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浜辺が教える恋の音
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屋上へ繋がる階段前では、未だこんこんと続く咲のお説教。
「ですから、まっとうな理由なくして屋上には入れさせません!」
それをものともせず、
行梨 謡
は堂々とその横を通り過ぎようとした。
「あなたっ! なにを堂々と通りすぎようとしてるの?」
「え、なに、屋上って封鎖中?」
すっかりつまらない授業からホームルームまで寝ていた謡は、誰にも起こしてもらうこと無く放課後を過ごしていた。起きてみれば、委員会の人間が徘徊する中を頑張って辿り着いたというのに、これでは女王様の命令を聞き届けることができない。
(つーか、丑都渡が興味ありそうだったんだから、起こしてくれてもよくないかー?)
「咲に何か不満でも? 風紀委員としての職務を全うしてるだけですが」
「風紀委員ー? ちょっとおまじないが流行ってるだけだろー、それのどこが――」
「おまじないは、百歩譲って黙認しましょう……そんな意味の無い事しても人生の無駄にしか思えないけどね。ただし、風紀を乱す様な事をしているなら話は別だわ」
「せんせー、風紀を乱すことってー、具体的になんですかー」
「それは、真央ちゃんも気になるのだ!」
「恋愛なんて一種の熱。そんなものを求めようとするだなんて、危険極まりない行為です」
キリっとした態度で言いのける咲を前に閉口する二人だが、実際のところ新聞部のネタと女王様の命令というのが表向きの理由で、恋愛云々に関して真剣に考えているわけではない。
それを証明するために、謡はうさぎさん柄のマグカップを取り出した。
「俺は、うさぎさんとの相性が知りたいだけなんだけどなー?」
黙認してくんない? と咲の耳元で無駄にいい声で囁く。マイクを使わなくとも、女の子ならこれで許してくれるかも――なんてことは、一切無かった。
「……そういうっ! ふしだらなっ! 行為を取り締まっているんですっ!!」
小手、脛、胴とリズミカルに竹刀で叩きつける咲を前に、謡は大事なうさぎさん柄のマグカップを死守するのが精一杯。目の前で繰り広げられる攻撃に、真央もあわあわと――メモするばかり。
(これはこれで、ネタになるかもしれないのだ!)
その殺伐とした空気に花を散らせながらやってきたのは、
レティシア・ル・テリエ
だ。
喧騒もなんのその、3人へのほほんと微笑みかけた。
「あらあら、皆さんもおまじないを? 後利益があると、いいですね」
我先にと階段を争っているとすればちょっと恐ろしいけれど、きっと思いは同じはず。そんな意味をこめての微笑みも、咲には通じない。
「ご利益を求めるのは勝手ですが、屋上を砂だらけにし、不純異性交遊を推進しようなどという行為は認められません!」
「……不純異性交遊? 王子様は白馬に乗ってやってくるのですから、王子様以外に目移りなどしませんよ」
「そう、目移りは……え?」
「きっと王子様は紳士的なお方でしょうから、ここで目印になるものをご用意できるのが嬉しいです」
全く濁りのない瞳と、キラキラした祈りのポーズ。まさに童話から抜け出たような乙女がそこにいた。
これにはさすがの咲も毒気を抜かれ、額に手をあて深く息を吐いた。
「……おまじない、だけです。ゴミはちゃんと持ち帰ってくださいね?」
壁に背をあて、道を譲る咲に喜んで階段へ駆け出す真央と、腹部をさすりながら咲の様子を伺いつつ上る謡。
そして一礼して雲の上を歩くようにレティシアが上り――キョロキョロとしながら
鈴野 海斗
が通り過ぎる。
「屋上へ行くなら今です。咲の心変わりがしないうちに行きなさい」
「おー、そらぁいい! 妹にやってみれって言われたけんど、屋上さ行くなって人が多くて困っとったと」
にかっと笑い階段を駆けていく姿を見送り、咲は時間を確認する。
「……最終下校時間まで残るというなら、話は別です」
ダンッと気合を入れてまた床に竹刀を突き立てると、咲は時計とにらめっこを始めるのだった。
そして無事に屋上へたどり着いた謡は、誰かを弄っている紗姫を目にして慌てて駆けていく。
「いきなしおっそ! チョー乙女なあたし待たせて、何様のつもりぃ?」
「階段にラスボスが居たっつーか、同じクラスなんだから起こしてくれてもよくねー?」
「だっる、なんであたしがそんなことしなきゃいけないワケ?」
はい、それはごもっともです。
これ以上、女王様に反論してご機嫌を損ねるわけにはいかない。さっさとおまじないを済ませて帰ろう、そうしよう。そう思って用意をし始めると、怯えたような誉と目が合った。
「そ、それじゃ俺はこれで……」
謡が弄られている間に身支度を整えた誉は、ひきつった笑顔を浮かべて去っていく。
(まあ、丑都渡に弄られたらなぁ……可哀想に)
仕方ないと言って受け入れられるのは、自分くらいのものだろう。少し得意気になってしまう自分もどうかと思うが、女王様とパシリなんてそんなもの。ある程度の信頼がなければ務まらない。
……と、思う。多分きっと、そんな気がする。
「いきなしー、あんたがやるつったから屋上で待っててやったのにーチョーだるぅ。あとでアイスね」
「アイスー? 別にいいが安いのにしろよー」
「いきなしのクセに生意気じゃね? あたしドッツがいいなぁ、ニャーゲンドッツー」
1個300円はするアイスじゃねーかコノヤロ。
――とはもちろん口に出さず、黙々とカップに砂を入れている横では、カップが子供っぽいだの真剣にやる気だだの、茶化してくれる。それを煩いととるかありがたいととるかで関係性も違ってくるだろう。
(ん? ありがたいだと、パシリじゃなくて下僕か?)
どっちもそう変わらないか、と紗姫を見れば「早くやれ」と言わんばかりにニヤニヤしている。
「そんなに気になるなら、丑都渡も試せばいいだろうに」
「はぁ? なんであたしが早起きとかだっるい準備をしなきゃいけないワケ? そんなん、いきなしダケでじゅーぶんっしょ」
言い放ちながら思い出す、自分の結果。
思い切り叩きつけたお陰で音は綺麗じゃないし、砂はたくさん溢れ、ほんの少しだけカップに残った。ぐちゃぐちゃになったカップの周囲を見て、まるで自分のようだと思いつつも、こんなのがおまじないなわけでも運命の相手を連れてくるわけもないだろう。鼻で笑ってカップを鞄にしまいかけた時に聞いた、綺麗な音色。
(……あんなの、運命とかにはいんないし)
噂につられて、ほいほい屋上に集まってくる人間なんてたくさんいる。そのうちの一人だっただけじゃないか。
「いーから、とっととやんなよー。アイス食えないじゃん」
「はいはい。1・2・3……っと」
自分とは違って軽く叩きつけた可愛いカップからは、ほんの少し砂が零れただけ。音もごくごく普通だし、砂も模様が描かれたりはしない。
「ねー、なんか起きた?」
「起きてないなぁ……」
ま、占いなんてこんなもんだろ。そう言って二人で笑うと、煽られっぱなしではいられない謡はカップを見て、上手いことでも言ってやろうかと暫し考える。
「今は丑都渡っつー女王様で手一杯だから、恋人は作るなってことじゃないかー?」
なみなみと残った砂を指さし「これ、俺の心ー」なんて笑う謡に、ゆるく巻かれた髪に指をくるくると巻きつけ「はぁ?」と面白くなさそう返す紗姫。……だったら自分の結果は、どんなにワガママを言っても着いてきてくれる男が少しだけいるとでも言うのだろうか。
「……ばっかばかしー、こんなおまじない信じちゃうとか、いきなしチョーうけるんだけど」
バカかもしれないけれど、今はそれが楽しいと思えるんだ。
それはこの緩い距離感が生み出してくれるものかもしれないけれど、謡はおまじないの結果を都合の良いように解釈して、アイスの値段交渉をしながら屋上を去るのだった。
時同じくして、屋上ではレティシアが素敵な王子様が現れることを願って緩衝材の入った箱からカップを取り出したところ、海斗に声をかけられた。
「このおまじないっつーのは、なんの効果があるんだべか?」
「え?」
まさか、おまじないの内容を知らずに試す人がいるとは思わなかった。びっくりしているレティシアを見て、急に声をかけたせいで驚かせたのだと思った海斗は、深々と頭を下げて隣に座った。
「すまんこって。オラは
鈴野 海斗
、妹にやってみれって言われたけんど、無病息災かなんかか?」
「私は
レティシア・ル・テリエ
です。素敵なことが起こるおまじないなんですよ」
ふふっと微笑むレティシアに、それは今の自分に必要なことだから勧められたのだろうかと考えた海斗は、苦手が克服できるようになるまじないかもしれないと思い、これは真剣に取り組まねばと鞄からしっかりと輪ゴムでラップが止められたカップを取り出した。
「素敵なことが起こるっつーんだったらば、オラも腹をくくってやるべ」
「鈴野君、そう気負わなくても……素敵なカップを傷つけないように気をつけてくださいね?」
「これは妹の自作なんだべ! オラが中学卒業の時にくれたもんでな、気に入ってるんだべや」
まるで自分の妹を褒められたかのように嬉々として話す海斗を微笑ましく見つめるレティシアは、いつか現れる王子様もこんな朗らかな人であればいいなと思いを馳せる。
「まあ、そろそろ夕日の赤が消えてしまいそうですね。せっかくですし、ご一緒にしましょうか」
1・2・3……
カップの材質も大きさも異なった2つは、絶妙なバランスで音を奏でる。願い事が叶うようにとおまじないの余韻に浸ってるレティシアに、空気を読まず海斗は問う。
「……テリエさん、なんか変わったべ?」
「はい、私は心が満ち足りました」
「心……難しいだべなあ」
結局、苦手が克服できる素敵なおまじないではなかったらしい。それがわかると、海斗はおまじないをやった証拠にこのままカップを持ち帰るといい、レティシアもまた砂を入れたままお部屋に飾っておくのだと微笑む。
どこかのほほんとした二人はマイペースな会話が弾み、昇降口まで共に行くのだった。
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担当ゲームマスター
浅野 悠希
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年12月01日
参加申し込みの期限
2013年12月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年12月08日 11時00分
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