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【Wolfhead of the Flower Shop】
京極 花音
は想う。
日常的に想う。
アパートの自室、星降る音すら聞こえそうなほどの時間帯、そろそろ寝るかなというタイミングに想う。
とりわけ明日がバイトのときは、ほぼ例外なく。
明日は彼女に会えるだろうか――。
すでに花音は、彼女の名が
暁月 静
だと知っている。
しかしたとえ心の中だけででも、『静さん』なんて呼ぶのは気恥ずかしすぎた。
苗字の『暁月さん』と呼ぶことすらまだ、棒高跳世界陸上選手権クラスの高いバーの先にあるような気がしてならない。
だから彼女は『彼女』と代名詞なのだ。もちろん『girl friend』ではなく『she』という意味だ。
彼女の可憐な姿、明るい笑顔、優しい声、それら全部をあわせた雰囲気、いずれもありありと、まるで彼女が目の前にいるように思い返すことができる。
会えるだろうか。
声をかけることはできるだろうか。
天気の話とか猫を見かけた話とかそんな、ごくなんてことのない世間話でもいい。彼女が笑って自分も笑うような、短くとも印象的なおしゃべりができるだろうか。
いつも花音は想わざるをえない。
寝床に入ってもしばらく、彼女のことを考えている。
朝が来た。
靴を履いて花音はつま先を眺める。この靴も履くようになって長い。そろそろ傷みが目立ってきた。だましだまし使ってきたが、そろそろ限界かもしれない。同様にくたびれてきた靴紐を、ぎゅっと引いて硬めに結んだ。
玄関脇には鏡があった。素焼きのクッキーみたいな木枠、まめに磨いてはいないがクリアな鏡面、この部屋の前の住人が置いていったものだ。処分する理由もないのでそのままにしていた。
日ごろ花音はこの鏡を意識していない。見てもせいぜい、寝癖がついてないかちらりと確認する程度のものだ。
なのにどういう風の吹き回しか、今朝バイト先に出ようとしたこのとき、花音は鏡と向き合ったのである。横目で眺める程度ではない。足を止めてしっかり、鏡の中の自分を見つめた。
過去、怖いとか不機嫌そうとかさんざんに言われてきた顔が映っていた。とくに目だ。まごうことなき三白眼、殺し屋っぽいなどと言われたこともあった。だが自分の顔をコンプレックスにするとか、逆に世間の見る目はまちがっていると憤慨するとか、そういう意識は花音にはない。そういう風に見えるのかなあと、どこか他人事のようにぼんやりと思うだけだ。誤解を解きたいという熱意もそうない。まあ、「怒ってるの?」と訊かれたら「怒ってないっス」とはこたえるだろうが。
花音が鏡をまじまじと見たのは自分の顔を鑑賞するためではなかった。なんだか妙だぞ、そう思ったからだ。
目は同じだ。うん。
顔も同じだ。そりゃそうだよな――いや、
ちがうっ!?
もう一度まじまじと眺める。やっぱりだ。
顔が変わっているのだ。顔だけ狼になっているのだ!
両手で顔に触れ、フサフサ感に絶望する。突き出た鼻、ぴんと立った両耳、犬に似た、しかし犬よりずっと牙の鋭い大きな口、これが狼でなくてなんだ。
朝起きて髭を剃ったとき、このような異変はなかったと思う。洗顔フォームの泡立ちが、格段にクリーミーだった記憶もない。
つまりその時点では顔は変わっていなかったのだ。いやそれどころか、鏡の前で足を止めたときはまだ同一性をたもっていたはずだ。
鏡を見て目に焦点が合って、それから全体を見直したらこうなっていた。
そうというほかない。
まさか雨漏りとか?
とっさに思った。
天井を見上げてもしずくなど見当たらない。そもそも外はからりとしたいい天気だ。雨の気配すらなかった。
雨に濡れると狼になる、それが花音の特殊体質だった。だがその変身は全身におよぶものである。雨に打たれた花音は濡れ鼠ならぬ濡れ狼となり、体が乾くまで身を隠すことを余儀なくされるのだ。真剣に悩んだ時期がないと言えば嘘になるが、「そういうものだろう」と達観というか、容認しているのも花音の現在だった。天気のいい日はリクガメになってしまうとか、もっと喜劇的にして悲劇的な境遇でなかっただけいいとすら漠然と考えていた。
さてしかし現在の状況は、これまでとは流れを異(こと)にしていた。
顔だけ狼。
大人顔負けという言葉があるが、現在の自分は狼顔だけとシャレたくもなる。そんなに愉快な状況ではないが。
愉快どころではない。困った。
両手両足それに胴体、ぜんぶ人間だけど顔は狼。
狼男ということか。
そういう姿のロックバンドがいることは知っている。あれに近い。といってもロックバンドの狼フェイスは作り物丸出しのマスクなのだ。ステージを降りたら脱げばいい。だが花音の『これ』は脱げない。天然ものだ。ウルフヘッドの誕生なのである。
まばたきする。ちゃんと目が動く。ついでにいうと耳も動く。
口を開ける。がばぁ。すさまじい歯だ。息で鏡が曇った。
「どうなってんだ」
話してみた。グルルルル……と吼え声になるかと思いきや人語が出た。
「参ったなあ」
とつぶやくけば、あにはからんや鏡の中の狼男も、困惑気味の顔をするではないか。
でもいまから花音は花屋のアルバイトなのだ。彼女に会えるかもしれぬひとときなのだ。「風邪ひきました」とでも電話して休もうという考えはなぜか起きなかった。
なんとかしなくては。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年01月01日
参加申し込みの期限
2024年01月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年01月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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