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怒り
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桜花寮へぴりり、と笛が鳴りひびく。宵の口であるからして少々控え目に。
「か、帰るのがギリギリになってしまいました……ごめんなさい、ぴりりちゃん」
「いえ、一分遅れてるのです! 遅刻はいけません!」
愛猫 萌々子
は素直に頭を垂れた。のっぴきならぬ事情あってのことだが、門限に遅れてしまったことは確かだ。自分の目測の誤りで、一分ながら越えていたのも間違いはない。落ち度は萌々子にあった。
「時間の遅れは生活の乱れ、生活の乱れは心の乱れです。風紀は守らなければなりません!」
しかしこの
笛吹 ぴりり
の剣幕はどうだ。確かに門限には遅れた。さりとてたかが一分程度だ。悪いのは悪いが、謝罪は述べた。真摯な態度で決して不真面目には見えなかっただろうと思う。彼女にはそう映ったのだろうか。いやそれなりに付き合いも長いというのに、萌々子の感情の機微を読み取れないぴりりではあるまい。いかな風紀委員長とはいえ、いささか目くじらを立てすぎではないのか? もう少し寛容であっても良いのではないか? ことに、そうルームメイトである萌々子には。
「……分かってます。だから、ごめんなさい。ただちょっと、理由があって……」
「本当に分かっていますか? しかしそれならば、遅れた理由を話すべきなのです」
「それは」
語ることはできない。相手がルームメイトでかけがえのない友人であったとしても、語る口を萌々子は持たなかった。彼女を想うゆえに口を閉ざした。
いつもならぴりりも聞き流していただろう。それほどまでに頑なであるならば、萌々子にとて語れない理由があるのだろう、そしてそれはきっと正当な理由なのだろうと納得していたはずだ。
今日はどうにも、そうとはいかないようだった。
「話せないような理由なのです? 大した理由もなく、遊び惚けていただけでは? 恋人ができて浮かれているのでしょうが、学生の本分とはあくまで学業にあり……」
「……そんなにっ、怒ることないでしょう! 私にだって話せないことの一つや二つあります!」
そうして思わず声を荒げて、萌々子は部屋を飛び出してしまった。きっと後悔するだろう。ちくりと胸に刺さるトゲの存在に気付きながらも、後ろから追い打ちのようにかけられる声へ振り返ることもしなかった。
語れないのである。ぴりりがひとである限り。
この数年で寝子島を取り巻く状況も大きく形を変えてきた。それも人知れずに……星幽塔、霊界、人ならざる世界にその住人たちと関わり合うようになってしばらく経つ。もれいびたる萌々子も例外ではなかった。
今夜の門限破りもつまるところそれが原因だ。神魂が影響を与えたか、暴走を始めたあやかしと演じることとなった大立ち回りは実に肝が冷えた。幸い迅速に集った仲間たちとの協力を経て鎮圧するに至り大きな被害も怪我人も出さずに済んだが、ともすれば萌々子や仲間が胴を両断されそうになるような危険な局面もあったのだ。
仮に、ぴりりへそれを語って聞かせたとする。超のつく真面目一辺倒で萌々子へも信頼厚い親友はきっと、突拍子もない嘘と笑い飛ばすこともなく信じてくれることだろう。結果どうなるか? 想像に難くない。彼女は持ち前の正義感で萌々子へ協力を申し出て、いかに強大かつ剣呑な相手にも臆することなく立ち向かい、しかしひとである彼女は今夜のような事態で真っ先に胴を両断され果てるだろう。
巻き込むことはできない。語ることはできない、彼女を真に想うならば。
部屋を飛び出したといっても夜中に寮外へ出てゆくわけにもゆかず、共有スペースでとりとめなくスマホをいじるなり、置いてある書籍類を興味があるわけでもなくぱらりとめくってみるくらいであり、結局どこかで顔を合わせることになるのだろう。ぴりりもまた同じ空間で暮らしているのだから当然だ。
「ふう」
暇を持て余す。同じ桜花寮に暮らす学生たちが時に通りがかり声をかけていくこともあるが、長居して会話に花を咲かせてくれるような者はなかった。みな宿題やら自習やらで忙しいのだろう。読みかけの本でも持ち出せば良かったと思うが、喧々諤々のあのシーンでそんな余裕があるわけもなかった。二人掛けのソファへだらしなく腰を沈め、どうにも落ち着かずあれこれと態勢を変え、ぐるりとうつぶせになったところで胸元へ異物感を覚えた。
「あ痛っ。なんですかこの固いの……って」
一気に目が覚めた思いだった。沸騰した頭へ冷水をぶちまけられたかのようだ。
ぴりりが誕生日にプレゼントしてくれた、金のホイッスルだった。彼女の持つ銀のそれと対になっている。萌々子も所属する風紀委員のシンボルであり、親友との絆の証でもあった。
「……萌々子さん」
「! ぴりりちゃん?」
気がつけば、目の前にぴりりが立っていた。申し訳なさそうに、眉毛をへにょりと曲げていた。
「ごめんなさい、萌々子さん……私、さっきは何だかおかしくて。ひどいことを言ってしまったのです……」
「そんな! 私のほうこそ、ごめんなさい。ぴりりちゃんは心配してくれただけなのに」
揃って何か、良くない風にでも吹かれたのかもしれない。思わず抱き合う二人はもう、いつもの二人だった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
7人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年01月10日
参加申し込みの期限
2024年01月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年01月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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