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MODERN LOVE/バレンタインデーくれー知ってるよ!
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二月十三日。
空は、黒に近いグレーと白に近いグレーをかき混ぜたようで、雪を降らせるかどうか、ぐずぐずとためらっているように見えた。
鈍く弱々しい光が寝子島高校正面の門柱を照らしている。
「そういえば明日――」
出かけた言葉に、はっとなって
市橋 誉
は口を閉ざした。バレンタインだのクリスマスだの、いわゆる季節イベントを彼女は好まなかった記憶がある。いやむしろ、はっきり嫌っていたはずだ。
しかし意外や誉の言葉をひろって、
「……バレンタインデーくれー知ってるよ」
詠 寛美
はあるかないか程度の微笑を浮かべたのだ。
「今日はその前日だけどな。イブってやつか。でも明日、学校休みだからなー」
行くかと告げて寛美は歩き出す。マフラーが首から垂れて揺れていた。
二年前に俺があげたやつじゃないか。まだ使ってたのか。
マフラーはすっかり色落ちしており、ところどころけばだってもいた。端のあたりはほつれている。シーズン中、毎日のように使っていなければああはならないだろう。
ずっと使っててくれたのか。なのに俺……。
いまになって、やっと気がつくなんて。
寛美の背中を見つめる。
最近あんま話してなかっただろ――って詠は言った。
そうかもしれない。いや、実際そうだった。
夢を叶えるべく俺はずっとピアノに打ち込んでいた。三年になったこともあって学校に行く回数も減って、自由登校になってからはますますだ。ほぼずっと練習にだけ集中していた。
その甲斐あってようやく未来が見えてきたと思ったら、もう高校生活は終盤だ。冬すら終わりかけている。
「どうした?」
寛美が足を止めて振り向いた。頬が赤い。ずっと屋外にいたせいだろう。それも十分や二十分ではなく。
寒かっただろうに。
けれど詠は、
「行こうぜ」
笑っている。
「待ってくれ」誉は寛美と肩をならべた。「詠さえよかったら、だけど」
「うん?」
「寄り道していかないか。寒いだろ? 暖を取れる場所に。カフェとか」
「いいのか? 先言っとくけど俺、金ねーぞ」
「気にしないでくれ。俺がおごるから。いや、おごらせてほしい。詠が待っててくれて嬉しかったから」
そーか、と寛美は言った。言葉は素っ気ない。でも彼女は誉のよく知っている表情をしていた。誉の好きな表情でもあった。
「ならゴチになろうかな」
歩きはじめたところで、誉の手が寛美の手にふれた。
偶然ではない。意識してやったことだ。
接した部分が氷みたいに冷たい。
詠、どれだけ長く外にいたんだ。しかも連日、って。
いとおしくてたまらなくなり、誉は彼女の手を包みこむようにして握った。
「……」
寛美の視線は前を向いたままだ。誉のほうを見もしない。だけど黙って、逃れるみたいに手を引こうとした。
だが誉はひるまなかった。追うようにしてしっかり寛美の手を包んだ。
ぴくりと寛美の手が震えたのがわかった。
でも寛美は、もう逃れようとはしなかった。
「こんなに冷えてる……ごめんな」
「……なんでお前があやまんだよ」
寛美はやはり誉を見ない。それどころか意識的にそっぽを向いた。
「俺が勝手に待ってただけだ、って言ったじゃねーか。てか、ごめんって言いたいのはこっちのほうだぜ」
「詠がどうして」
「俺の手、ゴツゴツしてて全然かわいくねーだろ。武道ばっかしてるせいだよな」
たしかにそうだった。
寛美の手は、女子とは思えないほど硬かった。指は筋張っているし、骨あたりなどざらざらして石のようではないか。
「そんなこと気にしてたのか」
「……悪いかよ」怒っているような寛美の口調だ。傷ついているようでもある。「せいぜいがっかりしてくれ」
「何言ってんだ、詠。ほら、しっかりさわってみてくれ。俺の手も」
そして誉は声に出して笑った。
「俺の手だってひどいもんだろ? カチカチだ。指はもちろん手のひらまで厚い。ピアノを弾きすぎて、何度も皮が破れて埋まってを繰り返したからだな。タコみたいになってる」
すると寛美はおそるおそる誉の手を探って、
「ほんとだ」
ニヤリとしたのだった。
「手にかぎれば、俺たち似たもの同士なんだな」
「そうらしい」
目配せしあう。まるで、悪い秘密を共有したかのように。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年02月20日
参加申し込みの期限
2024年02月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年02月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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