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少女は風の精
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横断歩道の信号待ち、ほどけた靴ひもを直すふりをして、そっとラッセルは背後をうかがった。
やっぱ気のせいか。
いつもの通学路、いつもの朝の光景だ。スニーカーにソックスがたくさんやってくる。軽やかだったり重かったり、ただただ機械的だったり、それぞれ特徴はあるものの、とくに不審な動きはない。
でもなんか……視線感じるような。
数分前あたりからだろうか、自分にそそがれるまなざしの存在をラッセルは感じている。
害意とか怒りとか、そんなネガティブなものではない。むしろ正反対で、いわゆる熱視線というやつだ。愛情とか憧れとか。すくなくとも好意なのはまちがいないと思った。
立ちあがると、あわせて視線も上昇するような気がしてならない。
熱烈なファンとか?
純真な一年生女子が、「先輩、ずっと憧れてましたー!」なんてな。九十度にお辞儀して、「読んでくださいっ」ってハートのシールで封した白い封筒を押しつけてきたりして。
いや、ねーよ。
内心肩をすくめて即座に打ち消す。我ながらポンコツな妄想だ。
もうあとは意識しないようにして、黙々と足を速めた。
だがすぐに無駄だと悟った。
気になる。
校門をくぐっても視線が追ってくるように思える。
数人の顔見知りに「おはよー」とあいさつを交わしつつ、ラッセルは再度さりげなく周囲を確認するも、やはり自分に熱視線をぶん投げてくる姿はないのだった。
見えない。
とすれば、幽霊……じゃなきゃ、やっぱ。
晴月だろうな。
微苦笑する。空から見ているのだろう。
どこに隠れているのやら。
ま、見られて困る生活してねーし。
観察したいのならお好きに。
そう決めると、あまり気にならなくなってきた。
この時期の三年生は開店休業の状態になる高校はめずらしくない。あっても自主登校だったりもする。
けれどこうして高三の三学期まで、希望があれば授業をやってくれる寝子高はありがたかった。昨年とおなじような光景が教室にひろがっている。
だけどいよいよ。
終わりか、とラッセルは思う。
きっとこの感覚をいだいているのは、自分だけではないだろう。教室はどこか浮き足だっているように思えた。目には見えずともみんな揺れているのだ。体に残る卵のカラを、振り落とそうとするヒヨコのように。
進路がすでに決まっている者にも、そうでない者にも、確実にあてはまることがひとつある。
高校生でいられる期間は、あとわずかだということだ。
だがいくら体が揺れていようと、やるべきことはしっかりやっておきたい。ラッセルの場合、それは受験勉強ということになる。
ただでさえ県外私立高校の寮生活を認めてもらっているのだ、学費についてこれ以上実家に負担をかけたくはなかった。だからラッセルは予備校や塾を利用していない。寝子高は進学校でもあるので、学校のサポートだけで十分だと思っている。
午前中は苦手教科の英語、とりわけリスニングに力を入れた。日本語ネイティブのラッセルにとって、RとLの発音のちがいは大変に厳しい。
つづいては美術系の受験準備だ。木天蓼大学芸術科には頼れる先輩がいる。ラッセルは彼女から参考書、それに受験生時代に作成したという必勝ノートを借り受けていた。大変ためになる。血の通った肉筆だけに、読むほどにしみこんでくるような気がする。
首尾よく合格できたら俺も、こんな風に後続に手を貸したい。
……なーんて虫のいいこと考えてる場合じゃなかったな。勉強勉強、と。
昼食は手早くパンで済ませ、校庭でバレーボールに興じる学友を横目に図書館で自習をつづけた。
あっという間に下校時刻だ。朝と逆方向に門をくぐってようやく、ラッセルは晴月のことを思い出した。
まだいるかな。
ご覧いただくにはつまらない一日だったろう。退屈してどこかに飛んでいったとしても――。
いや。
春の木漏れ日みたいな視線を感じる。
まだいるみてーだな。
おもしれーことなんてなかったと思うがなーと独りごちつつも、口元に笑みが浮かぶのはどうしようもなかった。
わざと桜花寮の前を通り過ぎ、ずんずん歩いて猫又川、その河川敷までラッセルは下っていった。
だーるまさんが……。
こーろんだっ!
周囲に人の姿がないのを確かめ、足を止めだしぬけに振り返った。
いた。
見上げた位置、川にかかる橋のあたり、翡翠色の瞳と視線があった。
けれど瞳の主は、なお往生際悪く橋の欄干に姿を隠したのだ。
「おーい」
ラッセルは手を振った。
「もう気づいてるぞー。どうした晴月、今日は探偵ごっこでもしてるのか? もしかして俺、濡れ衣でもかけられてるとかー」
言いながら吹き出してしまい、言葉の後半は笑いといっしょくたになっている。
まるで小動物だ。欄干のかげから、こわごわと晴月が顔をのぞかせた。
けれどもさすがにもう観念したようで、
「ラッセルごめん……」
ばつの悪そうな表情で晴月は、雪山でも滑るようにしてするりとラッセルの目の前に降り立ったのである。
心のなごむやさしい香がする。
ラッセルは、レモングラスの匂いをかいでいた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
NPC交流
オールジャンル
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年11月05日
参加申し込みの期限
2023年11月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年11月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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