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竜に乗ってどこまでも! 新春☆初夢フェア2024 ~茄子編~
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人間、生きていれば色々あるものだ。
ドラマのような奇跡も、地獄のような悪夢も。誰にだって起こり得るはずの『色々』な出来事。
けれど、大多数が言う『色々』に、
朝鳥 さゆる
が経験してきたことのどれだけが含まれているだろう。
さゆるだって、ありふれた日常を歩んできたとは思っていない。どちらかと言えば理解を得られるものではないとも自覚しているし、多数から共感を得たいというわけでもない。
……ただ、否定だけはしないでほしかった。想像の範疇を越えていても、作り話だと笑ったり変に線を引いてしまうのではなくて、「そういうこともあるよね」と相づちを打ってほしかったのだ。
決して才能溢れる特殊な人間ではない。
過去を忘れられるわけでも、禊ぎを終え生まれ変わることが許されたでもないけれど、さゆるは普通の女の子だ。
人並みの幸せに手を伸ばしていい。前を向くことは誰からも咎められていないし、誰かと歩む幸せを願ってもいい。そう信じることができたからこそ、さゆるは微笑めるようになった。
……は、いいものの。
「時間、大丈夫なの?」
録画された同じアニメを繰り返し見ている
姫木 じゅん
の姿を盗み見ながら、さゆるは掛け時計の時間を読み上げた。
別にさゆるだって、じゅんのシフトを細かく知っているわけではないが、確か今日はその繰り返し見ている新アニメ――『底辺スキルで成り上がれない悪役令嬢は、ゲーム開始に間に合いそうもないので離脱しますね!』とかいう作品のファンと同伴だとか言ってなかっただろうか。
「やっば、原作も読み返したかったのに!」
慌てて身支度を整え始めるじゅんに、呆れ混じりにさゆるもそれを手伝う。カートンで買われた煙草のストックから2箱とデコデコしいライター、それからアイロンを当てておいたハンカチなど、いつもの仕事道具を揃えてテーブルに置いて、じゅんがメイクをしやすいように動線を整えるのも、もう随分慣れた。
こうして慌ただしい出勤ではないときは、空きっ腹のアルコールを避けるために、軽めの夕食を共にすることもあるし、休日だってお昼頃に起きてきたじゅんと出掛けることだってできる。
……だけど、どうしても生活サイクルのズレは埋められず、もやもやしてしまうことはある。
「さっすがさゆる♪」
感謝の気持ちを込めて、軽く頬にキスをくれるじゅんにとって、キャバクラは天職なのだろう。さゆる以外の誰かに笑いかけて、一緒に食事をするのも仕事の一環で、特別な意味はないとわかっている。けど。
「あまり飲み過ぎないでね」
返事のようにさゆるからも軽いキスを返して、玄関先まで見送る。
いつものこと。だけど何故か今日は、胸が酷くもやついた。
こんな時に限って、家事はすぐに終わってしまう。
日が沈めば大きな物音は立てられないし、どこか丹念に洗おうにも、さゆるが暮らすようになってからはこの部屋も荒れ放題ではなくなったので洗うところがない。
気もそぞろで読書の気分にはなれないし、おかずの下拵えも済ませてしまった。ゆうに2、3日はゆっくりできそうなストックを眺めて、さゆるは静かに冷蔵庫を閉じて溜息を吐いた。
(あとは……)
散歩ついでにコンビニに何か買いに行こうか。けれど、見た目で補導されることがないとはいえ、今から一人歩きというのは卒業を控えた身でよろしくないだろう。
ならのんびり半身浴でもしてみるか。そうは思っても、長身のさゆるではこの部屋の浴室はゆったりするにはやや手狭。部屋の掛け時計を眺めて、じゅんが帰ってくるまでもう暫くあるのを確認すると、さゆるは再び溜息を吐く。
じゅんの仕事に理解が無いわけではない。お店も安心して在籍できる職場だとわかっているし、じゅんが自分とのことを優先してくれていることもわかっている。
だけどどうしても、割り切れる部分だけでもなくて、さゆるは眠剤に手を伸ばした。
この胸の内に残る純粋な幼さが、大人の足を引っ張ってしまうと言うのなら――甘えたいと手を伸ばしてはいけない気がする。
だってもう、自分は分別のついた大人であるべきなのだから。
瞼が重い。
うつらうつらと働かない頭で、眠剤が上手く効かなかったのだろうかと考え、さゆるは二度寝のためにシーツへ顔を埋めた。
仄かに煙り混じりの落ち着く香り。けど、手触りの良すぎる寝具。確かに自宅は星ヶ丘の豪邸だけれど、今のさゆるにとって家と呼べるのは……どこだっただろう。
僅かな違和感は久しぶりに飲む眠剤のせい。きっと感覚が弛緩していているから、考えも纏まらず余計なことを考えてしまうんだ。今はさして気にすることでもないだろうと、さゆるは寝返りを打つ。
その時。
軋むベッドの感触がやっぱり違う気がして薄目を開けると、見知らぬ天蓋が映っていた。数度瞬き、さゆるは異変を異変と認識して上体を起こした。
「え……」
眠剤に手を出したところまでは覚えがある。でも、それを飲んだのがどこだったのかが曖昧だ。
思い出そうとすればこめかみが痛み、状況がよくわからない。眠剤を飲んでから出掛けるようなこともないはずだが、なら一体どこに居たというのか。
全てを覆い隠すように垂れた天蓋は外の光りを通さず、時間も、他に誰かがいるのかもわからない。ただ1つ言えることは、自分はこの場所を知らないということ。
(自分の部屋でもないし、ホテルっぽくもないし……)
ゴクリと唾を飲み込むと、さゆるは妙に冷静な気持ちで天蓋を捲った。
カーテンの隙間から覗いたのは、淡いピンクのフットライトが艶めかしく部屋を照らす様子と、悪魔や髑髏といった悪趣味な飾りがそこかしこに並んでいるのが見えた。そういった類いの店かとも思ったが、それにしてはベッドが上質すぎる。……どうやらここは、『異質な場所』らしい。
「――っ!」
気付くが早いか、さゆるは咄嗟に声を殺して後ずさりをした。
幾度となく悪夢のような夜を過ごし、痛みを刻みつけてきたというのに。逃げるなんて考えず、むしろ望んで蜘蛛の糸に絡まれていたというのに。
内側から大きく警鐘が響く。何故だか全てを投げ出してされるがままでいようとは思えず、逃れたいと必死に心の中で助けを求めた。
「起きたの?」
この部屋の主か、逃げないように見張りを頼まれているのか。やけに掠れた声は年齢も性別も予想できず、さゆるはこの場をどう切り抜けたらいいかと頭を悩ませた。
ともかく外にさえ逃げ出せば、あとはいかようにもなる――!
遠慮なく天蓋を開け放たれた瞬間、さゆるはスプリングの勢いを借りて思い切り人影に体当たりをした。
「ちょっと、さゆる!?」
なぜ、自分の名前を知っているのだろう。そう思うのが先か、心に戦慄が走るのが先か。さゆるは無視することができなくて、思わず組み敷いた相手を見下ろした。
思っていたよりも小柄な少女だ。とても誘拐だなんだとできそうな力強さは感じない。かといって、知り合いでもない。
(知らない……わよね?)
外では気の強そうな瞳をし、時に媚びたような愛くるしさを見せるのに、本当は内に籠もりがちな臆病な人。
放っといてくれればいいのに構い倒すし、本棚には理解のし難い物ばかりあるし、家事だってできないし。
何故だろう。知らないはずなのに、深く彼女を識っている気がする。
混乱している中でも、さゆるは『誰?』と問いかけてはいけないと思った。この人を悲しませることはしたくないと、懸命に記憶の糸を手繰り寄せてみようともした。
けれど――本当に、この先にあるのは思い出していいことなのだろうか?
戸惑うさゆるを見て、少女は苦笑する。まるで、こうなることを知っていたかのように。
(そんな悲しそうな顔で笑わないで)
名前を呼びたいのに、訊ねようとすれば頭が痛む。何か安心させてあげる言葉をかけたいと思えば、人魚のように声を失う。
何も知らない、何も覚えていない。だけど、こんなにも心は訴えている。
「さゆるは、何度でもあたしを好きになってくれるでしょ?」
ふわりと微笑まれて、酷く泣きそうになってしまう。
例えこれが都合の良い夢なのだとしても、縋っていいと言って欲しい。
(初めて会うはずなのに)
こんなに離れがたいと思ってしまうのは、どうしてなんだろう――。
「まぁ、異世界召喚なんてされちゃったら、記憶だって混乱するよね~」
さゆるをベッドサイドに座らせて、少女は妙に早口で語りだした。
媒体が云々、魔力が云々。その勢いは、まるで好きなアニメの話をするときの愛しい人そのままで。
気が良くなると、聞いてないところまで話すところとか。相手のペースを考えずにまくし立てるところとか。
こんなにも知っているのに、どうして忘れていたんだろう。
「……じゅん」
「なによ」
ここからがいいところなのにと言わんばかりの顔で、視線を寄越してきたじゅんは、少し驚いたように瞬いている。
「すきよ、じゅん」
また夜が怖くなったとしても、もう狩り場をうろつきはしない。眠剤だってきっと減らせる。
だってもう、抱きしめたい温もりは見つけたんだ。縋れる物ならなんでも良かったあのときから、少しずつ変われているはず。
大切な気持ちを思いだして微笑むさゆるに、じゅんは思い切り飛びかかった。
「さゆるぅ~っ!!」
大きくベッドに倒れ込み、スプリングが勢いを飲み込むように弾む。ぎゅうぎゅうと抱きしめられる腕が少し苦しかったけれど、さゆるはそのままじゅんを抱きしめ返した。
「ほんとはね、記憶は戻らないかもって諦めてたの」
この世界のこと、さゆるをずっと探してくれていたこと。話すのをやめないじゅんは、腕の力も緩めない。
「じゅん……もう少し、腕を……」
落ち着くように背を軽く叩いても、適当に相づちを返しても、じゅんの勢いは止まることを知らず――さゆるは、心を鬼にしてじゅんの腕を掴み上げた。
「あたしはどこにもいかないから!」
その大きな声に、さゆるはハッと目を覚ました。
煙草の香りが染みついた部屋に、程よい狭さのベッド。いつもの部屋で、何を寝ぼけていたのだろう。
(別の世界でも、じゅんと一緒にいるなんてね)
始めこそ忘れていたけれど、ちゃんと思い出せたということは……生まれ変わっても、じゅんを愛するのだろうかと考えてしまう。
そっと隣で眠っているはずのじゅんの顔を覗き込もうと身じろぎすると、隣ではシーツの隙間から顔を出してニヤニヤと微笑むじゅんがいた。
手にはじゅんの腕をしっかり掴んでいて、先ほどなんと叫んだのだったか。
「ちが、あれは夢の話で」
「ええ~、どんな? あたしを愛しすぎちゃってる夢?」
じゃれ合う2人が、そのまま何事も無く二度寝をするわけもなく――。現実でも、愛を確かめ合うのだった。
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担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年01月03日
参加申し込みの期限
2024年01月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年01月10日 11時00分
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