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竜に乗ってどこまでも! 新春☆初夢フェア2024 ~竜編~
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【継承】
絹織の技法は中国に発した。紀元前の昔の頃だと言われている。艶やかで滑らかな繊維の女王。はるかな昔から人々はそこへ美麗な刺繍をほどこし、ことに貴きものを飾る高価な逸品として珍重した。かのシルクロードの名が示すよう、交易の要として広く取引もされた。中国においてはその製法の秘密を国外へもたらしたものには凄惨な刑罰の末にむごたらしい死がもたらされたという。
絹にはその肌ざわりやえもいわれぬ光沢に加え、特筆すべき特性があった。防刃・防弾、薄く軽くそして強靭であったのだ。戦へ赴く戦国の武将や、闇へ潜む凶刃におびえる為政者たち。砂塵に吹かれ銃弾をやりとりする荒野のカウボーイに血生臭い抗争の只中へ身を置くギャングなど、絹織のシャツやベストは乱世の武人やならずものたちにも重宝された。
特別な蚕の糸をつむいだ絹の織布護りは、歴史の大きなうねりの中で、幾度となく失われかけた命を拾い上げたという。
戦国の将が、ある女を訪ねた。女は
ツクヨミ
と呼ばれており、絹織の名手とされ、彼女の紡ぐ糸は目に見えぬほどに細く、織り上げた生地は羽のごとく軽く、それでいて飛来する矢を跳ねのけてみせるほどに強かであったという。
ツクヨミは香を焚き男を出迎えた。つつましやかな木造りの小屋だが、装いはまさに絹の滑らかを纏い、まるで天上から降りた女神のごとき者であったと男は後に語った。
小屋には美しく複雑精緻な紋様を刺繍された織布護りがかけられており、彼はそれがために命を救われたのだという。
「これは祖父の代より我が家に受け継がれし織布護り。三代に渡り、戦場において穿たれたであろう矢を弾き、胴を断ち斬らんとする刃を凌いできた。ツクヨミ殿、そなたが織り上げたものと聞きつけ、礼を尽くさねばと参ったのだが……このように若い女子であったとは。絹織の技も代替わりをされたのだな」
「さて、ま、ご想像におまかせするよ。確かにこれは私の織ったものだ」
「ほ、ほう? そうか。ふむ……そうか?」
「うむ綺麗なものだ、よほど大事に扱ったのだろうね。しかし糸がほつれているな。よし修繕してあげよう。なに、このくらいはサービスだよ」
「さあびす??」
織布護りはその後さらに三代に渡って、男の家につらなる者らを救ったという。
無法者がひとり、ツクヨミを訪ねた。いささかに強引な来訪だった。男はギャングで、血の気のなく白い顔をした情婦を連れている。女の腹部は赤く濡れていた。
dressesと掲げられた店のドアを蹴り開けると、焚かれた香を楽しむ間もなく押し入り、男は上等な絹を纏い銀髪をなびかせる少女を目にすると床へ押し倒し、拳銃を突きつけた。
「あんたがツクヨミさんかい。存外若いな……それはいい、あんたに頼みがあってね」
「断る。彼女の腹を縫えというんだろう? 私は医者じゃない、ごめんこうむるよ。病院へ連れて行きたまえ」
「……飲み込みが早いな。だったら分かるだろう? 病院には警察の息がかかってる。とても踏み込めたもんじゃねえ。そこであんたを思い出した。こいつがよく言ってたんだ、この絹織の護りは家宝で、遠い先祖の代からあたしまで、何度となく命を救われてきたんだって。そしてどうやらこれを作ったやつが、ここで店を開けているらしいと。不思議な女だと」
「その織布護りを殊勝にも、彼女は君へ渡したのだろう。やれやれ、愛ゆえにというやつかね」
「そ……そうだ。俺の身代わりになって、こいつは……だから頼む、こいつを助けてやってくれ。絹織だか医者だか、そんなこと知るもんか。どっちだっていいんだ、とにかくこいつを」
「断る。そもそも必要ない、彼女はここで死ぬ定めにはないのだよ。すぐに助けが来る。君たちがやってくる前、30分も前に連絡を入れておいたから。しかしまあ、織布護りをひとにやっちゃうとまでは想定外だったな。おカイコさまにも読めなんだ」
「な、なにをいって」
直後に踏み込んできた警官たちに男は捕縛され、女はすぐに病院へ運びこまれて手厚い治療を受け、一命を取りとめた。その手には絹の織布護りが握られていたそうだ。
老齢ながら聡明な光を瞳に宿す女だった。アジア系の顔立ちで、物腰穏やか。絹織を身に纏う上品な貴婦人に見えた。
女は漂う香をひとつ堪能すると、屋敷のそこかしこに飾られた織布飾りを眺め、ツクヨミへ尋ねた。
「あなたには、未来が見えるのですか?」
「私に見えるわけじゃない。私は読むだけだ。どれ、ついておいで」
ツクヨミは女を屋敷の庭園に建つ小屋へと案内した。
「最近はこのように手広くやっていてね。メイドたちに仕込んだら、実によく働いてくれる。ありがたいことだよ」
「これが……聖蚕なのですね」
養蚕小屋だった。メイド服の女たちが蚕の世話をしていた。木箱に細かく仕切られた無数の空間へ、白く綿毛のような蚕がのそのそと動き回り、葉を食んでいる。女たちは次々と葉を投じてゆくが、あっという間に緑は消費されていった。一日に途方もない量の葉を食べるのだという。
「糸を紡ぎ、編んでゆくのは私の役目だ。昔ながらの紡績機を使ってね。知っているかね? 足踏みして糸車をくるくる回すあれだよ。糸を紡いでいるとね、見えてくるのだよ」
「いったい、なにが?」
「流れさ。糸はある流れに沿って編み上げられたがっている。私はその流れを読み、正しく編んでゆくだけ。時に新たな流れを見い出し、刺繍を加えることもある。そうしてできた紋様が」
「未来を示す、と? 聖蚕が……未来を見ているのでしょうか?」
「さてねえ」
ツクヨミは語りを止め、女をじっと見据えた。不敵な面持ちだった。
女は気圧されたように少し怯んで見えたが、すぐに己を取り戻し、強く言った。
「聖蚕の絹織の技法は、かつて王朝より持ち出されたもの。私はその血を継ぐ、最後の末裔です」
「今日、君がここへやってくるのは分かっていたよ。それで? 太古の法にのっとり、私を罰するのかね? 陰惨な処刑で私を裁くかね」
「それは望みではありません。元より王朝の技法とて、いずこかより持ち込まれたのです。あるいはあなたが持ち込んだもの、かしら?」
「さて」
肩をすくめたツクヨミへ、女は懐から一枚の紙片を取り出し手渡した。
「一族は落ちぶれ、私はほとんど裸一貫からのし上がらねばなりませんでした。そのために私がどれほどに探り、精査し、検討を重ねてきたかをあなたに、知っていただきたかったので」
名刺だった。近年大きな業績を上げているというアパレルブランドのロゴマークと、その創始者の名が刻まれていた。
「つまり、ビジネスの話をしにきたのです。もっともあなたはとうに、ご承知のことでしょうけれど」
「うん。戯れが過ぎたね。では商談へ移ろうか」
ツクヨミの絹織はブランドを確固たる地位へと押し上げたが、女は約束を守り、ツクヨミの名が表へ掲げられることはなかった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年01月04日
参加申し込みの期限
2024年01月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年01月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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