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竜に乗ってどこまでも! 新春☆初夢フェア2024 ~茄子編~
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ブラックウッド邸のインターホンを押す。
たったそれだけのことなのに、
稲積 柚春
は幸せの音色を聞いたとでも言わんばかりに微笑んで見せた。
なぜなら今日は、突撃お宅訪問でも
メアリ・エヴァンズ
のお手伝いのついでにお茶をしにきたのでもない。この家の主、
ウォルター・B
に誘われてやってきたのだから、込み上がる喜びが漏れてしまうのも頷ける。
「やあやあ、いらっしゃい。待ってたよぉ」
出迎えたウォルターは、いやに上機嫌だった。彼から自宅に招いてくれるくらいだ、秘密の逢瀬を喜んでくれていることだろう。
(……でも、ワットのことだし期待しすぎは禁物かな)
同じ気持ちであると言ってくれたけど、恋人にはしてくれなかったように。
いい雰囲気になれるかもと期待するようなシチュエーションでも、素っ頓狂なことを言ってみせるように。
それが教師と生徒という垣根がある故なのか、ウォルターの性格故なのかはわからないようで、柚春にも少しずつわかってきた。
「今日はお招きありがとう。どういう風の吹き回し?」
「酷いな、それじゃあ僕がいつも柚春を蔑ろにしているみたいじゃないか」
そこまでは言ってないけど、と苦笑しながら柚春はじぃっとウォルターの顔を覗き込んで、彼の瞳に動揺が見られないか探る。
「でも、あんまりワットからは誘ってくれないよね。すぐ先生の顔しちゃう」
「そうかなぁ」
お休みの日は名前で呼び合う約束だって、結局周囲の目を気にしてか有耶無耶になってしまうことも多い。柚春は頬を膨らませて抗議した。
「そうだよ! 僕じゃなかったら不安になってるところだよ」
「柚春は不安にならないの?」
応接室の扉を開けようとした手で、ウォルターは柚春の手を取った。しっかりと握り、申し訳なさそうに軽く眉を下げて見つめ返されると、柚春の胸はぎゅっと締め付けられるように痛んだ。
「僕は……わかってるよ。仕方のないことだって、だから大丈夫」
同年代と恋愛するような価値観で、彼に気持ちを押しつけてはいけない。
ひとつ我が儘を言ったが為に、どれほどの迷惑をかけてしまうかなんて、深入りする前からわかってた。
「違うでしょ」
繋いだ手を引き寄せて、ウォルターは柚春を胸に倒れ込ませた。お互いに厄介な肩書きを背負っていても、気持ちを打ち明けることを選んだ彼が、彼女の不安を見ない振りなんてできるはずがない。
「言ったじゃない、ちゃんと同じ好きだって。もう少し僕に甘えてよ」
ぎゅうっと力強く抱きしめられて、柚春は彼を見ることもままならない。どんな顔で言っているのか見えないけれど、代わりに優しく頭頂部や額にキスの雨が降った。
「わ、ワット……ここじゃメアリさんに」
押しのける気持ちはサラサラないけれど、一応の良心が柚春を留める。けれどもウォルターは、キスを止めるつもりはないらしい。
(ワットも甘えたい気分なのかな?)
そっと抱き返すように腕を伸ばし、もっととねだるように顔を上げる。
「本当はね、僕……ワットに、もっと……」
近づきたい。想いを交わし合いたい。
卒業まで抑えなければならない気持ちだとわかってはいるけれど、彼からお許しが出たなら――。
ぎゅっと強く抱き返したウォルターが、いやに細かった。
彼も筋骨隆々という程ではないが、柚春より背丈のある男性だ、こんなにふかふかな手触りなことはない。
(――ふかふか?)
はたと違和感に気付き、柚春は腕の中のウォルターを確認する。
どうやらしっかり抱きしめていたのは、掛け布団だったらしい。
「夢……」
そりゃあ、ちょっと都合が良すぎるかなとは思ったけれど、それならそれで最後まで見させてくれればいいのにとも思うわけで。
(もうっ!)
すっかり目が覚めてしまったけれど、柚春はなんとか夢の続きが見られないかと布団を被り直した。今日は休日だけど、生憎デートの予定はない。メアリに連絡をとって、屋敷の手入れを手伝わなければウォルターには会えないかもしれないというのに。
ゴロゴロと転がってみたけれど、やっぱり眠れそうな気配はなく。柚春は諦めて、渋々と起き上がった。
スマホのメッセージを軽く流して、洗面台に向かう。パシャパシャと顔を洗っている最中、水の冷たさに段々冷静になってきた。
(そもそも、始まりがおかしいんだよ。ワットから僕に会いたいって言うなんて、これまでで何度あったか)
数えてしまうと悲しくなりそうだが、恐らく最後に誘われたのは――。
「あれ?」
まだ夢と現の区別がついていないのだろうか。柚春は濡れている手も構わず、そのままスマホを操作する。
するとそこには、ウォルターから昨夜のうちにメッセージが届いていた。
――明日、会える?
短いメッセージは、どんな用事かなんて書いていない。
これはもしかすると……もしかするのだろうか?
それからの柚春はドッキドキだ。
ウォルターからのお誘い、もしやあの夢が正夢になってしまうのではないかと気が気ではない。
(いや、ないとは思ってるよ。でも、ないとは言い切れないよね!?)
メッセージには、どうして柚春を誘ったのかの理由は書かれていなかった。他のまっとうな理由によると考えるのが妥当ではあるが、普段の行動力が功を奏して彼も甘えさせてくれる日を作ってくれたかもしれない。
もしくは、それこそ限りなく低くはあるが――ウォルターが甘えたい可能性だってゼロではない。
(そ、そんなこと言われたらどうしよう?)
普段から押せ押せな柚春ではあるが、それは待っていても彼からのアプローチが見込めないと思っての所もある。彼が程よくブレーキをかけてくれるから、良い塩梅のコミュニケーションが取れているのであって、その制限が取り払われたらと思うと緊張だってする。
どうにか煩悩を振り払いつつ、ブラックウッド邸のインターホンを押す。
いつものようにメアリが迎えてくれるだろうと思っていた柚春の目の前に現れたのは、予想外にもウォルターだった。
「やあやあ、いらっしゃい。待ってたよぉ」
「え?」
つい素っ頓狂な声で返してしまい、柚春は慌てて「お招きありがとう」と礼を述べた。
「あはは、メアリが出ると思った? 今は買い物に出掛けて貰っててさ」
「そ、そうなんだ」
つまり、この屋敷にはウォルターと柚春の二人きり。まさに夢の再現となったわけだけれど、それだけで飛躍してしまうのは気が早すぎる。
何せ相手はあのウォルターだ。これはもうという所まで期待値を上げておいて、何食わぬ顔でかわしてみせることだってあるのだからと言い聞かせた。
(あれは夢だってわかってるけど)
それでも、誰に憚ることもない空間に呼ばれたという事実が、柚春をのぼせあげてしまう。
応接室までの廊下を歩くだけなのに、鼓動はマラソンでもしたかのように早鐘を打つから、柚春は冗談めかしてウォルターの手を取った。
「ワットから誘ってくれるだなんて、珍しいよね。どういう風の吹き回し?」
もちろん、とっても嬉しいことも申し添えておく。いつもこうならいいのにな、なんて笑えばウォルターは少し困ったように笑った。
その顔は夢と同じ――どこか申し訳なさそうに軽く眉を下げ、詫びるように繋いだ手を強く握り返された。
「ごめん。僕の勝手で柚春を振り回してるってわかってる。それでも……」
夢が重なる。
このまま彼の胸に引き寄せられて、キスの雨が降るんじゃないかって。ここまできて、期待するなと言う方が無理だ。
言葉の続きを待つように見つめ返し、焦れったいとでも言うように顔を寄せて。じぃっとウォルターの瞳を覗き込めば、彼も僅かばかりに頬を染める。
「こんなこと、言う方も恥ずかしいんだよ?」
コツンと額を合わせて苦笑する姿が可愛くて、柚春の胸がきゅうっと締め付けられる。今なら、どんなお願いでも聞いてしまいそうだ。
不思議ともう、緊張はなかった。全てを彼に任せていれば不安もないと――柚春はある種の覚悟を決めて、少しだけ踵をあげる。このまま唇を触れあわせるのは簡単だけど、ウォルターから求めて欲しいと思って距離はギリギリで止めておいた。
「……おしえて?」
ウォルターの恥ずかしいお願いも、この先の睦言も。
なんだって知りたいと、叶えてあげたいと優しく笑む柚春に、ウォルターは瞬きほどの速さで軽く口づけた。
「助かるよ、こっちに入って」
いや、口づけたと思った瞬間には離れていたし、ちょっと体勢を整えるのに口先が掠めたような、ギリギリ触れてないような、どちらかは曖昧だ。
キスか否か。柚春に問答させる時間は与えられず、開け放たれた応接室の扉に絶句する。
「…………えっ?」
散らばった何かの書類、片っ端から開けられた段ボール箱には工作道具だろうか。とてもじゃないが、甘い時間の続きが過ごせるようなムード満点の部屋、とは言い難い。
「クリスマスが終わったらイースターだよねぇ」
「え、あ、うん?」
「今年はメアリにも孫が産まれそうで、贈り物にも力をいけなきゃいけなくてさ」
それなら、こちらの屋敷を飾り付けた様子も送ろうか。メアリの近況を綴るにしたって、写真の1つでもあったほうがいいだろうか。子供のようにはしゃいであれこれ考えていたとき、ウォルターの頭の中に浮かんだのが柚春だったらしい。
「こういうの、得意でしょ?」
頼られて嬉しくないわけじゃないけれど。
つまり本当に、彼は所用で呼んだだけで――正夢でもなんでもなかった。
(わかってた! わかってたけどっ!)
期待していた恥ずかしさで、柚春はその場にへたり込む。そんな様子を見てくすりと笑ったウォルターは、柚春の目の前にしゃがみ込んだ。
「……でも、その前に。メアリもいないことだしね?」
悪戯顔に変貌する彼に期待してはならない。何度も学んだことだけれど、だからと屈してしまうのも悔しい。
だから柚春は、懸命に自分ができることを考える。
「膝枕、してあげよっか」
その提案に、ウォルターは一瞬ポカンとしてから吹き出すように笑って。
2人はメアリのいないうちにしか出来ない睦言を、ゆっくりと楽しんだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年01月03日
参加申し込みの期限
2024年01月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年01月10日 11時00分
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