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ハッピーバースデー! 2月☆
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◆2月8日。緩やかな流れは行方も知らず。
今日がバスケ部の後輩、
霧生 愛
の17歳の誕生日だという事を、もちろん
羽生 碧南
は忘れてはいなかった。部員達の誕生日にはそれぞれプレゼントを用意していたくらい、碧南にとっては大切な日なのだ。
もちろんそれは、キャプテンの座を譲った今も変わらない。愛への誕生日プレゼントはもう、しっかりと用意してあった。
愛が好きな色だという、赤のリストバンド。もう1人の後輩、
浅見 柚乃
の誕生日の時と同じだけれど、碧南はいつも部員の誕生日のプレゼントに、本人が好きな色のものを用意することにしているのだ。
とはいえ、決して余裕をもって準備出来たわけではない、のだけれども。
(まさかこんなに毎日、ひぃひぃ過ごす事になるなんてね……)
ふと遠い目になる。女バスから離れてのんびりした日々を過ごせるのかと思いきや、特待生で入る木天蓼大学から入学前の課題を渡されて、それが結構な量なのでひぃひぃしながら課題に取り組む羽目になるなんて、誰が想像しただろう。
加えて、碧南は桜花寮生だから、卒業すれば当然部屋を引き払わなければならなくて。そのための荷物の整理や引っ越しの手配なども、並行してやらなくてはいけなくて――
閑話休題。
「――そろそろ時間かな?」
ふと時計を見た碧南は、部屋を出て食堂へと向かった。寮母のトシコさんに、愛のためのバースデーケーキを一緒に作って欲しいと頼んであるのだ。
食堂の空き時間なら、という事で指定された時間がもうそろそろ。愛はチョコが好きだから、チョコレートケーキを作る予定だ。
頑張ろうと1人頷き、今この時だけは課題も何もかも忘れ、碧南は食堂へと向かうのだった。
◆
女バスの練習が休みになる日は、殆どないと言っても過言ではないかも知れない。まして新キャプテンとなった柚乃は、この1か月、人一倍熱心に練習に取り組んできた。
「そろそろ交代して! Aチームは走り込み! Bチームは5分休憩!」
部員1人1人のコンディションを見ながら、目まぐるしく変わる状況に合わせて判断し、指示を飛ばす。時には自身がコートに入り、後輩達に手本を見せる。
それだけではなく、自分自身の練習だってしっかりこなさなければならない。女バスを率いるキャプテンとして、常に相応しく努力を重ねなければ――
(碧南先輩は)
これを1年続けていたのだと、日が経つにつれ実感する。受ける前から知っていたはずのキャプテンという重責を、今さらながらに思い知る。
乙女ゲーにどっぷりハマっていた面に関してはともかく、碧南のキャプテンとしての功績は素晴らしかったのだと、柚乃は日々思わずには居られない。碧南から渡されたノートには、部員1人1人の性格や得意分野や苦手分野、今後の課題、どこをどうすればいいかなどが几帳面に記されていて――戦術に関する覚書まであった。
今の柚乃は正直なところ、それを必死になぞっているだけ――なのかもしれない。
(――霧生)
ふと、コート内で走り込んでいる後輩に目を留める。1年生でありながらレギュラーになったその実力は、練習でも遺憾なく発揮されていた。
碧南のノートにも当然、愛の事は記されている。――いけ好かない、という思いはどうしても消えないけれども、それらの事実は認めざるを得ないのだ。
だからこそ。
「霧生! 走り込み甘いよッ、力抜いてんの!」
「すみません!」
自分でも嫌になるほどに、棘のある言葉で発破をかけてしまうのに嫌悪する。――どうしても、愛へと向ける眼差しが厳しくなってしまう。
それを、もちろん愛が感じ取れない訳はなかった。――はぁ、と内心で息を吐く。
別に、誕生日にまで女バス練習があるのは構わないけれども、誕生日にまで柚乃に嫌悪を向けられるのはな――と思わないでもない。とはいえ、これでも以前に比べたら、険悪ではなくなった方だ。
もちろん、いきなり仲良くなれるわけでもない。互いに隔意は変わらず抱いているけれども、敬愛する碧南からキャプテンの座を託された柚乃はきっと、碧南のようなキャプテンになるべく、個人的な感情はギリギリ押さえつけているのだろう。
それ程に、柚乃にとって碧南の存在は大きいのだろうと何とも言えない息が零れた。そして、それでも愛に向けられる視線や言葉から刺々しさが完全には消えない程に、碧南にとって自分は――
(……止めよう)
思考を、軽く首を振って止める。刹那、また柚乃から檄が飛んで来たけれど――まあ、仕方がないのかもしれない。
そんな風に女バスの練習時間は過ぎ去り、あっという間に終了となった。みんなで後片付けをして、更衣室でシャワーを浴びたら下校の時間だ。
桜花寮への道を歩くのは、今は愛と柚乃だけ。すっかり暗くなった帰り道を、2人無言で歩く――『あの場所』だけは無意識に、足早に通り過ぎて。
沈黙の中、歩き続けて辿り着いた桜花寮の灯りが、ひどく頼もしかった。ようやくこの気詰まりから解放されると、安堵の息を細く吐きながら扉を開けた――その刹那。
「ハッピーバースデー、愛!」
――パーンッ!
軽快なクラッカーの音と共に、碧南が楽しげな笑顔で愛の前に現れる。それから、時間差でぱらぱらと紙テープと紙吹雪が愛の上に降り注ぎ――ああ、とようやく実感が湧いてきた。
そんな愛に明るく笑い掛けながら、碧南は「こっちこっち」と愛の腕を引く。
「練習お疲れ様! 帰ってくるの待ってたわよ。バースデーケーキも作ったんだから」
そうして賑やかに食堂へと歩いて行く、2人の背中を柚乃は呆然と見送り。――しばらくして、え、と唇から音が零れた。
――今日が愛の誕生日だという事を、柚乃はたった今、碧南の言葉で知ったのだ。碧南先輩はちゃんと覚えていたのに、そんな思いが胸に去来する。
にわかに重くなった足を引きずるように2人の後を追い、食堂に向かえばテーブルの1つに、碧南が言っていた通りバースデーケーキが鎮座していた。その周りには、いつもより少しだけ豪華な料理が並んでいる。
柚乃を振り返った碧南が、こっちこっち、と笑顔で手招きした。
「ほら、柚乃も早く座って!」
「……はい」
「で、愛。ハッピーバースデー! これ、気に入ってもらえると良いんだけど」
「あ、ありがとうございます……」
3人だけのテーブルの中、誰よりも明るい碧南から手渡されたラッピングを、愛は戸惑い気味に、だが嬉しさを噛み締めて受け取る。開けてみて、と促されて中を覗けば、赤いリストバンド――愛の好きな色。
ありがとうございます、と改めて頭を下げた愛に、これからも練習頑張ってね、と碧南はにっこりした。にっこりして――内心でため息を吐く。
柚乃と愛が、仲良く出来ないのはもう仕方がないのかもしれない。だとしても、せめて険悪さは無くなってもらわないと、安心して寝子高を去ることも出来ない。
それゆえに、何とか2人の仲を取り持とう、せめて少しでも改善しようと明るく振る舞い、声を掛け、何かと気にしてはいるのだけれども。それも、出来るのはあと1ヶ月もない。
――参ったなぁ、という内心の呟きは、もちろん面には出さなかった。ゆえに3人でケーキを切り分け、料理を取り分けて、表面上は明るいバースデーパーティーを過ごしたのだった。
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担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
NPC交流
定員
20人
参加キャラクター数
8人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年02月18日
参加申し込みの期限
2024年02月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年02月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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