冒険野郎に捧げる歌｜リアクション

冒険野郎に捧げる歌

　そうして、飛び石の頂上にたどり着いたヒロシ達。

　空には今にも手に届きそうなまばゆい星空が広がり、少し視線を下に落とせば寝子島の街の輝きが見える。
　うっすらと見える森の風景や、月に照らされた海の輝きがより一層寝子島という形を引き立たせる。
　まるで自分達が宝石の箱に詰め込まれたような。そんな風景が広がっていた。

「これは凄い……。やはりこの島に目をつけてよかったニャ……」

　フッ、と小さく笑ったヒロシ。
　彼の冒険はここで終わりではないと言うのか、ヘッドライト付きの帽子のつばをくいっと手で押し上げると、カッコよく決めポーズを見せる。
　この島にはきっと、まだまだ冒険出来る場所が隠されているだろうと、何やら確信めいた自信を身につけたようだ。

「……で、これを降りニャいといけないんだよニャ？」

　そうして、彼の言葉で現実に戻される。
　そう、上りがあるなら下りもある。それはどんな冒険であろうと変わりはない……。

「……これ明日は筋肉痛かニャ……」

　大きなため息をついて、とん、とん、と飛び石を降りていくヒロシ。

　冒険野郎の冒険は、いつだってこんなものなのだ――。

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