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竜に乗ってどこまでも! 新春☆初夢フェア2024 ~富士編~
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【常春の庭】
誘いのメッセージは一行だった。
『常春の庭に行かないか?』
たったそれだけ。どんな場所なのかどうやって行くのか、そもそも何をしに行くのかも記されていない。
けれど
倉前 七瀬
は興味を持った。
常春の庭――。
聞いたことのない場所だ。しかし魅力的な名前ではないか。花々が乱れ咲き、馬や羊が散歩しているようなイメージがある。ましてや
ウォルター・B
からのメッセージとあれば、断るなんて考えもつかない。
俳句より短いメッセージだ。たちどころに七回ほど読み返し、
ウォルターさんは多くを語るつもりはないみたい。
七瀬は結論を出した。追加のメッセージがまったくないからだった。
だったら僕もそうしよう。
『是非』
七瀬は短くNYAINメッセージを返して、『いつです?』とだけつけたした。
あとはウォルターさんにお任せでいいかな。
わくわする。
七瀬の読みは当たった。やはりウォルターは詳細を明かさなかったからだ。まもなく返ってきたメッセージは待ち合わせの日時指定とあとひとつ、スーツ姿の白ウサギのスタンプだけだった。ウサギは傘を脇に挟み懐中時計を眺めている。『不思議の国のアリス』、それもオリジナル版、ジョン・テニエルによるペン画だ。
マジカル・ミステリー・ツアーということだろう。いまからその日が待ち遠しくて仕方なかった。
失敗だったかも。
その日、待ち合わせの駅前に立って七瀬は思った。
常春の庭とウォルターが言うからには、暖かい場所を期待した。ために冬の朝を棚上げして、七瀬はロングTシャツに軽いパーカーという薄着で彼を待ったのだ。今年は暖冬気味だという理由もあった。ところが今日にかぎってあいにくの真冬日、しかも海辺の駅はひどく寒くて、風をさえぎるものがない。歯が鳴りそうだ。早めに来たのは幸いだった。いますぐ売店に飛びこみウィンドブレーカーでも買うべきか、真剣に七瀬は検討した。
けれど凍えることはなかった。約束の時間にはまだ二十分近くあるというのに、イルカのように青く流線型のフォルムしたスポーツカーが、まもなく七瀬の前に停まったからだ。
「おはよう倉前、早いね」
窓を開け、運転席からウォルターが笑顔を見せた。
七瀬はスポーツカーに駆けよる。まるで磁石でもしかけられているかのように。「ウォルターさんこそ」
「楽しみすぎて、目覚ましより三十分も早く目が覚めてね」
「うちなんか一時間前ですよ」
「おっと、僕の負けだなぁ」
勝負しているわけでもあるまいに、ウォルターはいそいそと運転席から出て助手席のドアを開けた。早起き対決に負けたからか、それとも本日一日ナビゲーター役を務めるという合図なのか、「さあどうぞ、ご主人様」なんてふざけてウォルターは七瀬をいざなう。
「招きに応じてくれてありがとう」
「僕こそ、声をかけてくれてありがとうございます」
音を立てず、しかし重みだけ伝えてドアが閉まった。
暖かい。
腰かけて一秒もせぬうちに、七瀬は四肢と背中の筋肉が熱したロウのように溶けるのをおぼえた。車内は十分に暖房がきいており、ふかふかのシートの座り心地もあり、干したての毛布にくるまれているような気がする。七瀬は前にもこの車に乗ったことがあった。今日もよく掃除されており、革の香はごくわずかだ。エンジンの振動は静かだが一定のリズムがあって気持ちがよかった。油断すると眠ってしまうかもしれない。
車が走り出すより先に、
「シートベルト、忘れてるよ」
ウォルターに声をかけられ慌ててベルトを探すが、車内の居心地のよさにうっとりしていたせいかなかなかつかめない。
「任せて」
七瀬の手にウォルターがふれた。そのまま覆いかぶさるようにして左手で七瀬の右手を取り、するするとベルトを伸ばして金具を留める。彼の黄金の髪が七瀬の頬をくすぐった。
カチリ。金具が鳴った。
「できた」
鉄棒の逆上がりにでも成功したようなウォルターの笑みだった。
「はい……できました」
七瀬はやはり夢見心地だ。
ウォルターさん、いい匂いがしました。
わずか一瞬とはいえ彼に抱きしめられた気分だ。まだ手に、膝に、そして体にウォルターの体温が残っているように感じている。
「行こうか」ウォルターはアクセルを踏んだ。「そうだ、缶入りのおしるこ買ってきたんだった。ダッシュボードに二本入れてあるから取って。飲もうよ」
鏡の湖面をゆくボートのようにスポーツカーが走り出す。
七瀬にとって意外なことに、車は星ヶ丘マリーナの駐車場に停車した。
「港、ですか」
「うん。ここからは船」
「船!?」
まさか洋上に出るとは思わなかった。海風が心配だ。
キャメルカラーのダウンジャケットを着てウォルターは車から降りたが、七瀬をかえりみて「おっと」と声を上げた。
「倉前はずいぶん薄着だねぇ」
七瀬は苦笑いするしかなかった。「常春の庭、って聞いて暖かいところかと」
「行き先は暖かいよ。でもそれじゃ船上は寒いだろう」
言うが早いかウォルターはジャケットを脱いで丸めた。
「これ着てよ」
はいっと投げ渡す。七瀬は猫でも抱くようにして受け取った。
「どうぞ。『殿、温めておきました』って、豊臣秀吉の逸話だったかなぁ」
たしかに、腕に抱くジャケットはほんのり暖かい。
「でもそれじゃウォルターさんが」
ウォルターはギンガムチェックのネルシャツだけだ。
「倉前に薄着をさせてしまったのは僕のミスだよ。気にしないで」言いながらウォルターは車に戻り後部のトランクを開けた。「予備のブルゾンも積んでたはずなんだ。ほら、あった」
パーカーのついた黒いブルゾンをウォルターは引っ張り出した。ダウンジャケットに比べると薄手だが防寒着にはなるだろう。
「だったら僕はそっちを」
「これちょっとボロいんだよ、袖もほつれはじめてるしさぁ。メアリが何度か直してくれたけどそれも限界気味なんだよねぇ。捨てるくらいなら、って置いてただけのものだから。僕がこっちを着るよ」
遠慮しないでとウォルターは言うのである。さっさとブルゾンに袖を通してしまう。
「もしかして着方がわからない? なんなら僕が着せてあげようか?」
「わっ、わかりますっ」
車に乗るときもそうだったが、今日のウォルターは執事役の気持ちなのだろうか。七瀬はすぐにウォルターのダウンジャケットにくるまれた。
着たとたんびっくりする。ダウンジャケットというとぷくぷくしたイメージがあるがこれはまるでちがった。テーラード型のデザインでスリムフィット、加えてショート丈なのでおしゃれ感がある。着心地も最高だ。とても暖かいのは当然ながら、嘘みたいに軽いのだ。高級な詰め物を使っているのだろう。
「このダウンジャケットものすごくいいですね!」
いくらか高い声になってしまう。
「気に入ったならあげようか? 誕生日プレゼント――っていうには早すぎるしハーフバースデーもやったばかりだから、僕からのお年玉ってことで」
「こんな高級品もらえませんよっ!?」
どう見積もっても六桁はすると思う。しかも、冒頭の数字は一や二ではすまないかもしれない。
「いや実を言うとねぇ、それ、まちがってサイズ小さいの買っちゃったんだよねぇ。僕より倉前が着たほうがぴったりだよ。僕はひとつ大きいのを買い直すからさぁ」
そうしたらペアルックだね、となんでもないことのようにウォルターは言うのだが、七瀬としては恐縮至極だ。
「でもでもでもこんな高いのはっ……!」
「まあ考えといてよ」
特にこだわる様子もなくさっさと歩くとウォルターは、停泊してあったヨットに飛び乗った。
「さ、あとは常春の庭までノンストップだよ」
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年01月01日
参加申し込みの期限
2024年01月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年01月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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