終わっていないぞ、しっかりしろ!」
「いやいや、いいんだ。いいんだ。みなとともにここで果てたとて、満足だよ。もう十分だ。諸君は十分にやってくれたさ、ああ、しかしかなうならもう少しだけ、あと少しだけ、世界の神秘に触れていたかった……」
「あきらめるな、マオメイ!」
うつろにもらすマオメイも無理からず、状況は危機的にして絶望的だ。仲間は分断され、狂魚の群れは絶えず。眼前には朔の巨人、一切の攻撃を受け付けず塵ほどの傷も負わぬまま鎮座する、歪な巨躯が越えがたい壁としてそびえている。どうにか耐え凌ぐも押し込まれ、退くも進むもままならず、打開へ及ぶにはほど遠い。
諦めるつもりはない。抗い続ける意思は折れていない、しかし勝利はどうしようもなく遠く思え、道を切り開く起死回生の一手は見いだせなかった。
「……マオメイさん、あれ! 見てください!」
「ほえ?」
しかし希望はある。エイジの指さすさきにちらと垣間見えた光景が、仲間たちがまだそこにいるのだと教えてくれている。
「燭台が……!」
朱の炎が青く染まり、燭台のひとつが軋みを叫びながら傾いてゆくのを、彼らはたしかに見た。
「やっと、ひとつめ……!」
荒く息をつくポラリスの瞳に映る青い炎は、崩れ落ち砕けた燭台とともに霧散し失せた。
「ふえー、なんとかやったね! でも、次はどうしよう? どうしたらいい、ポラリスちゃん?」
「ん……」
アオイとの不慣れな連携が燭台を倒すに至ったのは、敵の目がどこかで抗い続けているだろう仲間たちへ向いていたからだろう。運が良かったからだ。いささかにぎこちないふたりの共闘がこれ以上の功を奏すとは思えなかった。
なにより、凛風がいない。彼女が隣にいてくれたなら。優しくポラリスの肩を抱き寄せ、微笑んでくれたなら。
「き、来たよ!」
身構えるアオイの視線の先、狂魚の群れと霞がかった希水の向こうからゆっくりと現れる、異様な甲殻類の姿。朔の巨人には及ばないもののその巨体や艶光する甲殻、すべてを砕いてしまいそうな鋏をあらためて目にすれば、呆気にとられずにいられない。
「アオイ、前に出て……!」
「う、うん!」
拳に光を纏い駆け出すアオイの後ろから、氷礫を放って狂魚をけん制する。オーロラと氷柱の結界はかろうじて維持されているが、蓄積した氷盾を重ねて放つ大技を繰り出せるほどに状況はよくない。狂魚が迫りくるたび盾は剥がされ、銀精の迎撃にまかせて現状を維持するので精いっぱいだ。
「このままじゃ、ダメ。なんとか次の燭台にたどりついて……壊す」
「でも、ちょっと敵が多すぎるよ~!」
凛風ととともにあれば、打つ手はいくらでも浮かんだだろう。アオイとてオサムの援護を背負えば十全な働きができたはずだ。戦いのさなかに不幸を嘆いても仕方がないが、ここへ至るまでになにか策はなかったか、状況を打破する手があったのではないかと後悔がつのった。
「あ、まずい! しまっ……」
瞬間、声だけを残してアオイの姿がかき消えた。巨大な蟹もどきの鋏にさらわれたのだと気づく。そのまま両断されれば致命傷となるだろう。助けねばと杖を向けるも、狙い定めた狂魚の群れが雪崩のように多重をなして押し寄せる。
「……凛……っ」
呼び声は届くことなく、ポラリスもまた希水の霧に沈んだ。
「アオイ……?」
かろうじて片膝をつき、されど剣の切っ先を持ち上げる力は残されていなかった。オサムは遠く彼女の声を聞いたような気がしたが、定かではなかった。
背をかえりみればマオメイが伏し、前方には今まさにエイジが倒れゆく。
もうひとつ、燭台が傾いた。しかしそれを果たしたソフィアは群れ成す狂魚たちに凛風が食らい付かれる様を目の当たりにしながら、意識を手放した。
ポラリスの名を叫ぶ凛風の声は、歪に膨張した頭部を揺らす朔の巨人が咆哮し、希水に生まれた幾重もの波のひとつへまぎれていった。
「あと……ひとつ……」
オサムの空隙創造が三本目の燭台を寸断した直後、彼もまた剣と意思を手放し、冒険者らは全滅を喫した。
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担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年05月06日
参加申し込みの期限
2024年05月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年05月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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