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竜に乗ってどこまでも! 新春☆初夢フェア2024 ~富士編~
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【forget-me-not】
マヤブルー、新橋色、千草色、アクア、白縹(しろはなだ)、セレストブルー。
これらはすべて水色の近似色だ。一般的にはすべて『水色』の一言で表現されてしまうかもしれない。
だけど
鴻上 彰尋
は知っている。
彼女の耳を飾るイヤリング、猫の目シーグラスの水色はマヤブルーに近く、
ほおずきの組紐ブレスレットには新橋色のアクセントが入っており、
鞄を飾るキーホルダーには千草色の石がかがやいている一方で、
白いミサンガにあしらわれているのはアクアカラーの花飾り、
夏の日差しに生まれる影は、かすかに白縹の気配を帯びて、
スカートの色は、目にあざやかなセレストブルーだった。
けれど彼女――
七夜 あおい
の瞳の色は、一体なんと表現したらいいのか。
どの水色も近いようで、どの水色も遠く思える。澄み切っていて力強く、しかしどこかに、かすかな寂しさをたたえた水色。
「フォゲットミーノット」
あおいが囁(ささや)いた。
「えっ――?」
「forget-me-not、勿忘草(わすれなぐさ)の英語名だよ。ほら」
道ばたの鉢植えをあおいは指さした。
「咲いてる」
凜然とした青と、どこか切ない青、その両者がグラデーションで共存する花だった。
通学路途中の民家の庭先、あおいはしゃがみこんで勿忘草を見つめる。
「きれいだと思わない?」
「うん、思う」
同じくしゃがんで彰尋は応じた。
「いいよね。私、好きな花。そろそろ勿忘草の季節も終わりだけど、この子はとっても元気に咲いてる」
可憐な花びらを眺めるようでいて、彰尋は実際のところ、花のむこうのあおいの瞳を見ている。
そうか、『フォゲットミーノット』って名前の色もあったな。
あおいさんの目は――。
「どうしたの?」あおいが訊ねる。「急に黙ったりして」
「いや、あの……見とれてしまって。本当にきれいだな、って」
とっさについた嘘のようで、嘘じゃないんだ。
だって俺は。
「そろそろ行かないと」
あおいは立ち上がった。
「のんびりしてちゃだめだった。今日の一時間目、体育だったよね? 着替えの時間もあるし」
一時間目?
つられて立ち上がりつつ、彰尋は首をかしげるほかない。
「えっと、いま、夏だっけ」
「ていうかまあ初夏? そろそろ六月だから」
ふたりとも薄着だ。彰尋は半袖のワイシャツ一枚、あおいもやはり半袖で夏のブラウスである。
だがおかしい。
彰尋の記憶では冬だったはずだ。
そこから季節が過ぎたとしても――。
「俺たちは春で卒業したはずじゃ……?」
「卒業って?」
「ああそうか、もう大学生になってたのか。あおいさん、結局マタ大に入ったんだっけ?」
だったらいいのに、との彰尋の期待は、意外な方向に裏切られた。
「なに言ってるの彰尋くん、私たちまだ寝子高生だよ」
「ということは半年、ひょっとしたら一年くらい巻き戻ったとか」
「まあ、気持ちはわかるけどね」あははとあおいは笑った。「私たちまだ高校生だよ。高校四年生」
さらりとあおいは口にしたものの、彰尋としては素通しできない表現だった。
「四年生?」
「卒業直前の一月に学校制度が変わって、高校は五年制になったんじゃない。忘れた?」
まあ、とあおいは言う。
「三年で卒業するつもりだったのが、急にこんなことになって私もとまどってるけどね」
ああ、そうだった。
彰尋は納得した。そういえば、国会かなにかでそう決まったような気がする。
「でもね、私、実は喜んでるんだ。だってまだ寝子高生でいられるから。あと二年近くも!」
彰尋としても歓迎したい事態だ。社会に出るのが遅くなるのは、それだけ親に負担をかける時期も長くなることでありごめんなさいという気もするが、受験だの将来だのを、考える時間がいくらか延びたのはありがたい。
ということはあと二年、あおいさんと高校生活をすごせるってことなんだ。
「高校は五年間かぁ。大人になるのが遠のくなあ」
一応彰尋は言っておく。ただ、あまり本気では思っていない。でもあおいは大真面目にこたえてくれた。
「人間の平均寿命は伸びてるんだもん、昔のままのほうがおかしいよ」
「たしかにそうだね」
自分たちの知らないところで一方的に社会制度が変えられる、普段そういうのにはあまり感心しない彰尋だが、この決定ばかりは歓迎したいと思った。
なら、延長された高校生活を楽しもう。目一杯!
もうすぐ夏、梅雨もまだ先、この時期は本格的に暑くなる前の、一年で一番気持ちのいい季節かもしれない。
「あ、でも」彰尋にとって、もうひとつ気になることがあった。「俺たち制服着てないよ。いまから高校だよね」
「彰尋くんまだ体が慣れてないんだね」わかるよ、とあおいは言った。「私もなんか落ち着かないもん」
あおいによれば、寝子高の場合三年生までは制服義務が課せられるが、あとの二年は服装自由らしい。
「だったよね」
どうも新制度には適応しきれていないようだ。高校生のまま、でも服は自由というのはありがたい。
忘れないでおこう。
俺はまだ高校生、高校四年生だ。
いまからあおいさんと登校する。通い慣れた寝子島高校へ!
こんなに嬉しいことはない。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年01月01日
参加申し込みの期限
2024年01月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年01月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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