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想いを伝える花
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【Wedding bells】
旧市街にある公園の東屋にて。
綾辻 綾花
と
早川 珪
は二人並んで座りながら、互いの目の前にある植物の種を見つめていた。
不思議な老人から綺麗な陶器の器と、元気そうな土と共に受け取ったものだが、これを植えると、『花と共に願いや想いまでもが幻想として咲く植物』であるらしい。
「何を願いますか?」
「そうだね、改めてとなると悩んでしまうかな……」
口元に手を当てて、考え込む仕草を見せた珪の傍らで、綾花は即座に思い詰めたように目を細めた。
「決めました。……私は珪さんとの未来を願って植えたいです」
「うん……? どんなお願いだろう?」
「ふふ、内緒です。
そうだ、珪さんも咲きそうになったら教えてくださいね。私も見せに来ますから」
「うん、そうだね。そうしようか」
珪も秘密ではあるが、花に掛ける願いや想いは決まっているらしい。
お互いに、どんな未来かは内緒。
素敵なものであれば良いなと、自然と胸は高まってしまうのは当然で。むしろそれは、酷く当たり前だと言えるだろう。
――二人は、教え子と教師ではあるが、心には、既に幸せが決まっているのだから。
夕方、猫鳴館へと戻ってきた綾花は、テーブルの上に置いた小鉢に地面が濡れる程度の水を上げながら声を掛けた。
「どんな花が咲くのかな?」
興味深く楽しげに綾花が見つめる傍らで、綾花の部屋を中心居住区としている猫たちも興味津々で、鉢植えの小鉢の回りをグルグルと観察している様子が窺えた。
「あ……これは吊るしておいた方が良さそうですね」
綾花はその様子を目にすると、紐を用意し、天井から鉢植えの中身が見える位置にぶら下げた。
「元気に育ってね」
微笑ましくて、思わずその思いがこぼれ落ちるように言葉となって現れる。
夕暮れすぎの夕食前。今頃は、珪も自分と同じように種に水をあげているのかも知れないと思うと、何だかこの上なく嬉しくて。
二人でひとつの同じこと。不思議と胸の奥がくすぐったくて仕方がなかった。同時にこの上なく、幸せで温かく――
「珪さんの花はどのようなものが咲くのでしょうか……?」
どの様な種類の花の種か。話を聞いた限り、恐らく想いまで反映されてしまうそれは、決められてはいないのだろう。
だとしたら、同じ花が咲く可能性も、珪なりの想いが込められた花となる可能性もある。
――どちらにしても、今、同じことを同じ目的のためにやっているのかも知れない……それが、綾花には心温かく、そして嬉し楽しくも感じられて仕方がないのだ。
寮の夕食を済ませ戻って来ると綾花の目には、既に緑の新鮮な葉と、小さな蕾らしき物が飛び込んできた。
これならば、本当に明日には花が咲きそうだ。綾花はその成長ぶりに僅かな緊張感を伴いながら、ベッドへと眠りにつくことにした。
朝、目を覚ますと、視界に入る天井から吊り下げられた小鉢からは、花こそ開いてはいないものの、蕾まで付いたかなり成長している植物の姿が見えた。
「よかった、今日も元気そう。でも、本当にすぐ咲いてしまいそう……珪さんに連絡しないと」
今日も学校は休み。
珪に連絡を入れて、綾花が向かったのは種を植えた公園の東屋だ。本当は、珪のアパートに直接押し掛けたかったのだが、教師と教え子の関係である以上は無闇には好ましくないと我慢する。
その辺りは綾花が卒業するまでの辛抱だ。綾花は己のもどかしさに少し切なさを感じるも、無事東屋での珪との合流に成功した。
「珪さん、花が咲きそうです」
「そうだね、僕の方も咲きそうだったから、今にも――ああ、綾辻さんの花の蕾の方が先に咲きそうだ」
綾花の持ってきていた花の蕾が開き始める。心の愛情を示すかのような深い紅桃色のカーネーションのような花が咲くと同時に、花の上に二人の人影のビジョンが浮かび上がった。
純白の花畑の中。美しく咲き誇る花々に包まれて、幸福とともに涙を零すウェディングドレスに身を包む大人になった綾花と、そちらを優しくも愛しく見つめている白のタキシードに身を包んだ珪の姿。
遠くから、祝福の鐘の音が聞こえてくる。地面を滑る風が白花の花弁を巻き上げると共に、二人はそれに後押しされるように、そっと、それでも力強く抱きしめ合う――そのような、光景が。
その一部始終を共に見た珪が恥ずかしそうに、僅かに顔を伏せた。
「……これが」
「はい。憧れる未来です」
どこか照れた様子の珪とは対照的に、綾花ははっきりと頷いた。少し、恥ずかしくないかと言えば嘘になるが、
これは臆せず、これからも、ずっと一緒にいたい――そう願えばこそ見られた光景なのだから。
「あ、珪さんの方の花も――」
珪の小鉢から咲いた花も、ふうわりと、何かを隠すように無数に重なった薄橙色の花弁が開き始める。
するとそこには、少し大人になって成長した綾花と、珪が並んで外の暗い夕食の台所に立っている姿だった。
珪の声が聞こえる「今日『は』何を作ろうか?」と――
「――!」
その言葉は、ずっとその光景を繰り返して来た事が前提のものだった。
二人だけでの夕食を、緊張せずに微笑み合いながら作っていける、そんな幸せを繰り返すような光景がそこにはあったのだ。
「……一緒にお料理」
「こ、これは――思った以上に恥ずかしいな……っ」
「珪さん、あの……嬉しいです」
「――!」
どちらも、大人になった綾花が前提で、どちらもずっと居ることを願った結果。これが、大好きな人相手であれば、これ以上の幸せなど何処にあるのか。
そして、幻想を見せ終えた花と小鉢は、その役目を終えたかのように、全てが光の粒子となって姿を消した。
「形には、残らないのか」
「全部、消えてしまうのは寂しいですね……」
二人は消えゆく光の粒子を見送って。そして綾花は小さな決意と共に告げた。
「珪さん、次は――同じ種を一緒に育ててみたいです。幻想のままで、終わらないように」
「――そうだね」
綾花の言葉に、そう答えた珪は穏やかに、静かに微笑んでいた。
本当に、たとえゆっくりとした未来の先であっても。
その想いも決意も交えた未来を、心から待ちわびるように――
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担当ゲームマスター
斗々
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
動物・自然
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年03月29日
参加申し込みの期限
2024年04月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年04月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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