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二月の魔法は春を呼ぶ
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寮の自室、ベッドから起き上がって正面の壁貼りカレンダーは、大怪獣ゴアラと守護神ゴングの両雄が突進してくるという痛快至極な構図だ。だがしかしこれはもっぱらポスターに近いファンアイテムであり、一枚に一年分の日付がぎっしり掲載されているせいもあって正直実用には適さない。
だから
佐藤 英二
がカレンダーといってまず思いつくのはデスクの上、商店街でもらった月めくり卓上カレンダーだったりする。くじ引きの景品、といっても五等ティッシュのひとつ上程度のものにすぎない。だが文字が大きくて寝子島特有のイベントや商店街売り出し日の記載もあるから、案外重宝していたりする。毎月の写真も商店街の風景を切り取っただけのものだが、案外おしゃれでその場所に行ってみたくもなるのだ。なお今月は、風情豊かな古書カフェの写真だった。
さて今月のカレンダーである。二月十四日に『バレンタインデー』の記載があるのはまあ平凡な話だ。全国どこのカレンダーでも同様だろう。ところが翌十五日から月末までは、『デートウィーク』とあるのはさすが寝子島のカレンダーというほかない。(正しくは『ここからデートウィーク』『ここまでデートウィーク』と桃色で書かれている) 確たる伝承も起源もなく、自然発生してクチコミでひろがったごくローカルな通称が、いつの間にか公式っぽくなっているわけだ。島のこういうところ、英二は好きだ。
デートウィークかあ――。
ちょうどデスクに座っていた英二は、椅子の背にうーんと反り返って天井を見上げた。
もう二年前になるんだよね。
人生初のデート。
相手は、野々さん。
思い切ってバレンタインのとき声をかけたんだった。チョコのお礼として、今度どこかに一緒に食事に行けたらって誘ったんだ。いわゆる義理チョコだったんだろうけど、僕にとっては特別なチョコになったから。
でもデートって言葉は使わなかった。変に意識させたくなかったから……っていうのは当時の自分の言い訳で、要は僕が臆病だったってこと。
けれど当日、待ち合わせ場所にやってきた野々さんは、
「デートらしい服装ってこういうのじゃない?」
って言ってくれた。
もちろんそのあと、
「デートってお昼に牛丼食べることでしょ?」
っていうオチがつくんだけどね。デー牛丼の略なんだって、本気でそう信じてたみたい。いや、いまも信じてる?
けどいいんだ。
あれから僕たち、デートならぬお出かけに何度もふたりで行ったから。
かつて、ののこを誘うとき英二には、毎回その時点で保有するすべての勇気を総動員する必要があった。メールを打つ手がプルプル震えて、電話かける声もハチドリの羽みたくビブラートしっぱなしだった。けれど形態がNYAINに変わってからは、スタンプの力を借りられるおかげでいくらか楽になったし、ののこからも
「どっかいこー」
とメッセージが舞いこむようにもなったし、ごく自然に声をかけられるようになってきた。
でもあいかわらず毎回、『野々さんと一緒に遊びに行くだけでデートじゃないから』って自分に言い訳してるよね、僕。
もしかしたらデートを否定することで、気持ちを落ち着けていたのかもしれない。
だけど今日は!
英二は反り返した背をまっすぐに戻した。卓上カレンダーをもう一度チェックする。
デートウィークなんだ。いわば大義名分がある状態、野々さんには堂々と声をかけよう。
それも電話やNYAIN越しじゃなくて、直接。
とっくに登校義務はないのだが、制服に袖を通して英二は自室を後にした。
期待通りだった。
通学路の途中で英二は
野々 ののこ
の背中を見つけた。
「野々さん」
声をかけ小走りで追いつく。
「ほーい。英二くんおはよー」
今朝も通学路を多数の寝子高生が歩いている。だが三年生の姿はない。すくなくとも周囲にはゼロだった。三年生はずっと自由登校、たいていの大学受験日程は終わったから、まだ三次募集や追加募集で例外的に受験日が残っている生徒をのぞいては学校に出る理由はない。放課後の部活に顔を出す三年生もいるかもしれないが、朝から行く必要はないはずだ。
「おはよう。野々さん今日は学校行くの?」
「そだよ。まーなんとなく、って感じかな。行っても特にすることないんだけどね。残り少ない高校生活をちみちみっと味わっとくか、くらいの気持ちで」歯を見せてののこは笑った。「英二くんもそうだよね?」
いつもの英二なら、「そうなんだよ」と認めて別の話題にうつったことだろう。けれど今日はちがう。
「いや、僕は野々さんに会いたくて出たんだ。学校なら見つかるかなって思って」
「ほえ? 私に?」
「うん」
「メッセージでも送ればすむのに」
「直接言いたくて」
「ほう」
ののこは、英二の言葉をまつべく顔をむけた。
野々さんが見てる――。
急に状況が意識され、英二は手のひらに汗をかいた。
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年03月17日
参加申し込みの期限
2024年03月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年03月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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