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想いを伝える花
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【柔らかな恋色】
「こんな小さな種と小鉢から不思議な花が咲くなんて夢があっていいな」
不思議な言葉と共に、綺麗な陶器の小鉢や土と併せて受け渡しをされたのは、ごく小さめの可愛らしい種一つ。
それを手のひらの上に乗せながら、
桜井 ラッセル
は老婆の話を思い起こしながら考えていた。
これは、『想いが形になる種だ』という――種の花が咲くと同時に、込めた幻想も現実の形として映し咲かせるものなのだと。
霊界に咲くものだと聞いた。ならば、それは寝子島特有のフツウであり、日常ではまず手に入らないものだろう。きっと貴重なものに違いないと考える。
同時に、そのような種を間近にするとラッセルはまじまじと思うのだ。
『これは自分ではなく、もっと心から喜んでくれる存在にこそ相応しいのではないか』と――そう思えば、心当たりは一人だけ。
浮かぶ大きな新緑の瞳と春風のような流れる髪、
風の精 晴月
のこと。
「晴月に、育ててもらいたいな……」
彼女の一挙一動がラッセルには何よりも愛しい。見られる幻想にどの様な反応をするのか、瞳を輝かせても、浮かべるかも知れないその笑顔も。その様な感情を分かち合うのはきっと素敵に違いない。
それに、ラッセルは思うのだ。
――あの、きっとどの様な幻想の存在よりも可愛い風の精に、その心には、見たい場面や知りたいことはないのだろうかと。
「んー、先のこと!」
一度戻ってきた桜花寮のベランダにて。
ふわりと、名前を呼ぶまでもなく、本当に風の妖精として相応しくラッセルの前に現れた晴月は、状況の説明と、そして自分への希望を耳にすると、何を置いても真っ先にそう口にした。
「先のことって……未来の事か?」
「うんっ」
てっきり自分の過去の事などの話題が出てもおかしくないと、僅かな覚悟を決めていたラッセルであったが、それを僅かにつぶやくと、
「前より、未来の方が、きっと、もっと素敵」
晴月が、そう告げてにぱっと笑う。すると、まるでラッセルも心の中が大掃除でもされたかのように綺麗に清々しく感じられた。
――晴月が望んでいることであれば、それ以上に嬉しいことはない。
花の幻想が見える前から、今この瞬間すらも眩しく思える。
ラッセルは、その高揚感を一時払いながらも、今ここに晴月が来ているならばと、種と土、そして小鉢を取り出した。
「そう言えば、晴月は植物育てたことあるのか?」
ラッセルが問いかけると、晴月は不思議そうにコテンと首を傾げてみせた。綺麗な緑色の髪がサラリと揺れる。それだけの仕草にも、ラッセルは内心でその可愛さにどきりとしてしまうのだ。
「(可愛い……っ!!)」
叫ぶのはこらえたが、若干顔は赤いまま。ラッセルは土に種を植えると植物が成長することについて軽く説明をした。
「うん、うん」
その話を、極めて最重要事項とばかりに頷きながら、真剣な様子で聞いている晴月は一際に可愛らしく、ラッセルはその二度目の叫びを何とか胸の内に収める事に成功した。
「で、ここに晴月が想いを込めてくれた種を植えて、土をかけて……あ、場所はここのベランダでいいかな? 育つとこみたいし、何かあったら俺が対応できるし」
「うん、わかった」
「せっかくだから、水やりは交代ですっか。待っていてくれ、今、水を持って来るから」
そう告げて、ラッセルは一度桜花寮のベランダから離れて水を持って戻る途中――声が聞こえた。
それは小さな歌声。とても嬉しそうな晴月の声が耳に届いて。
ラッセルが驚きに慌てて戻ると、流れてくる跳ねるような春色の風の旋律と共に、既に小鉢から若葉の芽が出ている所だった。
「芽、出た。嬉しい」
「……成長が早いとは聞いていたけれども、これは凄いな」
晴月の歌声が聞けた事も、それに応えるように芽吹いた若葉も目にすればとても嬉しく思いながら、ラッセルはさして大きくない小鉢に見合う大きさの水の容れ物を晴月に手渡した。
「これ、あげればいいの?」
「そう――うおっ、やりすぎは駄目だぞ」
ラッセルが、加減が分からず、一気にだばっと水を流し込もうとした晴月を慌てて止める。
――微笑ましい時間を経て、時は夕方過ぎ。
寮の夕食の時間となって、晴月とは一旦別れた後、夕食を食べてベランダに戻れば新芽は更に成長していた。
「これ、本当に明日には咲きそうだな。晴月呼ばないと」
そして、翌朝。
ラッセルがベランダに向かえば、既に晴月が期待に満ちた眼差しでラッセルを待っていた。小鉢に対して大ぶりの花は既に蕾を付けていて、今にも花開こうとしているところ。
「早く、はやく!」
「うお、ギリギリ間に合った!」
二人が見守る中。蕾から、ほんのりと薄黄色を交えたオフホワイトの向日葵を思わせる花が大きく開く。
「やったな! 無事咲いたな!」
そして、そこにふわりと湧き上がったのは、ふたつのシルエットと幻想的な風景がひとつ――
そこには、小さな満開の花畑に色とりどりの小鳥が空を飛び、ラッセルと軽く空に浮く晴月が手を取りあって、幸せそうに見つめ合い楽しく踊る姿――
互いの瞳に、互いが映る。ラッセルの瞳には、今の幸福の恩恵を眩しいまでに受けて微笑む、嬉しくなるまでの晴月の姿が。
幻想なのに、まるで自分の瞳に映し出されているかのようで。晴月の微笑みに、幸福と嬉しさでラッセルが胸をどきどきと鳴らす中、
「あ……」
幻影は、幸福の幻想は光の粒子となって、花も小鉢も土も、何も残すことなく消え去った。
「消えちゃった……」
「………………」
名残惜しい、その気持がラッセルの胸にあふれる。
しかし――それでも、未来を見たいと想いを込めた晴月の見せてくれた幻想が、あの光景ならば、
きっといつか叶えられる。
むしろ、今すぐあの光景を探しに、晴月の手を取り飛び出したい気持ちを抑えずにはいられない。
そう……彼女も、自分と同じように願ってくれているなら。
これから先もずっと一緒の素敵な未来があるのだと、いくらでも信じることが出来るのだから。
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3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
動物・自然
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年03月29日
参加申し込みの期限
2024年04月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年04月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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