仲良くなりたい、その12｜リアクション

仲良くなりたい、その12

☆ねこねこ記者との再会

　月原想花がねこねこ記者と会ったのはある日の放課後のことでした。
　どろでろろのことを聞かれ、苦しかったけれど話したら楽になった気もして。
　それから大晦日に再会したときには、なぜかお互い犬になっていました。

　そして、学校帰りに寝子ヶ浜海岸に寄り道していた想花は、彼と三度遭遇したのでした。
「……あれ？　想花ちゃん？」
　一瞬誰かわからなかった様子ですが、ねこねこ記者は想花だと気付くと駆け寄ってきました。
「最近、変わったことはないかにゃ？」
　と聞いてきました。
「うん……見ての通り、髪を切ったんだ。それで、頼まれてヘアモデルになったりして」
「すごいにゃ！　特ダネにゃ！」
「そう？　……それでどういうわけかモデルのスカウトまで来ちゃって。さすがに応じる勇気はないので保留してもらってるんだけど」
「華やかに見えても大変なことはたくさんあると思うにゃ」
「え……」
　ねこねこ記者の言葉はどこかしみじみとしていて、想花は驚きました。
「でも、雑誌に載った想花ちゃんの水着姿、吾輩見てみたいにゃ」
「……グラドルじゃないからね？」

　そんな話をして、帰りにコンビニに立ち寄り想花は魚肉ソーセージを買いました。
「はい、半分こ」
「にゃー」
　嬉しそうに食べるねこねこ記者は普通の猫にしか見えなくて、想花は自然と手を伸ばしなでなでしたのでした。