this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
浜辺が教える恋の音
<< もどる
1
2
3
4
5
…
7
つぎへ >>
夕方から最終下校時刻間際まで、生徒が屋上でたむろしているらしい――。
そんな不穏な話を耳にした
獅子尾 優華
は、独自の正義感から校舎の見回りを始めた。
「イケナイ事でもするんじゃないでしょうね? ……ここは問題を起こす前に私が風紀委員として取り締まるべきね」
凛とした態度で廊下を闊歩する姿は、まさに風紀の守護者(ぼうくん)そのもの。もし正当な理由も無く遅くまで残っていた生徒を発見したとなれば、一喝されることだろう。
「2階は異常なし、ね。やっぱり皆、屋上にいるのかしら」
そう思い3階へ繋がる階段を上ると、不意に聞こえるヴァイオリンの音色。もう部活動は終了している時間だし、自主練習だとしても時間が遅すぎる。これは一言注意をせねばなるまいと、狂騒的な音楽に合わせて音楽室へ向かう足は早くなる。
――バンッ!!
勢い良く扉を開け――た、はずだった。
なのにその音は聞こえず、開けっ放しの窓の近くでカーテンが揺れているのに風の音も聞こえない。奏者の
神嶋 征一郎
が苦々しく口を開いたのが見えたが、声を聞き取ることはできなかった。
『ちょっとそこの貴方! 何しているのかしら』
自分の声すら聞こえない。どうやら聴覚に障害をきたしてしまったようだが、彼の力なのだろうか。何も聞こえないことに戸惑っていると、征一郎はまた口を開く。
『すまないな、本気の演奏聞かせちまって』
戸惑いの様子から、彼女が自分の力にかかったことは一目瞭然。なので当然、この謝罪は彼女に届くわけもない。そして自分にも、この力の支障が出たらしい。
……こんな人を不幸にするような演奏、いっそしなければいいのに。
そうは思っても、演奏することが止められなかった。子供のように幻想を描いて、届かぬ夢に手を伸ばし続けている自分を嘲笑うと、涙の代わりに頬には血が伝っていった。どうやら、力を発動した時に切れてしまった弦が掠めたようだ。
『貴方、怪我をしているのね。じっとして』
聞こえないのは自分だけかもしれないと、優華は優しく声をかける。そしてポケットからハンカチを取り出すと傷口を押さえ、片方の手では再度弦が新しい傷を作ってしまわないようにと、そっと途切れた弦を抑える。
その力に抗うこと無く征一郎はヴァイオリンをゆっくりと肩からおろし、甘んじて彼女の手当てをうけた。
――彼女は自分の全てを包み込んでくれる存在じゃない。ただ怪我をした自分を心配して、手当てをしてくれているだけなんだ。
そう自分を言い聞かせても、優華は真っ直ぐに見つめてくる。それが単に持ち前の正義感からだったとしても、聞こえなくなったことに恐怖を抱きもせず、ただただ傷口を抑え続けている。……まるで、勘違いしそうになるくらいに。
『傷口が痛むの? 保健室に行ったほうが良さそうね』
苦痛に歪められた征一郎の真意などわからず、傷口の様子を見ようとそっと圧迫止血をしていた手を離そうとする。……が、それはピアノの上に弓を置いた彼の手に阻まれてしまった。
弓の近くには、砂が盛られた小さなカップ。静かに佇むその二つのように、ハンカチを抑えている優華の手の上から優しく触れる征一郎の手。
「――は、ただ…………演奏を………………しい。それだけだ」
ようやく戻ってきた聴覚に届いた、狼狽した声。聞き返すのも躊躇われるくらいに悲痛な顔をした彼に、優華は風紀委員として厳しく取り締まることなどできないでいた。
「……とにかく、傷の手当てが先決ね。話はそのあとでいいわ」
彼女の声が聞こえたことで、能力の有効時間が過ぎたのだと知った征一郎は、先ほどの呟きを聞かれてしまったのだろうかと痛々しい笑顔を浮かべて、優華の手からハンカチの端へ手を滑らせた。
「もう暫く、ハンカチ貸してくんない?」
「そ、そうね。貴方が傷を抑えて、私がヴァイオリンを運ぶほうが移動しやすいわね」
どうして今まで、そんな当たり前なことに気づけなかったのだろう。言葉が通じてなかったかもしれないとはいえ、手を重ねてきたのはハンカチを譲ってほしいという合図だったかもしれないのに。
戸惑いを隠し切れない優華は、征一郎の手からヴァイオリンを受け取り、ピアノの上に置かれた弓も手にとり、ふと小さなカップを見やる。
「これも、貴方の物?」
「最近流行ってるおまじないだと。知らない?」
まあくだらない噂話だし、女だからといって興味あるとも限らないか、と風にのってこぼれ落ちる砂を征一郎は傍観し、ふいに笑い出した。
「屋上にも、カップを叩いたりもしてないのにな……運命なんて、あるわけないのに」
「……運命? そのおまじないと、私は何か関係性があるの?」
「さあな。自分はこの手の類は信じてないんだ、気にする必要はねぇよ」
そう言いながら先を行く征一郎の背中はどこか寂しそうで、優華は後を追いながら質問を頭のなかで整理する。風紀委員として聞きたいのは『屋上と言っていたけど、最近生徒がたむろしている件について何か知っているのか』そして自分自身としては『くだらないなんて言いながらおまじないの準備をしていたことについて』の二つ。
もし、おまじないのせいで自分が導かれたのなら、……友達になってもいいかもしれない。そんなことを思いながら、二人は無言で保健室まで歩いて行くのだった。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
7
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
浜辺が教える恋の音
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年12月01日
参加申し込みの期限
2013年12月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年12月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!