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想いを伝える花
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【幸福と云う笑顔】
「もし、そこの御方」
ふわふわと、まるで自分が空気になったかような散歩中――ゆったりと参道商店街を歩く
倉前 七瀬
の傍らで。いつの間にか、そこにあったかも気づかない程に、まるで幽霊のような不思議な存在感の店がひとつ視界に映り込んでいた。
それはまるで、日常では見えないけれども一度目にすればずっと忘れられないような、そんな不思議な店。
まるでテントのような簡易な布張りのお店。しかし、その向こうにいる人物は、間違いなく見えないこちらに声を掛けているのが理解でき、七瀬は惹かれる興味をそのままに「……お邪魔します?」と、ゆっくりと店の入口に張られた布を持ち上げた。
そのお店が何であるのか、そもそもお店と呼んでよいものか。
しかも、そこで聞いた話の内容は非常に不思議なもので。
七瀬は気がつけば、手に乗る程度の純白の小鉢とそれにちょうど収まる程度の土。そして一粒の種を手に入れて店を出ていた。
『想いを咲かせる花』――そう告げていた老婆は、七瀬の帰り際も、静かに微笑み頭を下げていた。
そう思うと、洒落や冗談の類でもないのだろう。
それならば、きっと想い次第では素敵な花が咲くに違いない――
「それじゃあ、綺麗な花を咲かせられるように頑張りますか」
そうして、シーサイドタウンのマンションに戻って来た七瀬は、改めてテーブルに一揃い出した中から種を手にして考えた。
想いと言っても難しいものだ。世界など対象が大きくても散漫すぎて良くない気がする。
「……となると、一番に思い浮かぶのはウォルターさんだなあ」
ふと、まるで水面にひとつ落ちた水滴から広まる波紋のように、
ウォルター・B
の事が頭に湧き立った。
これからも、ずっと一緒にいてもらえたら。『七瀬』と呼んで、自分の傍で笑ってくれたなら――
想えば想うほど、その幸福に自然と七瀬の表情には柔らかな笑みが浮かんで消えずに重なっていく。
そんな想いを込めながら、土に埋めて上から水を掛ける。
すると、その想いの強さに呼応するように、ゆっくりと土が持ち上がり僅かな緑が顔を見せたではないか。
「おお、早いですね」
驚きが勝るが、二日で咲く花なのだとも聞いていた。だとしたらこの成長速度も不思議ではないのかも知れない。
「そういえば……」
少しずつ緑の面積が増えていく気がする小鉢を目にしながら考える。
植物に名前をつけて、愛着を込めるのはとても良いことだと、無差別に読んで来た園芸本の中でそんな記述があった気がする。七瀬は瞑目しその内容を思い出してから、ゆっくりと瞳を開いてまだ名もなき植物を凝視した。
「名前をつけてあげましょう。ええと……」
――まだ、どのような種類の花が咲くかすら分からないけれども。だが、それをある程度決められるのであれば、想いをそのまま名前にするのが一番だ。
「『咲』とかいて『えみ』にしましょう。……人を笑顔にする花を咲かせられるように。
『咲』、元気に育ってくださいね」
七瀬がそう告げると、植物は――『咲』はさっそく一人のひとの心を笑顔にして、小さな双葉をぽんと咲かせてみせた。
植物が、見る間に育っていく二日目。
七瀬の日課である散歩に『咲』も一緒に連れて歩くことにした。
そう遠くなく、花が咲きそうな雰囲気を見せる蕾がつき始めたが、せっかくならば陽の光にも当たって『咲』にもその暖かさを知ってほしいと思ったのだ。
小鉢程度であれば、持って歩いても目立つものではない。七瀬は最初に種をもらった時のようにふわふわと歩く。
そして、蕾が膨らむのを見てまた微笑む。どのような花が咲くのか、ウォルターへの自身の想いが形になるのは、非常に待ち遠しい。
――そのような事を思いながら歩いていて、日差しがオレンジの斜陽にさしかかるころ、公園の東屋に座りぼんやりとしていた七瀬の前で、ひとつの奇跡が歩みを進めてきた。
「おやぁ、やっぱり。やぁ、七瀬」
「ウォルターさん」
目の前には、軽いスポーツウェアに身を包んだウォルターの姿があった。おそらくランニングの途中なのであろうウォルターが、不思議そうに七瀬と夕暮れのオレンジに染まる『咲』を目に止める。
「ウォルターさん、奇遇ですねぇ」
「うん、七瀬はこんな所で何をしているのかなぁ?」
「僕は散歩の休憩中。この子は『咲』です。
そろそろ花が開きそうなので、ウォルターさんも見ていきませんか?」
「咲……そうか名前がついているんだねぇ。大した時間は取れないけれど、本当に今にも花咲そうだし見ていこうかなぁ」
そう告げたウォルターが東屋の七瀬の隣に座り、二人でテーブルの上に置かれた緑の茎葉がいきいきと伸びる小鉢を目に留めて、その瞬間を待つ事にした。
「あ、もう咲きますね」
「成長が凄く早いねぇ。おぉ、」
――蕾が開く。それは夕暮れの橙の光に照らされても、なお純白だと分かる、鷺草を思わせるような、鳥が羽を広げる白い花。
そして、七瀬には思いもよらなかった。これが『想いが形として咲く花』という、その言葉の意味――
二人の前に幻影ながらにくっきりと浮かび上がったのは、
微笑むウォルターに、幸せそうに頭を撫でられている七瀬の姿だった。
それを目の当たりにしたウォルターが不思議そうに首を傾げる。
「……これは、どんな花なんだろうねぇ?」
「あ……そ、それが……。僕も、想いが咲く花としか聞いていなくて」
想いが咲く花とは聞いていた。しかし、ここまではっきりと映像化されるなどとは聞いていなかったのだ。
困惑を隠せないでいる七瀬を前に、ウォルターはしばし口元に手を当てて考える。
「……なるほど? 想いが咲いて、それでこれかぁ。面白い花だねぇ」
そして――そう告げたウォルターは、嬉しそうに七瀬に笑顔を向けると、まるで映像の再現のように、こちらの頭をぐしぐしと力強い手のひらで撫で始めた。
それは本当に、深い親愛に溢れた手で。
「君も、ね。この程度の事でいいなら幾らでも言えばいいのに」
そろそろ夕暮れから星が見え始め宵闇に入る時間に、七瀬が目にするその笑顔。
『咲(えみ)』と名付けられた花は、その瞬間、確かに付けられた名前のとおり、一人のひとを笑顔にする事が出来たのだ――
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担当ゲームマスター
斗々
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
動物・自然
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年03月29日
参加申し込みの期限
2024年04月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年04月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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