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想いを伝える花
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【Flower of the Future】
学校も早くに終わった、二月にしては柔らかな日差しのお昼すぎ。先ほどから、
梓 智依子
は手の中にある向日葵の種を彷彿とさせる、一粒の植物の種子と向き合っていた。
これをもらったのはつい先日のこと。
入学から今も温かい寝子島高校の放課後、祖父母の助力を得て学生とシングルマザーを兼ねる智依子は、学校帰りに愛しい娘の楓を幼稚園へ迎えに行く途中、頼まれていた買い物のために参道商店街を訪れていた。
いつ訪れてもほくほくとした商店街の人たちの穏やかさを感じるこの通りで、いつもと同じように買い物を済ませた時、ふと、
「もし、」
と、こちらを呼ぶ小さな声を聞き。そちらを見れば、いつも幼稚園に行く途中通る路地裏に、ひとつの見慣れぬ布張りのテントに近い小さな店がひとつ。
その店の前に立つしょぼくれた、それでも悪い印象のない老婆の手招きに誘われて露店に向かうと、フードで半分顔の見えない相手は親しみある微笑と共に、まるで智依子に託すように、この一粒の種を渡してきたのだ。
――曰く、これは『二日で花開く、霊界で咲くもの』の種だと言う。
種であるのならば、それは植物であり。『咲く』のであれば、それは花であるのだろう、と。
種を見つめ、しばらく考えた末。智依子はそう納得して、種をしまい本日も可愛い楓を迎えに幼稚園へと足を運ぶ事にしたのであった。
そして今――智依子は、お世話になっている家の祖父母の許可を得て、こちらに植物を増やすならばどこだろうと考えながら、庭に出てゆっくりと辺りを見渡した。
庭で、智依子が種をくれた老婆の話を思い出していると、下の方から元気で明るい声が聞こえて来た。
「ママー、ちゃんと手洗いうがいできたよー! ……それなぁに?」
声の方を見ると、元気にこちらの体に抱きついてきた、まだまだ小さな楓が不思議そうに智依子の手を見ているところだった。
「これはお花の種だよ、これに願いや思いを込めて土に埋めるといいことがあるらしいよ。どんなお花が咲くか分からないけれども、楓はお花見たい所とかある?」
「それじゃあねぇ、ここー!」
楓が指をさした所は、今丁度日当たりが良く地面を照らし出していた。
智依子は、さっそくそこに小さな穴を掘り種を植えながら、老婆から聞いていた言葉を反芻するように思い出していた。
これは、思いや願いを込めれば『花と共にそれも咲く』のだと。
しかし、それがどのようなものかは智依子自身にもよく分からず、ここはと素直に楓へ問いかけることにした。
「楓は、未来にどんな事があったら嬉しい?」
「んーと……ママとずーっと一緒にいることーっ」
そう答えた、智依子を見つめる楓の目は眩しいまでにきらきら輝いている。
嘘偽りのない、本当のことしか言っていない事が分かる瞳。
智依子は一瞬眼を丸くしてから、それからふわりと楓に微笑みかけた。自分も己の『想い』について考え、土の中の種へと届けるように心に馳せる。
今ならば分かる。自分は、娘に――『楓に出会いたかった』のだと。
こうして、温かく自分の傍らにいてくれる楓。今も、目の前で無邪気かつ希望に満ちた眼差しで「どんなおはなさくのかなー」と種を植えた地面を見つめている愛おしい程に可愛い娘。
この子が大きくなったなら、どんな子になるのだろう――
そこまで思いを馳せた瞬間、
なんと、ぽんっとまるで音でも立てるかのように、種を植えた地面の土を持ち上げて、緑の若芽が姿を表した。
「え? こんなに早く芽が出るなんて……お水あげないといけないね」
これは特別な種だと分かっていたものの、この成長速度には驚くばかりだ。
「ママー、お水あげていい?」
こてんと首を傾げた楓が問い掛けてくる。
「うん、こんなに伸びると土が乾いちゃうのも早いだろうから――」
そう言いながら智依子がジョウロに水を重くない程度に入れてあげて渡すと、楓はそれを喜びながら細やかな水玉を零して地面を濡らし始めた。
「早く大きくなぁれー」
ぱたぱたと地面に落ちる光に反射するじょうろの水と同じだけ輝く楓の瞳。
智依子はそれを心から温かく見守り続けたのだった。
――翌朝。
「ママー! おはなさきそう!」
朝食の準備をしていた智依子は、楓の言葉に驚きながら一緒に庭へと足を運んだ。
種を受け取ってから丸二日。二人で、確かに昨日は新芽であったはずの植物を囲んで見つめ続けると、ふっくらと膨らんだ蕾が綻んでいくのをじっと見つめて。
そこから広がる花びらは、薄水色のガーベラのような花のようだ。そして、花の上に、もうひとつ――隠された蕾の中から現れるように広がったのは、
「え?」
幻想に映し出されたのは一人の中学生程度の少女がストリートダンスを地面と空に刻む姿。
「わあ、このおねえちゃんおどるのすごい!」
「……」
楓は気づいていない、だが智依子ならば……『母』であれば分かる。
――これは、他でもない成長した楓の姿だ、と。
そして、今幻想の中で描かれている楓の伸びやかな手足は、動きは、
間違いなく自分――『ChiCoと呼ばれた伝説』を下敷きにしたオマージュであることを。
「――」
「ママ、どうしたの? おなかいたいの?」
「……ううん、なんでもないよ」
智依子の目頭が、じんわりと、見る間に涙が零れかねないくらいに熱くなっていく。
それはそうであろう。
もしも、これが本当に楓と一緒に考えた想いの形ならば、
本当に、自分が楓に出逢えた事は、紛れもない運命だったのだから――
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
斗々
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
動物・自然
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年03月29日
参加申し込みの期限
2024年04月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年04月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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