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想いを伝える花
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【一途な】
――【硝子彩華】という花を、
鴻上 彰尋
は思い出していた。
朝日の光によって咲く、透き通る硝子のような花。その薄桃色を、そしてその煌きを映して一層に燦き輝いた、彼女の青い瞳を彰尋は忘れていない――
今手にしているものは、そちらと同じく霊界に生える花の種だという。
小さなテント状のような老婆曰く、『育てた人の想いまでも、幻想として映し咲かせる』花なのだと。
「……せっかく縁をいただいたからには綺麗な花を咲かせたいな」
霊界の花は、それこそ幻想的な説話の幽霊の如く、儚くも不思議なものが多いように見受けられた。過去のような花であれば、今回もきっと、想いによってはさぞ素晴らしい花が咲くに違いない。
――籠める思いはもちろん、
七夜 あおい
。ただ一人の女性について――
今、一人暮らしをしている自宅の玄関に足を入れれば、既に思考は彼女のことで満ち足りつつある。それが消えてしまう前、ほんの僅かでも失ってしまいそうになる前に、急いで一緒にもらってきたパステルカラーの小鉢に土を用意して、願いにも近い思いを無心に込めて、種を埋めて土を掛けた。
以前とは異なり、今は静かな一人暮らし。一人の時間に集中しやすいということは、この植物も時間を掛けてゆっくりと丁寧に面倒を見やすくなるだろう。以前と違って賑やかでこそないが、だからこそ得られる物も多いと実感する。
「えっと、この土の量なら……」
考えながらそっと水を土に注ぎ、今日はまだ春とは言い難くも暖かい陽光の差す日差しの窓辺に、種の植えられた小鉢を置く。
すると、その光景はまさに魔法のごとく、小鉢の中に緑の新芽が土を持ち上げぽんっと姿を表した。
「わ……っ、これは確かに――」
流石、二日で咲く花なだけはある。育てるのに時間が別の意味で無いというのも不思議な話だが、この短い時間でどれだけ想いを込められるだろうと、彰尋は慌てて思考を巡らせた。
ふと、花に水をあげる際に話しかけたり、褒める。そうすると花はとても美しく咲き誇ってくれるのだと――幼い頃から、憧れて見ていた舞台から降りた時の祖父や、その周囲の大人が優しく教えてくれたことを今でもしっかりと覚えている。
水の量はちょうど良さそうだ。ならば、と彰尋は今も少しずつ僅かながらに葉を伸ばしているような気がする、まだ蕾のない花と向き合った。
「どうか――綺麗に咲いて欲しい。その姿を魅せたい人がいるんだ」
彰尋の声は、静かに、そして何よりも真摯にその場へと響いた。
「その人は、もうすぐここから離れて遠くの街で暮らしていく……きっとこの先楽しい事ばかりじゃなくて、大変だったりくじけそうな事が起きるかもしれない。
けれど――ふと思い返して笑顔になったり、気持ちが切り替えられるような心に留まる思い出をまた一つ一緒に作りたいんだ」
声に、舞台とも日常とも異なる切なる熱が、想いが籠もる。
冷静に、けれども情熱の籠もった、相手を思いやり、その行く先までも守り助けになりたいと願う言葉。
それはひとえに、
君には笑顔が良く似合っているから。
この先の君がたくさん幸せそうな笑顔でいられるように。
――そこには、ただひたすらの、純然たる愛情の祈りがあった。
翌日、目を覚ますと、花は小鉢の中で大きめの、澄んだ薄桃掛かった紫という若干不思議な色合いの蕾を付けていた。
この花を見てもらえたらと、昨日の段階であおいには迷惑にならない程度に連絡を取った際、元気な彼女は興味津々そうな様子で、翌日の今日に一緒に花を見たいという話をしてくれていた。
せっかくならば、この花の種をくれたおばあさんにも見てもらいたいと思える可愛らしい花になったと思える。
だが、彰尋にとっても、この早さは予想外だった――このままだと、今日誰かに会う前に、花が咲いてしまうかも知れない。
「急がないと――」
慌てて携帯を取り、あおいに電話を掛ける。
すると、まるで待ちわびていたかのように、1コールであおいの声が聞こえてきた。
愛しい人の声は変わらない。それは日常のあり様としてとても嬉しい。数言返した後、花が思った以上に早く咲きそうである旨を伝えると、あおいも慌てた様子で現在の居場所を伝えてきてくれた。
「ああ、ごめんねっ。今ね、ちょっとだけお買い物と思って、参道商店街にいるのっ。今、ちょうど不思議なお店のおばあさんがお花の種をくれるって――」
「――! あおいさん、こちらからすぐに向かおうと思うんだ。
この花を、そのお店のおばあさんにも見せたいと思っていて――」
彰尋は通話しながら、この花の種もその人物から貰ったものであるという事などをあおいに説明して。彰尋の方から、小鉢と植物を傷めないように気を使いながら、今日もお店が出ているという参道商店街へ直接向かうことにした。
現地に向かうと、あおいがお店の前に立っており、恐らく彼女から話を聞いたのであろう彰尋が種を渡した老婆が、穏やかな笑顔で待っていた。
「お話を伺いまして……まさか、この老婆にその花を持ってきてくれる方がおられるとは思いもしませんでした……」
「はい、種を託しておられるなら、是非実物を見ていただきたいと――」
彰尋がそっと、植物を取り出す。それは、あおいと老婆を挟み、丁度ゆっくりと整ったスミレのような形の花を開かせる――
そして、その場の全員が目に留めた。
浮かび上がる幻想は、小鉢に対して非常に大きなものだった。
そこには、
女性が大きく抱える程ほどの、色とりどりに煌き輝く、まるで『光として見えるような祝福』を込めた花束を渡す彰尋と、
それを瞳に映して、顔を埋めそうなくらいな想いを受け取りながら、可愛らしい顔の表情いっぱいに『至福と呼ぶに相応しい幸福にあふれた』微笑みを浮かべるあおいの姿が――
「わぁ……っ」
そして、全ては光の中へ消えていった。あおいが、その瞳に一部始終を映して小さく感動の声を上げる。
「……『このような、微笑みを浮かべられるあなたであってほしい』――これが、人の想いの形でございましたならば。
この老婆、最後に素敵な物を見せていただきました……」
老婆は曲がった腰で、それでもあおいと彰尋に深く頭を垂れて店の中へと戻っていった。
声が聞こえた。
『宿願叶い、有難うございました』――と。
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担当ゲームマスター
斗々
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
動物・自然
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年03月29日
参加申し込みの期限
2024年04月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年04月05日 11時00分
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