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冬の季語ってたくさんあるから
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【冬の月】
「おお、これが例のバイクかー!」
まるで山盛り特盛りの宝石を見つけたかのように、
桜井 ラッセル
の瞳はかがやきました。きらきらきらりっ、てなものです。お隣では
晴月
もほあ~っと呆けた顔をして見つめております。
どるんどるんとうなるエンジン、颯爽またがる
海道 千里
の堂々たるこの姿。なんと絵になることでしょう。
「千、ほんとにバイク乗れたんだな……」
「ウソついてどーすんだ。バイクでもなきゃ、こんな頻繁に寝子島来れねーだろ」
「いやあ、なんか信じらんなくてな」
同じ学生なのに普通二輪免許を持っているのって、ちょっとオトナなカンジです。こう見えて臆病なところもあったりするラッセルには、どこか遠い世界の話にも思えてしまったりして。けれど現実として目の前にブルーの艶めくバイクが熱を発し、千里が慣れた様子でヘルメットを脱いで、ふわりと風になびく明るい髪色が覗いたりするのを目の当たりにすると、なんだかどきどきしてしまいます。
「千里、かっこいいねー!」
「ふっ。だろー? まあこいつは兄貴のお古なんだけどな。今度は新車を買ってくれるっていうから、そうしたらもっとかっこよくなるぞ」
「しんしゃ? すごいねー」
「ふふん。だろー?」
ヘルメット姿が新鮮だからか、よくわからないまま喜んでいる晴月へ、ぱっちりウィンクをとばす親友にはちょっぴりむむむっと眉を寄せつつ。
「なあこれ、2人乗りできるんだろ? 乗せてくれよ」
「おう、もちろん。後ろに乗れよ」
ラッセルも手渡されたヘルメットをかぶり、青いバイクの後部座席へまたがると、さっそくぶおん!
「うおー、すげースピード!」
真正面からぶち当たる風を切り裂くように走るバイクの疾走感。いつも乗っている自転車はもちろん、ろっこんで鳥に変身し空を飛ぶのとはまた違った爽快感です。気持ちいい!
ぐるっとそこらを一周して戻ると、晴月がわくわくいっぱいの顔で待ちわびておりました。
「次、わたし! わたしも乗る!」
「おー乗れ乗れ、いっしょに風になろうぜ!」
「えっ。晴月と千里がふたり乗り……?」
まーそういう流れになるのは必然というものでしょうけれど、ラッセルはなんとなーく、もやっ。
思わずすがるように千里を見つめると、
「おまっ、ニヤニヤしやがって、千!」
「残念だったなーラッセル、悔しかったらお前も免許取れよ!」
「ラッセル! いってきまーす!」
ぶおおおおん。軽やかに走り出すバイク、風になびく緑の髪をくやしげ~にながめてラッセル、思わずつぶやくのでした。
「俺も免許、とろっかな……」
しばしふたり乗りを楽しみ、千里とバイクのかっこいいショットを撮影したりして遊んでいたら、
「あっ、見てみてワット、フードトラック! キューバサンドだって、美味しそう~」
「というか、そこに見知った顔があるよねぇ」
ふたりで散歩中、
稲積 柚春
と
ウォルター先生
がやってきて、三人を見つけました。
指さしているのは、路肩に停車して営業中のフードトラックです。いつのまにやってきたのか、気がつけばちょっとした行列ができていたりしました。
柚春が手を振り駆け寄って、
「こんにちは、晴月ちゃん! って桜井先輩、バイクの免許取ったの!?」
「よー稲積! このバイクは千里のだよ。俺もちょっと、免許取ろうかなって思い始めたけど……」
せっかくなので、というかあんまりいい匂いでちょっともうたまらないので、フードトラックのメニューで少し休憩しつつおしゃべりすることにします。一番の売りであるらしいキューバサンドに香ばしい鳥のからあげ、クレープはフード系からデザート系まで選択肢も豊富です。
「おいしい!」
ラッセルに買ってもらったクレープをほおばり、晴月は満面の笑み。柚春はその口もとについたクリームを拭ってやり、これは桜井先輩の役目じゃないのかな? なんて思いつつ。
「男の子たちはバイクに夢中だね。晴月さんも乗せてもらったの?」
「うん、乗った! 早くて楽しい!」
「でもやっぱり、桜井先輩といっしょに乗りたいよね。早く免許取ったらいいのに」
「ラッセルといっしょに?」
「うん、だってほら。くっついて乗れるし。走ってる間ずっと、ぎゅーってしてられるよ」
「……それはみりょくてき、だね?」
ぽわわんとふたり乗りを想像しているらしい晴月のきらきらおめめに、柚春はほっこりしながらキューバサンドをはむっ。
「へえ、いいバイクだねぇ。よく手入れされてる」
「うっす。兄貴のお古ですけど、よく走ってくれてますよ」
とバイク談義に花を咲かせるウォルターと千里の横から、ラッセルはそうっと覗き込み、
「……なあ。俺がバイク買ったら、晴月も喜ぶかなー」
「お? その気になったのか、ラッセル」
「ウォルターセンセーも車に女の子乗せて走ったりしてるッスよね」
「なんだかいかがわしく聞こえるねぇ」
ウォルター先生は苦笑い。けれどうなずいて、ラッセルの肩をぽむっと叩いて言いました。
「いいんじゃない? そうやって自分の力で行動範囲を広げて、若い時からいろんなものを見たり経験するのは、いいことだと思うよぉ。君にとっても、あの子にとってもね」
柚春に口を拭われている晴月の幼さ残る顔をぼんやり眺めて、ラッセルはバイクを駆りふたり、どこまでも続く道を走ってゆくさまを夢想しました。
ラッセルと晴月の関係性をどんな言葉にはてはめようか、と柚春は考えます。世間知らずな晴月を見ているとなんだか兄妹のようでもあるけれど、彼女を見守り世話を焼くラッセルの目線にはやっぱり、そう、愛情のようなきらめきが見て取れるように思えてなりません。
(やっぱり、好きなのかな?)
晴月にしても、ラッセルに対して親切なお兄ちゃん、あるいは気の置けない友だち以上のなにかを感じているのでは? という気がします。
(今はまだ、兄妹以上恋人未満ってかんじ?)
とはいえふたりの関係はふたりのもの、柚春があれこれと言葉にしても仕方のないことではありましょう。見ていてどうにもやきもきしてしまうし、世話も焼いてしまうのですけれど。
「なーに考えてるのかなぁ?」
うっかり、ちょっぴりぼんやりとしていたよう。はっとして目を上げると、いたずらっぽく笑んだウォルター先生がこちらをのぞき込んでおりました。
ラッセルたちと別れてしばし、ふたりで街を散策中。日は少しばかりかげって、空はオレンジに染まりつつあります。やがては月ものぼるでしょう。
「ん~、日本語って難しいなって思って」
「ふうん?」
「誰でもかんたんに、想いが伝えられたら苦労はないけど」
それはそれで、風情もないかもしれません。
そして日本語にはそんな風情あふれる、風流な言い回しが数多く存在するのだと柚春は最近知りました。たとえば、『月が綺麗ですね』とか。今となってはいささか使い古されている感も否めない言い回しではありますけれど、それでも適切な場所やムードのもとで口にするなら、きっと想いは伝わることでしょう。
そこでミッション。風流なワードを巧みに使いこなして、彼へと想いを伝えたい!
思い伝え合った間柄でありつつ、まったく満足できない、まだまだ足りない、確かめ合いたい柚春です。
「ねえ、ワット?」
「ん?」
といってあまり理屈をこねくりまわしたり、策をめぐらせたりするのは得意ではありませんから、やっぱり直球勝負。
彼の手を取り、きゅっと指をからめて、赤く染まりゆく横顔へ、その言葉を口にします。
「──夕日が綺麗だね」
美しい日本語で、想い伝えるための素敵な言い回し。日は沈みゆくけれど、あなたとこのまま過ごしたい。もっといっしょにいたい、あなたはどうですか? ってな意味をふくませた、こころ揺さぶるレトリックです。
という素敵ワードも伝わってこそ、なのですけれど、そこへいくとウォルター先生の反応はといいますと、
「うん? ああ、そうだねぇ。綺麗な夕日だ」
でした。伝わってるやらいないやら!
「むう。難しいな……」
けれど、唇をとがらせた柚春の頭に、ぽんっと大きな手のひらを乗せて、ふと。
「晴れてるし、きっと綺麗な月がのぼるだろうね」
思惑を知ってか知らずか、そんな言葉を返してくれた彼の腕を思わずむぎゅうと握り込み、口もとを緩ませてしまう柚春でした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年02月28日
参加申し込みの期限
2024年03月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年03月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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