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肉体を抜け出し、夜の世界へ
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稲積 柚春
は眠っている自分を眺める。
――これって幽体離脱なのかな。ちゃんと戻れるよね?
目で問い掛けて自分に触れようとした。その手はあっさりと通り抜けて何の手応えもなかった。何回か試したあと、諦めたように息を吐いた。
――じっとしていても解決しないような……ワットはどうなっているのかな。よく不思議なことに巻き込まれるから、もしかして今回も……。
柚春は唇をキュッと結び、部屋の壁を突き抜けて外へ飛び出していった。
「ウソみたい!」
柚春はパジャマ姿で宙を舞う。軽く跳んだつもりが夜の空へ投げ込まれ、クルクルと回転しながら上昇した。両手を使ってバランスを取り、ようやく立ち姿となった。
最高の展望台から眺める寝子島の夜景にうっとりと目を細めた。
――ネオンが星のように輝いて、こんなに神秘的に見えるなんて。
半ば呆けたようになり、慌てて頭を振った。
――それよりもワットだよ。早く家に行かないと。
緩やかに降下する状態を待てず、手足を使って泳ぐように速度を上げた。
見つけた適当な店舗を踏んで加減して跳んだ。三回の跳躍で星ヶ丘の閑静な住宅街に入った。
そこで声を掛けられた。
「稲積も私と同じなんだね」
「え、先輩も!」
目を向けた先にジャージ姿の女子が宙に浮かびながら苦笑いをしていた。
「急いでいたようだけど、行く当てがあるの?」
「えっと、恩師の先生に感謝を伝えたいなって」
「わかるよ、その気持ち。声は届かなくても想いが届くと、思いたいよね。私も、そうだな。感謝だけでも伝えに行くよ」
先輩は笑顔でシーサイドタウンへ向かった。
柚春は柔和な顔で見送った。
――びっくりした。この姿で声を掛けられるなんて全く思わなかったよ。でも、上手く誤魔化せたみたいでホッとした。
宙で向きを変えた柚春は緩やかに進み、眼下にある一戸建てに足から降りてゆく。
屋根を難なく、すり抜けると部屋で
ウォルター・B
が立ち尽くしていた。大きなテディベアに身を寄せるようにして瓜二つの自分が眠っていた。
「生霊になったみたいでねぇ」
のんびりした調子に驚きや悲観は含まれていなかった。そこに柚春が声を掛ける。
「ワットも幽体離脱したんだね」
「こんばんは、稲積」
青い目は天井から現れた柚春に向けられた。
無事に着地した柚春は不満げな顔でウォルターの全身に目をやる。
「イギリス人の大半は寝る時、全裸って聞いたんだけど」
「日本の冬は寒いからねぇ。ただ、その習慣を完全に忘れるのは難しいから下着は付けていないよ」
ウォルターは寝間着姿で微笑む。
「そうなんだね」
「全裸の方がよかったかな」
「そんなこと、別に思ってないし。その姿も新鮮で、好き」
「ありがとう。稲積のパジャマ姿も可愛いよ」
ウォルターは柚春に優しい眼差しを送る。
「ワット、僕ね……」
「ん、言ってみて」
二人の距離が近くなる。その中、柚春は横目で寝ているウォルターを見つめた。
――本当に眠っているのかな。このまま元の肉体に戻れないと、死んじゃうかもしれないってことはないよね?
そんな不安が胸に過る。同時に今、出来ることを想像する。
――ここは学校じゃないし、今は生身でもない。先生と生徒の垣根を超えるなら今しかないよね。
ウォルターは黙り込む柚春の対処に困ったように苦笑いを浮かべた。
「ワットはこのまま」
「ウォルターセンセー、こんばんはーって、マジで!?」
横壁を突き抜けてきた
八十八旗 信彦
は驚きで後ずさる。
「お邪魔するね」
やや遅れて同じように
響 タルト
が現れた。先に来ていた柚春を見て、このシチュは、とにんまりした。
「今晩は思いもしない客が多いよねぇ」
「先輩達は、どうしてここに?」
柚春は二人を交互に見て言った。
「センセーだけでなく、柚春ちゃんまで帰らぬ人になったとは」
信彦は目頭を揉むとウォルターに向かって敬礼した。
「センセー、遅いかもしれないけど聞いてください!」
「なにかなぁ」
「センセーのチョークのおかげで英語の授業を寝ないで受けることができました。苦手な英語を克服できるように勉強を頑張っています。した、かな。それもこれもセンセーが根気よく俺を起こしてくれたおかげだと思っています、した。今までありがとうございました!」
「チャラ彦くんにしては熱血だね」
タルトは笑顔で拍手を送る。選挙演説のように信彦は、ありがとう、の言葉を繰り返した。
感謝の言葉を受けたウォルターは微笑して腕を組んだ。傍らで見ていた柚春はしんみりした表情となった。
――八十八旗先輩の感謝の言葉を聞いていると、なんか、卒業式の答辞みたいに思える。もうすぐの話だから、かもしれないけど。でも、本当にこのまま身体に戻れなかったら、亡くなったりするのかな。嫌だな、それは。ワットに告白したけど、まだ付き合ってる状態じゃないし。
タルトに視線を移す。陽気な様子で死を全く感じさせなかった。
じっと見ていると目が合った。
「あ、もしかして僕達、本当の意味でお邪魔した?」
「そんなこと、ないです、けど。このまま元に戻れないと、どうなるのかなって」
不安を滲ませる柚春にタルトは笑顔で急接近した。耳元に口を寄せると小声で言った。
「元の身体が呼吸をしていたから元に戻れるよ。チャラ彦くんはそう思ってないから、僕なりに楽しんで行動してるんだけどね」
「そうなんですか」
「だから気楽にね。それと二人で夜を楽しんで」
タルトはパッと離れると信彦の腕を掴み、お邪魔しましたー、と跳び上がって天井を突き抜けた。
ウォルターは視線を上げて、なんだろうねぇ、と穏やかな顔で呟いた。数秒で柚春に目を戻して真顔で問い掛ける。
「話の続きを聞かせて貰えるかい」
「……今を後悔しないように、ギュッとして」
柚春は両腕を広げた。恥ずかしさが募り、顔を横に向けた。
「このことは、ここだけの秘密だよ」
「うん、わかった」
そして二人の想いが重なる。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
動物・自然
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年03月05日
参加申し込みの期限
2024年03月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年03月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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