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浜辺が教える恋の音
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梅雨もようやく明けたかと思われる6月某日。月の輝く浜辺に思いつめた顔をした少女が一人。
他人の足あとはさらさらと風に運ばれた砂で埋もれ、所々の小さなくぼみは踏まれた跡なのか自然にできたものなのかわからない。
高梨 彩葉
は寄せては返す波を見つめながら、ぼんやりと自分の過去をも見つめなおしていた。
(……どうして、昔の私はあんなに酷いことをしてしまったのかな?)
そうじゃなければ、今の恋に素直になれたかもしれない。本来であれば前向きな自分、お菓子やお弁当の差し入れをして振り向かせていたのかもしれない。……けれど今は、それすら罪悪感を覚える。
好きだと思う一方で、彼に相応しいのだろうかと考えてしまうのは、らしくない。
(でも、いい子を演じることで、彼は微笑んでくれるし……)
隠し通したところで、いつか知られてしまう。それはきっと、受け入れられることはない。
その現実に耐えられるかと問われれば、無理だ。好きにならなければ良かったとも思わないが、矛盾した答えにいっそ波が悩みをさらってくれればいいのにとさえ思う。
――クラスで流行っていた、恋のおまじない。
側にいるかどうかは別にして、好きな人はいる。もしかしたら気休めにはなる結果が見られるかもしれないと思ったけれど、その結果が気休めにさえならず現実を突きつけるようなものならば、立ち直れるかどうか……。オレンジ色で白色の猫が書かれたマグカップをぎゅっと握りしめ、自嘲する。
いっそ過去を後悔し、立ち直れない悲劇のヒロインでも演じてみれば、今以上に彼の気をひけるかもしれない。そんな打算的な考えが頭の隅を掠め、打ち寄せた大きな波の音で打ち消される。
いやだ。
こわい。
真っ白なままの私だけを見て、嫌わないでほしい。
時折水しぶきがかかるのも構わず波打ち際に座り込んだ彩葉は、彼の笑顔を思い浮かべて涙目になる。
(……ああ。そっか、嫌われたくないって思うほど大好きなんだ)
気づけば単純なこと。けれど、それを告げるには偽りすぎていて動き出せない。
重く重くのしかかる、過去の大罪。彩葉の潰されそうな心では、浜辺の砂をすくえずにいた。
次の日――。早朝から一人の少女が熱心に砂浜を歩いている。
海岸沿いにはジョギングをする者や同じように袋をぶら下げて歩いている人には目もくれず、
宮祀 智瑜
は懸命に自分の足元だけを見て突き進んでいた。
(おまじないのためにも、綺麗な砂をさがさないと……!)
ただのおまじない。されど乙女には重大なおまじない。恋心を抱く数学の
桐島 義弘
先生の顔を思い浮かべてはうっとりと足を止め、頬を叩いては先へと進む。そんなことを何度か繰り返していると、ふいにサクッサクッと一人分の足音が響くようになっているのに気付き、足元の砂をじっと見つめる。
「この辺りなら、大丈夫そうですね」
好きな人はただ一人。けれど恋の相手が見つかるやも知れないと聞けば、試さずにはいられない。宮祀青果店の買い物袋をそわそわと広げ、また思い描くのは桐島先生の顔。
(もし、何かの偶然でも、義弘先生を暗示させる結果が出たりなんかしたら、私はどうすればいいでしょう!?)
手ですくっていた砂が袋とは見当違いの所で漏れ始めても、智瑜は気付かない。砂時計のように落ちきってしまった所で我に返り、あたふたと袋に砂を詰め始める。
「宮祀」
(そう、おまじないが終わったら名前を呼んでくれてですね……)
「……宮祀!」
(こうして振り返ったら、義弘先生が――)
いた。
朝日に照らされ眩しく反射する眼鏡の奥の瞳と、バッチリ目が合ってしまった。
本人の登場に、まるで悪いことをしていたかのように、袋を後ろ手に隠して向き合った。
「よよよ、義弘先生っ! おはようございます!!」
「そこで何をしているんだ」
「えっ、な、何をと聞かれるとですね……その」
おまじないのことなど、口が裂けても言えない。けれど、下手な隠し事などできない鋭い瞳からは逃げられず、智瑜はただただ口ごもる。
「最近屋上が砂だらけなことと、何か関係があるのか?」
「私は屋上を砂だらけになんて――」
していない。今のところは。
「清掃の方や風紀委員からクレームが入っている。もし関係があるのなら、すぐに止めなさい」
「……はい」
『分かればよろしい』と頭をひと撫でされると、お気に入りのコップを持ってきたことも、おまじないをする前に失敗してしまったことも、どうでもよく感じてしまう。
「あ」
先を行く先生の異変に気付いた智瑜は、砂を浜に戻して急いで追いかけ、こっそりと告げる。
「先生、学校に着いたらズボン直してあげますね?」
何のことだか見当もつかない彼の前で、智瑜は小さく笑ったのだった。
その後も、浜辺には砂を求める生徒が続々と続く。その中で、小鳥を連れた
御巫 時子
は迷うこと無くある場所へ向かっていた。
「そうですか……この時間でも、まだ踏まれていない場所があるのですね……」
寮を少し早めに出たにも関わらず、日の出と共に砂をすくいにやってくる強者や毎朝のロードワークのついでに砂をすくうものと様々で、やや出遅れてしまっていたようだ。
にも関わらず、時子が目的の綺麗な砂を目指して歩けるのは、口の堅い友達――鳥と会話をしているから。
心静めて行いたい大切なおまじないは、普通の、いわゆる人間の友達には口外していない。けれど、一人では上手く試せないかもしれないので、力を使って心強いアドバイスを鳥からもらっている。
「ありがとうございます……放課後も、お会いしたらよろしくお願いします……」
噂になるほどのおまじないだ、北校舎の屋上は人が混雑しているかもしれない。それでも、鳥達の情報があればタイミングよく訪れることができるかもしれない。
砂をすくう前に取り出したカップには、コーヒーの香りが染み付いている。大好きなあの人がよく飲む、それと同じ香りに思わず口元が綻ぶ。
時子は自然に笑ってしまう自分のこの気持ちを偽らず、そして焦らず温めていこうと思いながら、ゆっくりと、そして大切に砂を袋につめていくのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年12月01日
参加申し込みの期限
2013年12月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年12月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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