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冬の季語ってたくさんあるから
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【ドラさん】
「サトーさん!」
シーサイドタウンの通りへ繰り出し、見慣れた看板が目に入るやいなや、
佐藤 英二
を呼ぶ声は嬉野 エマのものでした。映画喫茶『クランク・イン』は今日も今日とて営業中、エマは表で掃き掃除などしております。ゴミを集めているのか散らかしているのか分からない、いつものポンコツっぷりで。
「サトーさん、おひさしぶりですわねー! 今日は寄っていかれますか?」
「こんにちは、エマさん。うん、七海さんのコーヒーが飲みたくなって」
「むふふー、にーさんも喜びますわよ。にーさん、にーさん! コーヒーいっちょー!」
ホウキをほっぽりだして店へと駆け込み、ラーメン屋みたいな調子で声を張り上げる妹さんに苦笑いしつつ、英二も店内へ。
クランク・インへ訪れるのはちょっとばかし、ひさしぶりのことです。英二も高校三年生、受験やらなにやらでいろいろあって多忙でありました。その『なにやら』とか『いろいろ』には、かけもちしているオンラインゲームやら立て続けに公開される注目映画の鑑賞などもまあ、含まれていたりいなかったりですけれど。
「やあ、いらっしゃい。コーヒーだね。すぐに淹れるよ。その間、そこなポンコツ妹はテーブルを拭いておくように。表の掃除がまだだとしても、今はさておこう」
「うぐっ。さ、さあーお仕事お仕事……わたしはデキる店員さん~」
のんびりやってたらしく軒先はすこうし散らかっておりましたけれど、ぱたぱたとテーブルを拭って拭いまくるエマを横目に、英二はカウンター席へ。
クランク・インは変わらずまったりして、今は店の目玉でもある大きなスクリーンになにも映されていないこともあり、客の姿はまばらです。今日は午後から『オトコはつらいニャ』の初期作品の連続上映が予定されているそうで、上映時間が近くなれば席も徐々に埋まってゆくでしょう。
「はい、コーヒー」
「あ、ありがとう」
ことりと置かれたカップを取り、ひと口。熱い褐色はほんのりとした酸味、香ばしいかおり、後からじっくりと立ち上がってくるコクが凝縮されて、それらがじんわりとのどを伝い胃袋へ染みてゆくと、芯からあたたまりました。
「ああ……寒い冬に飲むからこそ、この味わい深さも5割増し。ってかんじ。やっぱりクランク・インでいただくコーヒーは美味しいなあ」
「ウチのなんてことないコーヒーに、そこまで言ってくれるとは。ありがたいね」
いつも無表情気味な嬉野 七海ですけれど、常連になってみれば案外と感情が伝わってくる瞬間があり、口もとがちょっぴり緩んでいるような。ほんのり目を細めているような。そんなふうに分かるようにもなりました。一見のお客さんには分からないであろう、ちょっぴりユウエツ感なポイントです。
「ところで!」
「わっ?」
ずずいと迫る、テーブルを拭いていたはずのエマ。先ほどからなにやらそわそわとして、気になっていた様子でして。
エマはきらきらと光る瞳で、
「『ゴアラ-1.0』! 見ました?」
「あ、ああ、うん。見たよ」
「おおおお! さっすがサトーさん!」
なんだか褒められてしまいました。
たしかに近頃、立て続けに公開された気になる映画たちを、英二も鑑賞済みでありました。新解釈・ニャニャニャの魔太郎、ニャンダムZEED完結編、そしてそして、ゴアラ! 先日もニャカデミー賞の視覚効果賞を受賞し大変話題になった、『ゴアラ-1.0』!
もちろん、英二もがっつりと堪能しました。
「賞を取っただけあって、すごい映像だったよね。ニャリウッドと比べて制作費も規模もすごく小さかったらしいけど、それであんなに迫力あるシーンが作れちゃうんだから」
「そーそー、すごかったですわよね! わたし、映画館で思わず大声をあげてしまいましたわ」
「迷惑だからほどほどにな。しかし映像もさることながら、時代設定や背景に込められたテーマも興味深かったね。作品賞その他多くの賞を獲得した『ハッペンオイマー』との対比もおもしろい」
「ああー、たしかに。戦時中の話だし、はじめのゴアラは核実験で怪獣になったんだもんね」
「ううっ。戦争はんたいなのですわー」
……なんて話が盛り上がって、気がつくとちょっぴりぬるくなっていたコーヒーをくいっと飲み干して、
「おかわり、もらえるかな?」
少しずつ客が入ってきたところで、七海が言うのです。英二には彼の口角がかすかに上がっているのが分かりました。
「ドラさんは冬の季語だって、知ってたかい」
「ドラさんって……あのドラさん?」
「そう。言わずとしれた間 銅鑼次郎だよ」
大人気シリーズ『オトコはつらいニャ』、その主人公である『かぜまかせのドラ』ことドラさんといえば、誰もが知ってる国民的ヒーロー……というには少々いいかげんで破天荒、美人に弱く、ケンカっぱやいところがなきにしもあらずですけれど、家族思いで人情に厚く義理堅いという親しみやすい人物像は多くのファンを生み、実に全50作が制作されることとなりました。
そんなドラさんが、冬の季語とは?
コーヒーのおかわりと、これはサービスだよ、とナッツの盛り合わせをことりと置きつつ(常連のユウエツポイント!)、
「はじめは低調だった『オトコはつらいニャ』シリーズだが、人気が出るにつれ、お盆や正月の目玉映画として上映されるようになった。以降、この映画を冬の風物詩として見る向きもあったようだ」
「へえ……それで冬の季語」
というちょっとしたウンチクもあって、今日はドラさんシリーズの上映日としたのだとか。
特撮好き、アニメ好きの英二には正直言いまして、ノータッチなジャンルではありましたけれど。
「たまには浪花節もいいもんだよ。物はためしに、見ていったらどうだい」
「う~ん、ちょっと興味がわいてきた」
「サトーさんもぜひぜひ見ていってくださいましー!」
「わっ」
旬の新作映画の盛り上がりに乗っかるのも楽しく、古い映画の味わい深さにひたるのもまた正しい映画の楽しみかた。
英二はしばし、往年の銀幕スターの威風堂々、胸のすく活躍に見入りました。
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あとがき
担当マスター:
墨谷幽
ファンレターはマスターページから!
墨谷幽です。
お待たせいたしました! 『冬の季語ってたくさんあるから』、リアクションをお届けいたします。
俳句や季語に明るいわけではありませんけれど、『冬の季語』と聞くとなんだか、すきとおって美しい言葉の数々を想像します。
実際調べてみると実に多様な言葉がありまして、目を惹かれたものを各ページの見出しにしてみました。なんとな~く素敵でしょ?
それぞれに冬の風情や情感のにじむエピソードになったかと思います。
お楽しみいただけておりましたら幸いです。
それでは、今回もご参加いただきましてありがとうございました。
また次のシナリオでお待ちしております~。
お疲れさまでした!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年02月28日
参加申し込みの期限
2024年03月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年03月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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