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さよならのむこうがわ ~深淵特急『死兆星』の旅~
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「おりゃあああ!!」
歩の豪脚が錫杖を弾き返し、夏夜の飛ばしたシールが深泥王の動きを鈍重に縛る。サキリが膨張する闇に捉えられたが、すぐさま切り裂きろっこんにて脱出した。
ふいに壁の向こうへ暗闇が降りた。どろでろろの薄膜を通して見える車外の風景が変化したらしい。夏朝ははっとして後ろを振り返る。
「深淵が近い……!? 八神君、準備は!?」
「いつでも構わない。みなは撤退の用意を!」
逃走ではない。信じたが故の作戦だ。葵や和穂、瑠樹、キィに柚春は機関室の後方へ。歩、サキリ、幸次らはギリギリまで時を稼ぐ。想花とサニーが壁の中へ引きこまれるのを、彼らは目にしていたので。
「こ、これ……どろでろろの中を、泳いでる!?」
想花はすさまじい奔流に流されまいと必死に掴み、黒猫を抱いていた。
「俺、列車と対話しようとしてみたんだけどさー」
武道は泳ぐ。全速力だ。想花が振り落とされないよう速度を緩めている余裕は無かった。そうならないことを祈りながらに全力で手足を掻いた。
「れ、列車と……?」
「そうそう、だってカワイソウジャン? 列車だってどろでろろのせいで望まない仕事をさせられて、生者を乗せたまま深淵へ行くのは不本意だろうしさ。んで話しかけてみたら、やっぱり困ってたみたいでサー。協力してくれてるんだよ」
「れ、列車が……?」
「SO☆」
壁を泳ぎ天井を這う。所狭しと並ぶ計器も機材も武道を阻むことはできず、フリーパスだ。激流のごとく泳ぎ切り、瞬く間に終点へと到達する。
「さて、お降りの際はお忘れモノにご注意ください☆ 手離すなよ、想花ちゃん。全部、全部だ! あのどろでろろから、根こそぎ奪い取ってやれ!!」
「わっ」
叩きつけるほどに背中を押され、想花は加速した。どろでろろの中は暗く青く、ぼんやりとしていて……その中にたった一つ。確かな輝きがあった。
「!? 想花ちゃん……サニー!? ダメ、来ないで!! 逃げてぇ……!!」
「躊躇うな、いけっ想花ちゃん!!」
何と頼りがいがあるのだろう、この元生徒会長は。彼には及ばぬながら、想花は片腕に黒猫を抱きこんだまま青黒い闇の中を泳ぎ、確かな白い光を放つ涙まじりの彼女を、なびく白と黒の髪ごと。
「……滴、さんっ!!」
抱きしめた。
弾け飛んだ。内から膨張し、爆ぜたのだ。
「出た! 八神君!」
「急いで回収するんだ、もう時間がない! すぐに切り離すぞ!」
飛び散る黒と青の飛沫を破り、現れたのは想花に抱きすくめられた白黒髪の少女。他ならぬ滴だった。警戒を解かぬまま、想花の肩に乗り闇を威嚇するサニーの二又尻尾もちらと見える。
直後に、深泥王へもまた爆発的な変化が生じた。
「これは……車両を覆っていたどろでろろが、消えていく?」
「ち、違うっぽい! みどろおーが、でっかくなってるよぉ!」
指さす瑠樹に和穂もそれを見た。深淵特急は今やどろでろろからの支配から解き放たれたが、全ての闇を自らのもとに引き戻した深泥王はさらに巨大化しようとしていた。
いや。
<──取り込む。潰す。我が物に……わ、わが、わががが、とりこ、つぶし、し、ししししし、全て、べて、が、ががが、がががががががが──>
滴という媒体を失い、統制を奪われた深泥王はもはや人型を保つこともできず、タールのような単なる蠢く闇へと還元されてゆく。
「っ、線路が、先がないよ!!」
「もう時間が……!」
柚春とキィの叫びに悲壮が混じる。後部車両の者を案じたのだろう。仲間たちは既に機関車両後部へ撤退していたが、想花らの姿は未だ車両の中ほどにあった。想花はぐったりとした滴を抱え、足取り重くも着実に歩を進めている。長く取り込まれていたからか、衰弱した滴は意識を失っていたのだ。
「くっ、限界だ。これ以上は全員が戻れなくなる……切り離すぞ!」
修にしては決断を遅らせていたのは、滴の帰還を待ちながらギリギリまでタイミングを計っていたからだ。後部車両と機関室の接続部、錆びた金属の繋がりを睨み集中する。
「分解!!」
鎖を力任せに引き千切ったような鈍い音と共に、車両と車両の繋がりは分かたれた。機関室にはどろでろろの全てが詰まっている。恵御納姉妹の発案による策が成った瞬間だった。
「そんな……滴ちゃん!」
どろでろろの隔たりが解かれ、後部車両から駆け付けた仲間たちが遠ざかる彼女らを手もなく見つめる。うなだれた滴の足を、なおも追い縋るどろでろろの触手が絡め取っていた。
滴、想花、サニーを乗せた機関車両はもはや全ての重しから解き放たれ、いざ深淵へゆかんと全速力で駆けてゆく。遠ざかってゆく。遠く、なおも速く、遠くへと。
「なに。計算どおりさ」
落ちついた声に見れば修の顔は、とうに安堵に染まっていた。
機関室の中へ赤く、まぶしく閃いた。湾曲する赤刃はいともたやすく闇を切り裂き、青く瞬きながらのたうち回る触手を見向きもせずに想花と滴を抱え、しがみつくサニーに微笑む余裕さえ見せながら、サキリは瞬間移動。連続して発動し虚空を連鎖的に飛び越えた。
「ふう、ただいま。皆ご苦労様。これで終わりだね」
息も切らせず断じた彼の言葉どおりだった。遠ざかってゆく。蠢く闇だけを、収束しやみくもに膨張を続けるどろでろろだけを乗せて、深淵特急は脇目もふらず駆け抜ける。暗黒の果てへと消えてゆく。
機関部を失った後続車両たちはやがてスピードを失い、深淵との境界であろう、微塵の光も通さぬまさしく虚無と呼ぶべき暗黒を眼前にしてぴたり、停車した。あと一秒も機関部が切り離されるのが遅れていたら、そのまま引きずられ飲み込まれていたことだろう。
たっぷり十数秒を緊迫したままに睨み続け、やがて全てが終わったと確信した瞬間に、その場の全員が操り主を失った人形のごとくに弛緩し、崩れ落ちたのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
天村花海
シナリオタイプ(らっポ)
ホワイトシナリオ(100)
グループ参加
5人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
1000人
参加キャラクター数
57人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年02月26日
参加申し込みの期限
2024年03月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年03月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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