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竜に乗ってどこまでも! 新春☆初夢フェア2024 ~竜編~
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【風の王国にて】
この季節に吹く雄々しい西風を、旧文明語で神渡しといったそうだ。ヤオロズの神々を、彼らの集う聖なる座へとこの風が送り届けるのだという。髪をやさしくなで、力強く背を押してくれる風を浴びているとたしかに、間近に神聖なものの存在を感じずにはいられない。
風使いの末席として、わたしも調査へ加わることになった。なんて光栄だろう! 発掘された旧文明の妙妙たる遺産たち、そのなかでも王立学究院が神なる逸品と定めたかの名画、『風の御子』のルーツをたどる旅だ。もっともわたしが調査隊へ招かれたのには、わたしの積み重ねた学績以上の理由があるのだろうけれど。
「おい、君、準備はよいか? もたもたしていると、風に乗り遅れてしまうぞ」
「あ、はい! 今すぐに!」
「よし、では出立する!」
ともかく総勢7名の調査隊は秋の終わり、ミツコブラクダの背に乗り王都を出発し、広がる砂塵のなかへと足を踏み出したのだった。
旅は過酷をきわめた。分かっていたことだけれど……学究の徒として邁進し、武芸や運動競技はおろか外出さえ億劫にしてきたわたしにはなんとも、しんどい道行きとなった。
「ほっほっほ。君はもう少し、身体を鍛えたほうがよいね。研究者も身体が資本だよ」
「はあ。まことに……ごもっともで。ふう。はあ」
腰の曲がったじいさまばあさま連中のほうがよほどに健脚であるのが情けない。ああ、わたしも吹きすさぶこの風に乗って飛んでいけたらいいのに。
言わずもがな、我が王国は風の王国だ。外敵の侵略、地殻変動に伴うあの大火の時も、大干ばつの時も、あらゆる危急をみたびに渡り吹いた碧風が晴らした……と伝わっているけれど、そんな風が吹くのをこの目で見たことはない。伝説上の幻の風だ。それを吹かせたのがかの風の御子なのだという説が一般的ながら、時の王がいささかの誇張と茶目っ気を盛り込んで流布したものだというのが研究者たちの定説となっていたりする。
なんにしろこの旅を通じ、伝説の真実の一端でもひも解ければ万々歳だ。名画、風の御子については今もってなにかと謎が多い。調査隊は、わたしは、この旅の途上になにを見い出すだろうか。偉大な発見に鼻高々な自分を想像し、胸が高鳴った。
などと浮足立っていたのが良くなかったと思う。ミツコブラクダは大柄で長旅に適しているけれど、あえて人を乗せることに関して言えば適しているとはいえない。一生懸命我々を運んでくれるラクダたちには悪いけれど、あの揺れは端的に言って破滅的だ。
つまりもう少し集中を保っている必要があったのだが、わたしの低体力はあっさりとそれを放棄した。最後尾のラクダの三つ目のコブにすわっていたことも不運だった。旅の七日目にして落下し流砂の谷へ落ち込んだわたしを、調査隊の面々はあっさり見落としたようなのだ。
「うう……」
思わず追い詰められたムツアシイヌのような声をもらし、周囲をうかがう。谷は深く、とうてい人の手で登れそうにはない。平素から運動不足のわたしにはなおのことだ。
じわじわと沸き上がる絶望感に苛まれながら、持ち物を確認する。食料は数日分、水は残り少ない。信号弾が2発。花柄のタオルケットに寝袋。あとはラクダの背の上だ。必要十分とはいえない。
こう見えて風使いのはしくれだ。手のひらに風を起こしてみる。頭に積もった砂を落とし、ブーツの汚れをはらったところで息が切れた。
「ど、どうしよう……」
熟達した風使いならばこの程度の谷、飛び上がって乗り越えられたかもしれないけれど、わたしが吹かせられるのはせいぜいが小さなつむじ風くらいのものだ。
背中が一気に冷たくなってきた。
「どうしよう! このままじゃ砂に埋もれて」
「あれれ? どーしたの、こんなところで」
ふと聞こえた軽やかな声に、思わず飛び上がった。
「わかった! ラクダからおっこちたんでしょ?」
振り返り、息をのんだ。
目の前を、一陣の風が吹き抜けた。
信じられない。あの絵のままの風の御子が目の前にいる。笑っていた。まるで子どもみたいにあっけらかんと。風をはらみふわりと舞い上がる髪。純白の装い。胸に抱いたぬいぐるみまでそのままだ……ずいぶんとくたびれて、すりきれてはいるけれど。
「か、風の御子……?」
「あー、またそれ! 私、ミコじゃないのに、みんなそうやって呼ぶの。私は
晴月
!」
「はづき……」
頭のなかが混乱していた。それはそうだ。物語のなかの人物だとばかり思っていた風の御子が、今ここにいる。わたしと会話している。理解が追い付かなかった。
「このへん、こーいう割れ目がいっぱいあるの。あぶないし、おっこちるひともいるから、ときどき見にくるんだ」
にか、と頭上の太陽に負けじと微笑んだ。
「運、よかったね! 私がとおりがかって」
「き。聞きたいことが……あるんです。風の御子さま」
「ミコじゃないってば! それより早くでないと、砂でうまっちゃうよ?」
「いえ、それよりも」
たずねなければならないことがあった。それを知るために旅へと出たのだ。
「教えてください。あの絵を描いた人のこと……あなたを描いた、絵描きのことを!」
「絵描き?」
おどろくべきことが起こった。よほどに大切なのだろうぬいぐるみをぎゅうと抱き込み、風の御子の笑みが華々しく深まったのもそうだが、その周囲に渦巻き始めた突風は、輝く碧緑をはらんでいたのだ。
「絵描き! ふふふ。うふふ」
「教えてください、その人はもしかして、あなたの」
「ラッセル。
さくらいラッセル
!」
そうして風の御子は、名を呼んだ。
「私のね~。ふふふ、ふふ。すっごく、すーっごく……たいせつなひと!」
吹き上がる鋭く勇ましい碧の風はまたたく間にわたしを谷の上まで運び、少し乱暴に砂丘の上へと落っことした。
最後に見たのは、なにやら照れくさそうに両手へ頬を当て、ほのかに赤く色づく幼さ残す笑みだった。
しばしそうして、呆けていた。
「おおい! 無事かね! ケガなどしてはおらんかね、サクライくん!」
呼ばれて我に返ると、調査隊の乗るラクダが引き返してくるところだった。わたしの不在に気づいたのだろう。
「ああ、よかった。谷には落ちなかったのだね。運が良かったな」
「ええと」
風の御子があらわれて、わたしをすくい上げてくれた……などと正確に語るにはもう少し、わたしの頭が落ちつくのを待つ必要があるだろう。なにしろわたしは、興奮冷めやらずだったから。
御子その人の口から、本当にその名を聞けるとは思わなかった。風の御子を描いたらしい、わたしと同じ名前を持つ、伝説上の絵描き。わたしのルーツ。御子とはどんな関係だったのだろう……ずっと長いこと、想像するばかりだった。
「あ」
頭の上を、ミドリヒタキが碧緑の尾を引いて飛んでゆく。ぼんやりと青空を眺めて、ちょっとだけ冷静になれたわたしは、
「あの。実はですね……」
わたしの体験を少しずつ、語り始めた。
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担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年01月04日
参加申し込みの期限
2024年01月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年01月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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