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竜に乗ってどこまでも! 新春☆初夢フェア2024 ~竜編~
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【枝振りの先】
未来は一本道、たどるべきひとつしか存在しないのだといったい、誰が決めたというのだろう。あのときあの瞬間、別の選択をしていたならと考えたことが誰しもあるだろう。
未来は枝分かれしてゆく。あの瞬間、選ばれなかったがゆえに枯れてしまい、日の目を見ることのなかった未来もあったはず。それはよき未来か、悪しき選択か……たどってみなければ分かるまい。
世の定めを逸脱することに、人は寛容ではない。そうして己を守り、近しい者を守っている。逸脱する者は社会を乱し、規範を破壊し、やがて近しい者を殺すのだ。
だから
綾辻 綾花
は必死に、抑えつけてきた。ともすれば暴走しかねないほど、はちきれそうな想いを。
「えっ……」
「ごめん。もっと早く伝えるべきだとは思ってたんだけど」
クリスマスを間近に控えた12月。暖房のきいたあたたかな、少しばかり利用者も浮かれがちに思える図書室で、いつものようにカウンターでの貸し出しや返却の受け付けをしていた。それだけの他愛ない、しかし幸福なひと時のはずだった。
早川 珪
の告げた言葉は綾花にとって青天の霹靂で、なにかしらの刑の宣告にも等しく思えた。
「この学校にいられるのも、春までだ。その後は……僕は、寝子島を離れる」
どこへ? と当然のようにたずねると、彼はあいまいで苦い笑みを浮かべた。遠くであるらしい。告げられた行き先はただの一語でありながら、そこへにじむ彼の感情や思慮は、パレットにかきまぜられたいくつもの色のように複雑をなしたことだろう。
異動は彼が望んだわけではない。教員として幅広い視野と深い知見を養うため、ときに転任を勧められることがあるという。決まりは地方自治体によりけりだが、木天蓼市においては初任者は7~8年を経て異動すべしと定められているらしい。異動先は選べることもあるし、教育委員会が定めることもあろうが、珪のような司書教諭は学校にふたりと必要ないものだから、おのずと赴任先は限られてくる。
「仕方のないことだけど……いや、悪い話ではないんだよ。そうしてより多くの経験を積めば僕にだって、生徒へ還元できる知識が身につく。それに、必要とされているわけだからね。応えたいという思いも……」
「珪さん」
生まれも育ちも寝子島で、綾花にとっては離れるのは簡単なことではない。そもそもなぜ離れる必要があろうか、彼とは、そう……恋人同士でもあるまいに。ただの生徒と教師に過ぎないというのに。
規範は絶対だ。堅物だとか生真面目だからとか、そんな言葉で軽々しく扱ってよいものではない。守られねば個々人の権利や生命をも危うくし、近しい者へ危害をもたらす。家族や、目の前の彼へとっても。
「デート、しませんか」
全て呑み下した上で、綾花は選択した。踏み越え、逸脱者となることを決めた。
未来に伸びる枝振りの新たなひとつを生み出した瞬間だった。
なにはばかることがあろうかと綾花は思ったものの、捨てばちになってしまうこともない。珪を誘うのは東京のど真ん中。近くて遠く、人の流れは過密でありながら繋がりは疎としたコンクリート・ジャングルだ。ふたりにとって多くの人影は無彩色であり、ならば道行く人々にとってのふたりもそうだろう。
綾花の目には彼とその周りだけが色づききらめいて見えて、もはやそれのみしか目に入らない。
「さて、どこへ行くんだい」
「もちろん、まずは」
「まずは?」
「ニャンドです!」
クリスマスイブのニクキューニャンドは恋人たちのまとわせる甘く桃色のオーラに満ち満ちていた。綾花と珪も……たがいにそうと口にしたわけではなかったが、アトラクションに並びひとつのフードやドリンクを分け合い、絶叫マシンにかこつけてぎゅうと抱き締め合い、腕をからめて歩く人々のなかにまぎれて違和感ない程度には甘い空気感をほのめかしていた。それでよかった。寝子島の外でなら誰に目ざとく見つけられるわけでもない。
「珪さん! なにか食べますか? 飲み物もほしいですね。次はなにに乗りましょうか。あ! あっちにハッピーとチャーミィが!」
「ははは、よし、行ってみよう。思いつくこと、全部やろう。あれも食べてみようか」
蒸気機関車に乗って西部劇の世界を走り抜け、海賊船のクルーとなってスリル満点の船旅を満喫し、丸太のボートで急流下り。合間に少しばかりの休憩をはさみ、キャラクターをモチーフに彩られたプレートランチをいただき、ソフトクリームはふたりでひとつ。ゴーストマンションで思いきり声をふりしぼり、彼の腕をきつく抱きしめ、ガラスの城で魔法にかけられたように身を寄せ合って、やがて夜を迎えた。
綾花の胸は締めつけられ、砕け散りそうなほどに早鐘を打つ。
城は確かに、魔法の力に満ちていたのだろう。でなければ綾花が、彼へと歩み寄る最後の一歩を踏み出せたかどうか。
「……
好きです
」
「うん……」
「私……珪さんが、好きです!」
彼の胸へと飛びこんだの綾花のほうだったが、抱きすくめ唇を寄せたのは彼だった。
「珪、さ……」
身じろぎもせぬまま長い間、永遠とも思えるほどの時が、瞬く間に過ぎていった。
名残り惜しくも唇は離れ、彼は、彼もまた教師という殻を脱ぎ去り、踏み越え、珪として綾花の瞳をのぞき込み言った。
「もう、我慢はしないから」
枝振りはまだ伸びゆく。この先にも時に分かれ、時に絡みあい、見とおせないほどに遠くまで。
よき未来か、悪しき選択か、誰にも分かりはしない。ただこの道を真っすぐに、振り返りもせず、歩いてゆくのみ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年01月04日
参加申し込みの期限
2024年01月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年01月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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