this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
ようこそ! ホビーショップ『クラン=G』へ!!
<< もどる
1
…
13
14
15
16
17
●長めのポストクレジット(おまけ)●
よっこいしょ、とおじさんくさい口調。『クラン=G』の屋上に姿を見せたのは実際におじさんだった。
「この店、屋上に出られるんだよね、知ってる人少ないけど」
でもただのおじさんではないのだ。誰はばかることなく独り言する。ひょろりと背が高い。ヒゲを長くのばし髪もやたら毛量があって長いので、なんだか直立したオランウータンのようなルックス。しかしオレンジのダウンジャケットは有名ブランドの高級品だ。
彼は
三佐倉 杏平
、この店の創始者である。
あなたは好きなことを思いっきりやって――との妻の遺言にしたがい杏平は、四十歳をずいぶん超えた時点ながらサラリーマンを辞め本当に好きなこと、すなわち自分の趣味であるカード&ボードゲーム遊び、プラモ作りにフィギュア集め、サバゲーなどを思いっきり楽しむための店をはじめた。それまでの貯蓄をほぼすべて投じてしまったが、まあ借金抱えてないしいいだろうくらいの雑な見通しだった。それで同好の士が集まれば、妻を亡くした寂しさもまぎれるだろうと考えていた。
店名も深く考えてつけたのではなかった。ゲームの頭文字『G』と同族ないし氏族の『clan』を組み合わせただけのものだ。強いて意訳すれば『ゲーム一族』になるのではないか。
ならべた商品は全部彼が自分のセンスで選んだものだ。売れるかどうかなどあまり考慮しなかった。ところがどういう幸運が働いたか、雑居ビルの一角だった店はどんどん利益があがり、ついには閉店したファミレスを格安で買い上げるまでに成長した。一人娘はびっくりするくらい真面目で仕事熱心な少女に育ち、店の経営を頼めるまでになった。というか、ほとんど任せている。
アメリカの企業から買収の話があったのも、自分から申し出たものではなかった。むこうが勝手に見つけてくれたものだった。売る売らないは娘に決めさせようと杏平は即断した。もう十分に自分の寂しさはまぎれた。あとは娘にバトンを渡そう。
千絵が『クラン=G』をつづけたいならそれでよし、『クラン=G』を売った利益で別の目標を追いたいのならそれもよし。
娘の決定により、店は売却されることになった。
この春、杏平は千絵とドイツに移住する。自分はドイツの友人の仕事をぼちぼち手伝うつもりだが実態は早期リタイアに近い。店舗とブランドの売却収益が莫大なので、正直仕事はしなくても食うには困らなかった。娘は強いし賢いから自分の助けなど必要ないかもしれないが、残る生涯で杏平は、できるかぎりのサポートをしてやるつもりだ。
「……でも」
杏平は青い空を見上げる。
「あと少しで日本を離れるかと思うと、いくらかセンチメンタルな気持ちにもなるんだよなあ」
深く息を吸ってつづけた。
「なるんだよ、お嬢さん」
「そうなんだ」
すうっと空から、白いワンピースを着た少女が舞い降りてきた。物理法則など完全に無視だ。水中バレエのダンサーみたいに優雅に、音もなく杏平の真横に静止した。少女はカーディガンを羽織っているが、真冬の服装としては寒そうである。エメラルドグリーンの長い髪が、意志をもつ生き物みたいになびいていた。
「君さ、本当は店に入ってみたかったんだろ?」杏平は少女に話しかけた「ちらちらのぞいてたから。一緒に遊びたかったのかな」
「うん……。でも私、人の多いとこ、苦手」
「わかるよ」と杏平は言った。「きっと君のこと、見えない人もいるだろうし」
「どうしてわかったの!?」
「なんでだろ」杏平はあっさりとこたえた。「ぼくが天才だからかな」
「天才なんだ」
「なんてね。どっちかといえば『へんこ』かなあ。大学くらいまでずっとそう呼ばれてたから。ああ、いまもか」
むきだしのコンクリート床に杏平はあぐらをかいた。これを見て少女――
風の精 晴月
もならった。ちょこんと彼の正面に正座する。
「へんこ?」
「あー、関西弁で『偏屈』とか『変わり者』って意味かな。ようするに『変人』ってことやね。高校のときなんて、クラスで一番のへんこってしょっちゅう言われてた。言うほうは悪気ないと思うんだけど、けっこう傷つくよな真正面から偏屈呼ばわりされるのって」
「嫌だったんだ、へんこ呼ばわり」
「いまはそうでもないかもな。おかげで君に会えたし」
あははと晴月は笑った。「だったら私もへんこだね! 空飛んじゃうし」
「考えてみたら、へんこのほうが人生楽しいのかもしれんね」
もってきた、と言って杏平は背負っていたリュックを正面にまわした。
「ボードゲーム。簡単なものばかりやけど。『クラン=G』は遊びたい人を歓迎するんだぞ。これまでも、これからもなー」
リュックを開けると紙箱がいつくも出てきた。ボードゲームの箱だ。ぜんぶ海外製のようである。おばけや動物など、ポップなイラストが描いてあるものばかりだ。
「このおばけ将棋『ゴースター』なんてルールめちゃ簡単なんだけど、駆け引きが楽しくて奥深いねん。やってみるかー?」
「やるやるー!」
青空の下、杏平は箱を開けコマを並べる。ルールを説明するとすぐに晴月は理解して、プラスチック製の白いコマをカチカチと動かしはじめた。
「すごい! 面白い!」
晴月が熱中するまで数分とかからなかった。
「てんちょーそこだったっすか」眼下、つまり店の正面から声がかかった。「いないと思ったら……なんでそんなとこにー?」
「おー」
ひらひらと杏平は手を振った。
エプロン姿の七枷陣が、左右の腰に手をあてて杏平を見上げていた。
「天気いいから外でゴースターでもやろうと思ってなー」
「あいかわらず発想が突飛すぎるっすよ。寒いんちゃいますのん? 店内でやればいいのにー。あと、その緑の髪の子は誰ですかー?」
ははあ、と言って杏平は晴月にウインクした。小声で告げる。
「どうやら彼も、へんこのようだな」
なんとも嬉しそうな杏平である。
<< もどる
1
…
13
14
15
16
17
このページにイラストを設定する
あとがき
担当マスター:
桂木京介
ファンレターはマスターページから!
ご参加ありがとうございました。桂木京介です。
これまで私のシナリオ中心に何度も登場してきたホビーショップ『クラン=G』、その転機となる物語を中心に描きました。
あるキャラクター様が軽く提案してくださっただけの店だったのに、皆様のご愛顧もあって三佐倉親子がNPCとして誕生し、どんどん関係者も増えていつしか、『クラン=G』系と私が勝手に呼んでいる設定群を形成したのですからPBWって本当に面白いですね。
この豊かさは『らっかみ!』ならではとも思っています。本シナリオ参加者に限らず、これまでお付き合いいただいたすべての皆様に感謝の気持ちで一杯です。
蛇足ながら注釈を。
作中、早川 珪が何かを見たような発言をする部分がありますが、これはポストスクリプトのシーンにつながっています。
劇中登場する『Mesdames et Messieurs』というゲームには元ネタがあります。というか、タイトルこそいじりましたがかなりそのまんまです(汗)。とても面白く盛り上がるゲームですので、機会があればやってみてください。
それではまた、次回シナリオでお待ちしております。桂木京介でした!
ご意見ご感想お待ち申し上げております。
↑ページトップに戻る
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
ようこそ! ホビーショップ『クラン=G』へ!!
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
ゲーム
NPC交流
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年01月29日
参加申し込みの期限
2024年02月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年02月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!