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【進路・合格発表】寝子島に、サクラ咲くころ
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◆絢の選択
木天蓼大学の合格発表からしばらく日が過ぎ、カレンダーは3月になっていた。
青山 絢
は従姉妹と暮らすシーサイドタウンのマンションの居間で、スマホを手に時計を見つめる。
女優を志す絢は、木天蓼大学芸術学部演劇学科、早稲畑大学文学部演劇映像コース、扶桑大学芸術学部演劇学科の三校を受験した。既にマタ大と早稲畑は結果が出ており、いずれも合格。手ごたえがあったマタ大はともかく、早稲畑は駄目かなと思っていた分、合格と知ったときは嬉しかった。
残るは扶桑大の芸術学部だ。
結果はあと十分ほどで、スマホで確認できるようになる。
絢はそのときを待っているのだった。
「大丈夫よ、絢ちゃん」
水谷 真優理
が温かいハーブティをテーブルに置く。
絢はカップを両手でくるんで真優理に微笑んだ。
「ありがと真優理さん。早稲畑やマタ大の時よりは緊張してないよ」
「私も、マタ大の合格発表の時みたいには大騒ぎしないからね?」
真優理がバツの悪そうに頬を赤らめるのには訳がある。
2月下旬のマタ大の合格発表の日、絢は真優理といっしょに本校へ発表を見に行っていた。
早稲畑受かったんだからマタ大は絶対に大丈夫よ、なんて余裕そうな顔をしていた真優理だったが、いざ絢の番号を見つけると本人より大はしゃぎして、飛び跳ねたり絢と抱き合ったり。興奮冷めやらぬまま、きゃあきゃあ言いながら掲示板の前で二人で写真撮影をしていたら、マッチョなラグビー部員たちに囲まれて、あれよあれよという間に宙を舞う羽目になったのだ。
「あのときはびっくりしたわね」
「真優理さんがあんまりはしゃぐから、一浪して受かったと思われたのよ」
「つまり私は20歳前後に見えるって!? やったー!」
喜んでどうする、と絢はため息を吐く。
ちなみに真優理は絢より一回り以上年上。三十代女子は若く見られることに敏感なのだ!
「……とそんなこと話してる場合じゃないわね。時間よ、絢ちゃん」
絢は頷き、扶桑大の合否照会システムにアクセスする。
「受験番号と誕生月日を入力して……」
ローディングのアイコンがくるくると回る。数秒ではあるが、この時間はやはり緊張する。
ごくり、と絢が生唾を飲み込んだそのとき、画面に結果が表示された。
「合格……」
「ほんと、絢ちゃん? 見せて!」
真優理が絢のスマホを覗き込む。
シンプルな白い画面の中に、シンプルな黒のゴシック体で二文字。
間違いなく、『合格』だ。
絢はほうっと肩の力を抜いた。
「これで受験は全部終わったわ……」
気が抜けた、とはこのことだろう。
絢は笑うでも泣くなくでもなく、背もたれに肩を預けて呆けている。
そんな絢を真優理は心から労った。
「絢ちゃん、お疲れさまでした」
(これで四月から絢ちゃんの新たなステージが始まるんだわ)
はじめは親代わりとして――いまでは恋人として――絢と暮らしてきた真優理にとって、それは心から嬉しく、少し寂しいことでもあった。
絢の父は高名な写真家であったが母の死後すぐアシスタントの女性と再婚した。思春期だった絢がそのことを簡単に受け入れられるはずもなく、絢は寝子島に移り、従姉妹の真優理と一緒に暮らすことになった。
絢には父譲りの写真の腕もある。
だからもし、母が生きていたら、写真の道に進んでいたかもしれない。
写真家ではなく女優を目指すことになったのは父へのわだかまりも影響しているからであったが、人生万事塞翁が馬……不運に思えたことが幸運につながることなんか、人生にはいくらでもある。
絢はぴしゃぴしゃと頬を叩いて自分を取り戻すと言った。
「合格したのはいいけれど、安心してもいられないわね。今度はどの大学に入るかを決めなきゃいけない」
早稲畑や扶桑大に入るにしてもマタ大に入るにしても、入学金の支払いやその他諸々の準備がある。
父にも連絡しなければ。親密とは言えない父だが、費用は払うと言っていた。
「どの道を歩むにしても、それは絢ちゃんだけの道よ」
真優理はそれだけ言って、絢の決断を待つ。
「女優としての活動を広げるという点なら東京の方がいいに決まってる……」
絢はそう独り言ちる。
(もし絢ちゃんが私の元を離れて、東京で暮らすと決めたのなら、その時は私は喜んで送りだそう)
真優理は最初からそう覚悟を決めていた。
扶桑大学芸術学部は多くの映画監督や俳優を輩出している名門だ。
絢の刺激になることは間違いないだろう。
絢は扶桑大を選ぶような気が、真優理はしていた。
(そのときは少し寂しいけれど、でも私たちは心でつながっているからね)
「真優理さん」
絢は深呼吸をし、姿勢を正した。
「はい」
真優理もまっすぐに絢に向き合う。
「今までお世話になりました」
頭を下げる絢に、別れの予感を感じ、胸がぎゅっと掴まれるような心地になる。
だが顔をあげた絢は、微笑んでこういった。
「……また次の4年間、改めてよろしくお願いします」
真優理は息を呑んだ。
「え、絢ちゃん、それって……」
「私、マタ大に進学します」
信じられない思いで見開いた真優理の瞳が、みるみる涙で潤んでゆく。
「……こちらこそ」
言葉が詰まる。
どこにも行かない、ここにいると言ったのだ。絢は。
「……こちらこそよろしくね、絢ちゃん」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
前回シナリオ
【進路・受験】君等の道、未来のために
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
30人
参加キャラクター数
25人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年03月31日
参加申し込みの期限
2024年04月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年04月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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