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LIQUID -Star Chronicle- 最終決戦
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【ストーリークエスト『最終決戦』(2)】
空間の四方に、ごうと炎を噴き上げる燭台が輝いた。たとえるなら、ダイバーが水中で信号を送り合う発炎筒か。希薄な海の中にあってそれらは煌々と灯り、冒険者らの目をまぶしく打った。
飛沫を高らかに噴き上げ、杯を取り巻く白い奔流はうごめく塊となる。希水に揺らめきながら、まず、足が飛び出した。形状は成人した人間の女性かあるいは細身な男性のそれだろうか。しかし一本ではなく二本でもなく三本、四本と現れたし、関節はねじくれ横に上にと伸びていた。腕も同様にところかまわず生え伸び、見えるだけでも五本を数え、天のなにかを掴もうとしてか六本七本もの指をうごめかせている。頭部はベルモットを模しているのか、どこか面影が見て取れたがやはり歪んでおり、半ば崩れそうになりながらも絶妙な加減で保たれていた。
不定形にいくばくかの人間らしさをつけ足した、歪なそれは幾本かの足をつっぱり立ち上がろうと試みたようだが、失敗し床を砕きながらに転げた。ベルモットのような頭部が舌足らずに吠え声を上げる。まるで赤子の産声だった。
「月の使徒がこしらえた、出来損ないの巨人か。人を操るにあきたらず、人を作り上げようとでもしたか? 創造主の課した命とやらはどうした、おぞましき化け物め」
憮然と吐き捨てたマオメイの仏頂面は、彼女に溶けた水鏡の女王の憤りだろうか。
めぐる白き月の水がやがて、どす黒く光を失ってゆく。自らを鎧うように硬質化させ、月の水の薄膜で覆うと、表面には葉脈めいて碧緑の光が明滅し始める。マオメイはそれを<朔の巨人>と呼んだ。
「……来るぞ!!」
オサムの叫びの直後に、腕の二本が文字どおりに伸びた。柱に壁を砕き散らしながら冒険者らをかすめたが直撃は免れた。巨体ゆえか動きは緩慢、狙いもいささか定まらないようだが、慰めとはならない。恐ろしい破壊力だった。
「杯を砕くには、あの鎧のように纏った水をどうにかしなきゃ」
杖をひるがえし、ソフィアの先制攻撃が飛ぶ。
「<氷刃嵐>!」
怜悧に研ぎ澄まされた氷の刃を放つが、
「! 弾かれた!?」
「たああああっ!!」
続けざまにエイジが駆け、振りかぶった剣を袈裟斬りに振り下ろすも、白く透きとおる薄膜に阻まれ、タールのようなどす黒い本体を傷つけるには至らない。
「これは……なにか、バリアみたいなもので防がれてる? うわっ!」
薙ぎ払う腕をかろうじて掲げた盾で防ぐも、尋常でない衝撃はたやすくエイジの身体を弾いて飛ばし、壁へ叩きつけた。
「エイジ、無事!?」
「な、なんとか……!」
続きポラリスの杖から迸る氷のつぶてが、凛風の振るう刃の鋭い剣閃が叩き込まれるもやはり、手ごたえはなかった。
「かたい……っ」
「というより、なんらかの力で阻まれているような感触だ」
白い薄膜はどうやら力場のようなものの発露であるらしく、冒険者らの攻撃一切を阻んでしまう。前方へ詰めたアオイの渾身の拳もやはり弾かれ、困った顔を浮かべた。
「ど、どうしようオサムくん!? ムテキだなんて聞いてないよー!」
「無敵ではないはずだ、必ず突破口はある。あの力場の発生源を探り当て、潰すしかない……、!?」
アオイへ<堅護回復>を付与し時を稼ぎつつ反攻の手を模索しようとしたところで、オサムの意識は切り裂かれた。
「オサムくん!!」
「く……こいつはっ」
流線形の鋭利なフォルムを持つ魚だった。剣のような吻を持ち、希水をすさまじい速度で泳ぐ。群れだ。その瞳はいずれもが緑がかった白に濁り、牙を鳴らし悪鬼のように禍々しい鳴き声を上げた。
オサムへ狙い定めた一匹が旋回し、突貫を開始する。オサムには到底反応しきれぬ速度だったが、割って入ったアオイが吻の一刺しをいなして阻む。
「ひええ、なんてスピード……!」
「うわーっ、ちょっとやめっ、この狂魚どもめ、おおいみなの者! 助けてー!」
泡を食った声に見れば、白い瞳の小魚に髪やら着物やらついばまれているマオメイがいた。ただでさえ着崩しがちだから、まろび出てしまいそうだ。
エイジが駆け寄り、剣で小魚たちを払う。数匹を蹴散らされても小魚は怯むそぶりもなく、身を捨てるかのように食らい付いてくる。ようやく全てを切り捨てる頃には、ふたりともついばみ痕だらけとなっていた。
「いたた。だ、大丈夫ですか?」
「た、助かったよエイジくん……それより、あれだ! あれあれ!」
「あ、あれ? どれですか?」
「あれよ。あの燭台……」
慌てたかむせるマオメイに代わり、周囲を睥睨していたソフィアが代わりに答えた。
「見て。一定の周期で強く輝くの。そうすると」
「あっ、周りの魚たちの目が、白く……!? こっちに向かってくる!」
刃と針を持つエイを氷嵐刃で散らしながらにうなずく。
「あの燭台がきっと、鍵なんだわ。もしかしたら巨人のバリアもあれが発生させているのかも」
「なんにせよ、やることは決まったね」
灯火が強く炎を噴き上げる。白く染まってゆく瞳たちから目をそらさず、凛風は<小烏丸・真打>の切っ先を定めるままに、
「燭台は四つ。すべて破壊しなければ」
「誰かが……あれの目を、引き付けないと。っ!」
ポラリスめがけ放射されたのは、圧縮された月の水か。柱の一本を紙のごとくなぎ倒したのを見るに、貫かれればただで済むまい。とっさに飛び退き距離を取る。弧を描くように迫りくる狂魚たちをにらみながらに<銀盤・氷精の園>を発動し、空間へオーロラの結界を広げる。同時に出現した氷精がきらめく薄氷の刃を振るい、狂魚を一太刀に斬り捨てた。
「凛風、ポラリスは燭台をたのむ。ソフィアは後方で援護を。アオイ、エイジとともに前へ出て、巨人の注意を引きつけてくれ」
オサムの飛ばした指示に、戦線は大きく動き出す。
無数の腕のいくつかが膨張し、剣のような形状を伸ばすと、朔の巨人はそれを振るい始めた。薙げば希水に間隙が生まれるほどの衝撃をともない、巨剣が冒険者らを両断せんと振り下ろされる。
「なんて威力だ……!」
まともに受ければ致命傷は避けられまい。
加えて稀海の最深奥をすみかとしていたのだろう希水魚たちは、燭台が燃え上がるたびに瞳を白く感化されてゆく。やがて狂魚の群れはおびただしい物量となって押し寄せるだろう。
またひとつ燭台にごうと炎が噴き上がり、
「……おいおい。冗談だと言っておくれよ」
呆れたように漏らしたマオメイの視線の先には、古生物図鑑かなにかで見たような、全長数十メートルはあろう、巨躯を誇る鮫に似た魚が瞳を白く染められゆく様があった。
「ち……散って、みんな!! 来るよ!!」
叫ぶエイジの掲げた盾へ、刃を持つ狂魚の群れが激突する。弾かれたエイジと一匹の蛇のように蛇行しながら旋回する狂魚に気を取られた隙に、朔の巨人の放つ圧縮水流がソフィアの肩口を抉る。無作為に振るうだんびらがかすめた衝撃でオサムが吹き飛び、受け止めたアオイもろともに床を転がった。
「行くよ、ポラリス」
「ん……!」
仲間たちを横目にふたりも足を踏み出す。凛風はあくまで涼しげにふるまい、不敵に笑んだ。
「最後の戦いか。ともに駆け抜けよう、君と僕で」
「うん。行こう、凛風……!」
天を突くように掲げたポラリスの杖は冷気を纏い、希水の全てを凍り付かせんとうなりを上げる。手に馴染む愛刀の震えは、凛風にいかなる形かを告げぬままに、ひとつの旅の終わりを予感させた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年05月06日
参加申し込みの期限
2024年05月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年05月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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