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想いを伝える花
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【幻想像】
「想いが形になる花の種……」
「稲積も、また変なものをもらってくるねぇ」
「うん、見えない物が形になるのは、気になるし楽しみだけどちょっと怖いかも……」
先程、不思議な老婆からもらった種はふたつ。
稲積 柚春
は種をもらった時からずっと考えていた。これを隣に並び立つ
ウォルター・B
が育てたらどのような花になるのだろうかと。
「ねぇ! ワットも一緒に育てようよ!」
「えぇ……僕に園芸の趣味はないんだけど」
弾む柚春の声に対して、非常に乗り気ではないウォルターの様子が伝わってくる。
「二日! 二日だけ!
ワットの花が見てみたいんだ――少しだけ僕に時間をわけると思ってっ」
「……しょうがないなぁ。稲積がそこまで言うならやってみるけど、枯らしちゃっても気にしないでねぇ」
「うん!」
ウォルターは基本的にかなりの気分屋だ。種をそもそも受け取らない可能性も充分にあった。
受け取ってくれただけでも僥幸であろう。
「(もしワットの育てた花が……)」
それは、もしかしたら枯らされるより残酷な事実を突きつけてくる可能性もある。それを、柚春はきっと大丈夫と強く心に言い聞かせた。
自宅に戻った柚春は、さっそくいても立ってもいられない気分で、もらったグラスに土を入れて種を用意した。
そして、傍らに置くのは、沢山のウォルターとの思い出が籠もった、綺麗に整理された写真のアルバム。
「あのね、聞いて。今までピアスって開けたこと無かったの」
柚春は語りたくて仕方なかったウォルターへの想いを、溢れんばかりに種子に向かって言葉として紡ぎ始めた。
互いに、お互いの瞳の色をしたピアスを交換したこと。
柚春は右耳、ウォルターは左耳に。それぞれ、相手を想う事を示す特別な感情を持つピアス。
それを付けるために、柚春は初めてピアスホールを開けた事。
種が知りうるはずもない情報を、柚春はきちんと愛しい声で語り聞かせる。
柚春は学生であり、ウォルターは生徒であること。それでも、告白はした。お互いに特別な想いを抱いている事も確認した。
だが、ウォルターは教師であり、同時に柚春の進路を狭めたくないと願っている。
それが、柚春には、嬉しいけれども少し寂しい。十分に分かっていることであるけれども、と。
思いの丈を、写真を見ながら種子に見せるように語りかけ続けた。
それは、確かな柚春の――恋といとおしさに溢れる『愛』の声。
そうして、種を植えて、そっと土が濡れるように水を掛ける。
その間も溢れる想いは止まらない。
今の幸せも、抱く不安も――柚春が信じるウォルターへ。それでも隠しきれない不安なことも、柚春は全てを語り尽くした。
本当はまだ足りないかも知れないけれども、その想い全てに、柚春は限界までの『想い』を込めて――
翌朝。
柚春のグラスから、澄んだ緑がまっすぐ伸びやかに広がり、その先端に大きな蕾が見えた。それは今にも咲いてしまいそうで。今日会うウォルターにも携帯でその旨を伝えて、同じ状況だと知った柚春はウォルターとその光景を交換すべく、お互いに会う約束をした。
場所は目立つことのない、ウォルターの行きつけのひとつである静かで穏やかな喫茶店。
柚春とは対照的に、ウォルターの植物はこぢんまりとした小さめのもの。しかし、蕾はしっかりとついている。
「稲積のは凄く大きな蕾がついたねぇ……ごめんねぇ。僕の方はあんまりにも何もしなかったから、呆れ返ったメアリが殆どやってくれたんだけど……
ああ、それでもちゃんと僕も、少しは慣れないなりに声はかけたりしたからきっと大丈夫だよぉ」
ウォルターとの付き合いも深い柚春である。その辺りはむしろ枯れる悲劇を避けられただけでも喜ぶべきであるというのは理解していた。
むしろ、それでも花を持ってきてくれた事に感謝しながら――瞬間、広がって鼻腔をくすぐるレモングラスの澄んだ香りから、それを優しく融和させるような柔らかなフローラルの香りを添えて。テーブルに出された柚春の大ぶりの薄水色をした花が静かに開いた。
――それは、寝子高卒業式の日。
卒業証書を受け取った柚春が、全てを終えてウォルターに駆け寄る。幸福を溢れんばかりに満たして、前に立つ柚春にウォルターは愛しさに満ちた眼差しで微笑み、こちらの頭を撫でながら口にした。
『卒業、おめでとう』と――
「……」
『告白……してもらいたかったな』幻が消え、本体もそのうち消失するであろう花に柚春は悲しみのほうが強くなる。
しかし――まるで、魔法がその解を出すように。ウォルターの方の花が開き始めた。
奇しくも、同じ薄青色をした小さな花だ。しかし、僅かな暖かさを持つクラリセージの香りが混ざる不思議なミスマッチ。
映し出されたものは――今よりも、否、今の元気な雰囲気を残したままに、少し大人の様子を漂わせて微笑みを浮かべた、柚春が振り返りこちらに微笑む姿だった。
「――こう、なるんだねぇ」
手伝ってもらったとは言え、花を咲かせたウォルターが一番驚いた様子で呟いた。
それを目にした柚春は悟る。今の自分に足りていないもの。すぐに告白をしてくれると思っていた自分に足りないものを。
「わ、ワット、あのね。
僕はやっぱり子供だと思う……これくらい、いいじゃないって、わがままも言うと思う。
ワットのことを考えたら我慢するべきだって思うけど、それでも嘘はつきたくないんだ――」
柚春が俯く。あれが、メアリの影響を考えても、ウォルターのイメージがほんの少しでも反映されているのだとしたら。
「……」
「その分の努力も絶対にするよ? 理想に近づけるように頑張るよ!?」
柚春は、一度俯き顔を上げた、強い眼差しに僅かな涙を滲ませる。
「でも……だから――僕はワットがすき……だいじで、特別なひと。
あいしてるよ」
その言葉に、瞑目とともにしばし沈黙を置いていたウォルターは静かに口を開いた。
「……。僕としては、あれを育てるのに何か考えたつもりは無かったから、あの映像がどういう物かというのは分からないけど。
今の稲積も――柚春が成長した結果であれば、特別なのは同じだよぉ。
だから、ゆっくり成長すればいいんじゃないかなぁ……あせらずに」
そう告げて、ウォルターは柚春の頬にそっと手を添えて、愛おしいものを見るように微笑んだ。
同時に。幻想を見せた花は、既に役割を終えたかのように綺麗に存在を消していた。
後は、二人きりで紡がれる時間。未来はきっとその先に――
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担当ゲームマスター
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シルバーシナリオ(150)
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3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
動物・自然
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年03月29日
参加申し込みの期限
2024年04月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年04月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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